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5歳男児、プリキュアに沌る

    女児アニメ界の重鎮こずプリキュアが、わが家にやっおきた。

    兄匟たちは、幎霢も性別も興味の察象も異なるため、チャンネル争いになるこずが倚い。唯䞀の女の子である末っ子は、どうしおも立堎が匱くなる。

    そこで、プリキュアである。プリキュアなら、戊隊モノが芋たい兄たちも、ラブリヌなビゞュアルに憧れを抱く2歳の末っ子も、みんなで楜しめるはずだ。

    「プリキュアなんおやだヌ」
    「こんなの誰も芋たくないんですけどヌ」

    文句を蚀う二人の兄たちを倧人の実力で黙らせ、ずりあえず䞀話流しおみたずころ、芋事にハマった。末っ子女子が、ではない。次男5歳が、である。

    プリキュアは、たさかの次男に刺さりたくった。男女関係なく、瞬時に子どもの心を掎む実力掟アニメの底力よ。

    それからずいうもの、次男は動画タむムに毎回プリキュアを遞択。家でも車でもひたすらオヌプニング・゚ンディング䞻題歌を゚ンドレスリピヌトしおいる。


    奜きなアニメを楜しんだり、歌を芚えるこず自䜓は埮笑たしい。しかし厄介なのは、次男の「ごっこ遊びぞの執着」だった。

    䞀話目を芋た盎埌から「 “わんだふるぷりきゅあごっこ” しよう」が、圌の口癖になっおしたったのだ。


    起床埌、倕方垰宅埌、そしお、倕飯埌。

    「 “わんだふるぷりきゅあごっこ” しよう ねぇ  “わんだふるぷりきゅあごっこ”  いいでしょ やろうよ  “わんだふるぷりきゅあごっこ” 」

    ハマったアニメは数あれど、ここたで執着するのも珍しい。

    兄匟たちはみんなごっこ遊びが倧奜きだ。しかし “わんだふるぷりきゅあごっこ” は、ごっこ遊びずしおの難易床が高いようだった。

    たず、数話しか芳おいないので、党䜓感がむメヌゞしづらい。登堎人物が倚すぎお、3人末っ子は挔技がただ難しいため実質2人では䞖界芳も成立しづらい。そしお、舞台が限定され、自由な蚀動に制限がかかり、セリフに詰たっおしたう。


    兄匟たちが戞惑う䞭、それでも次男は “わんだふるぷりきゅあごっこ” を熱望し続けた。あたりのし぀こさに、そのうち長男だけでなく、末っ子たで完党にうんざりしおいた。

    誰も䞀緒にやっおくれないので、次男の圧はさらにヒヌトアップする。玄束を確実に取り付けるために、カレンダヌにしっかり蚘茉しお、動かぬ蚌拠ずするほどの執念だった。


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    「ぜったい」に感じる圧


    そのうち長男は、次男が “わんだふる” の「わん」を発音しただけで、耳を塞ぐようになった。

    誘う際、次男が「 “わんだふるぷりきゅあごっこ” しよう」ず埋儀に “わんだふる” を぀けるのも、し぀こさず圧が増す原因の䞀぀だろう。

    「“プリキュアごっこで”いいじゃん」ず私が蚀うず「“わんだふる” を぀けないず、みんな、どのプリキュアかわからないでしょ」ずのこずだった。

    なるほど。その思いやりを、ぜひごっこ遊びをしたくない兄匟たちに向けおほしいずころだ。



    しかし、次男の気持ちも汲みたいのが芪心である。これほどたでに熱を䞊げおいるのだ、興味の芜を摘みたくない。

    芋かねた私は、次男にいく぀かアドバむスを詊みた。

    盞手を脅しお遊んだっお、楜しくないこず。
    みんなが楜しめるように、どんなシヌンでごっこ遊びするかたで提案しおみるこず。

    「みんなでパヌティずか、海に遊びに行っおいるずきに敵が出おくるずか。そうすればむメヌゞが湧いお、セリフもスムヌズに出おくるんじゃない」

    「それいいね じゃあ、みんなで海に遊びにきたっおこずにしよ」

    乗り気な次男に察しお、長男は銖を暪に振る。

    「  じゃあさ、長男がやりたい颚船バレヌを、プリキュアバヌゞョンでやるのはどう そしたら䞀石二鳥じゃない」

    「それいいね じゃあ、次男はキュアワンダフルやる 長男はどれにする」

    乗り気な次男に察しお、長男は「普通に颚船バレヌやりたいんだけど」ず抵抗する。


    寄り添いも提案も虚しく打ち砕かれ、次男はブチギレ。それに察しお長男も「し぀けぇんだよ」ずブチギレ返し、家の䞭は険悪ムヌドになっおしたった。

    おいおい、今期のプリキュアのテヌマは「みんな なかよし わんだふる」だぞ。喧嘩をしおどうする。



    仕方ない。ここは、母が䞀肌脱いでやろうじゃないの。

    きっず次男は倧喜びに違いない。私ず次男が楜しくごっこ遊びをしおいれば、自然ず兄匟たちもその気になるだろう。

    さっそく次男に、なんでもやるから圹を振っおほしい旚を䌝える。しかし、予想に反しお、次男は険しい顔を厩さなかった。

    「  カヌチャンはだめ。やらなくおいい」



    なん  だず  


    冗談じゃない。
    私のごっこ遊びの実力を、次男は完党にみくびっおいる。

    この家の䞭で、私以䞊に “わんだふるぷりきゅあごっこ” をこなせるや぀が他にいるだろうか。

    自慢じゃないが、ごっこ歎はそれなりにある。
    子どもが生たれおからずいうもの、あらゆるアニメや戊隊ヒヌロヌのごっこ遊びに広く察応しおきたし、絵本の読みきかせでも声色にはこだわっおきた。私が読む『䞉枚のおふだ』の山姥やたんばが怖すぎお泣いたのを忘れたずは蚀わせない。

    曎に蚀えば、孊生時代のバむトバリ゚ヌションも豊富だ。垞に数皮類を掛け持ちしお、手広くやっおきた。バむトを「ごっこ歎」に入れるかは議論の䜙地があるが、仕事に応じた顔を持ち、その堎に盞応しい自分になりきるずいう意味では、経隓倀ずしお胞を匵れるはずだ。

    「なんでよ やろうよ カヌチャン、むしろやりたい。次男ず䞀緒に、“わんだふるぷりきゅあごっこ” したいよ」

    しかし、私の想いずは裏腹に、䜕床誘っおも次男は乗っおこなかった。



    次男のかたくな態床は、むしろ私の情熱に火を぀けた。次男も䞀床私ず “わんだふるぷりきゅあごっこ” をやれば、誘っおよかったず思うに決たっおいる。芋せおやろう、倧人の本気を。


    さっそく私は、自䞻緎を開始した。たずは基本を抑えるずころからである。

    正盎なずころ、登堎人物の名前をむマむチ把握できおいなかった。プリキュアは、日垞生掻での名前ず倉身埌の名前があっおややこしいし、みんな「キュアなんちゃら」みたいな感じで䌌おいるのだ。アラフォヌにはなかなかにキツむ。

    ここは公匏サむトも倧いに掻甚し、メむンキャラ4人×倉身前埌2パタヌン、合蚈8個の名前を完璧にマスタヌした。

    现かい蚭定を取りこがしおいるず、ごっこ遊びのクオリティが䞋がるため、ずりたきやストヌリヌも軜くさらう。

    あずは、声色の調敎だ。
    幌児アニメのキャラの声は、日垞の延長で出せるものではない。通垞運転のテンションから䞀気にアクセルを螏たないずいけないので、聞かれるずちょっず恥ずかしい。仕事が圚宅の日の朝——倫が子どもたちを保育園に連れお行っおいる10分皋床——をフル掻甚し、誰もいないこずを確認した䞊で緎習を重ねた。

    䞻圹玚は子どもたちがやりたがるだろうから、あえお脇圹も意識的に緎習した。できれば声優さんの特城を掎むために、出挔されおいる他の䜜品もさらいたいずころだったが、そこたでの時間的䜙裕はなかった。やむを埗ない。


    りォヌムアップは䞊々だ。

    さぁ次男、い぀でも来い——

    私は  “わんだふるぷりきゅあごっこ” を意識し぀぀、食事の準備をしながら䞻題歌を口ずさんでみたり、さりげなく倉身シヌンの決め台詞を呟いおみたり、日垞生掻で積極的にプリキュア勢であるこずをアピヌルした。

    私が仕掛けるたびに、次男はピクッず反応する。しめしめ。

    しかし、䞭途半端に反応させるず  “わんだふるぷりきゅあごっこ” の圧が再び兄匟たちに向けられおしたうので、加枛が難しい。その圧を私に向けおくれ。この、すっかり仕䞊がっおいる私に


    ずころが、埅おど暮らせど、次男からのオファヌがない。埅ちきれず、自分から声をかけた。

    「ねぇ、カヌチャン今  “わんだふるぷりきゅあごっこ” したいなぁ。䞀緒にやっおくれない」

    次男はやはり銖を暪に振る。なぜだ  

    次男の目線の先には、そっぜを向いおいる長男がいる。そうか、なるほど。

    確かに、長男はごっこ遊びの盞手圹ずしお定評があり、垞に必須メンバヌずしお熱望されおいる。わが家のごっこ遊び界隈で、もっずも予玄が取れない男なのである。

    長男に軜く嫉劬し぀぀「カヌチャンも䞊手なんだけどなぁ」ず食い䞋がるず、次男から「じゃぁ、いろはのママ圹ならいいよ」ずお蚱しが出た。


    いろはの  ママ  


    たずい。たさか、䞻人公の家族ポゞションでの採甚だずは想定倖である。準備がガバガバで、顔も声も思い出せない。

    このチャンスを逃したら、次い぀ごっこ遊びに入れおもらえるか分からないので、意を決しお「い、いいよ むしろママ圹なら、カヌチャンが䞀番䞊手かも」ず参戊を決める。

    しかし結局、その日も長男はごっこ遊びに乗っおこず、メンバヌが䞻人公の母芪だけでは盛り䞊がりに欠けるため、すぐにお開きずなった。


    あたりにも無念である。
    私の情熱、いや執念は、どこで昇華したらいいのか。

    私はただ諊めおいなかった。自䞻緎の成果を必ずどこかで発揮しお、次男ず楜しくごっこ遊びをするのだ。プリキュアでなくずも、チャンスは䜕床でも巡っおくるはずだ。

    しかし、本圓にそうだろうか。 “わんだふるぷりきゅあ” が最終回を迎え、新しいプリキュアになる頃、圌らがただごっこ遊びをしおいる確蚌などどこにもないのだ。

    日に日に成長する子どもたちを芋おいるず、ふず思う。旬が長く続いおいるず思っおいたごっこ遊びの賞味期限は、案倖短いのかもしれない。

      たあ、問題ない。子どもたちが卒業しおしたったら、孫がいる。い぀か生たれおくるであろう孫のごっこ遊びに付き合うたで、私のたゆたぬ自己鍛錬は続くのである。







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    食の仕事14幎目。8æ­³5æ­³3歳の母。自家補奜き。Xでは朝ごはんの知恵袋を発信䞭。noteのフォロヌはこちら、Xはこちらからお気軜に


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