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実家を誰が継ぐのか、兄弟で話せていない

    父が亡くなって、もうすぐ一年になる。

    母はその三年前に見送っているから、実家にはもう誰も住んでいない。法事で兄と顔を合わせても、話すのは庭の柿の木のことや、子どもの受験のことばかりだった。

    帰りの車の中で、ふと思う。あの家は、結局どうするんだろう。兄が継ぐのか、私なのか、手放すのか。誰も口にしないまま、一年がたとうとしている。

    不安の正体は、話し合いが始まらないまま、期限だけが近づいている気がすることだった。切り出せば揉めそうで、黙っていれば何かを過ぎてしまいそうで。

    知っておくと少し楽になることを1つだけ。話し合いがまとまらなくても、「相続人申告登記」で相続登記の義務は果たせるということ。

    法務省の案内によると、2024年4月から相続登記は義務になり、実家を相続したと知った日から3年以内に申請することになった。ただ、兄弟で誰が継ぐかを決めきれない場合は、相続人の一人が「自分が相続人です」と法務局に申し出るだけで、ひとまず義務を果たせる。申し出は相続人ごとに一人でもでき、話し合いが決まったら、その日から3年以内にあらためて登記をすればいい。

    もちろん、これは問題を先送りするための仕組みではない。それでも、期限に追われて急いで決めなくていいと分かるだけで、兄に話しかける言葉は少しやわらかくなる。

    まずは、実家のほかにどんな財産や借金があるかを一枚の紙に書き出して、兄に見せてみようと思う。

    亡くなったあとの期限の一覧と、実家を誰が引き継ぐか話し合う順番をまとめた記事があります。

    あの柿の木の話から、始めてもいいのかもしれない。

     
     
    親の介護・相続・実家・葬儀について、公的な一次情報をもとに「何を・いつまでに・どこへ」を整理しています。全記事に出典と情報確認日つき。士業ではないので断定せず、読んだ人が自分で確かめられる形で書いています。詳しくは oyano-koto.com へ。

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