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Photo bymomoro66

現実と向き合う。

    ヤングケアラーの
    端くれとして
    思うこと
    たくさんある

    昨日は一緒に
    通院した
    おばあちゃま
    緊急入院になった

    午前中
    亜鉛不足と云われた
    おばあちゃま

    一緒に食べた
    病院内のランチ
    ウナギだった

    いつも節約してる
    おばあちゃま
    元気になりたい
    その一心だろう

    どうみても
    固そうで
    不味そうで
    レンチンしたような
    ウナギは
    温められ過ぎて

    エコー検査のため
    絶食してた
    おばあちゃまは
    あんなに
    「おなかすいた」
    朝から連呼してたのに
    二切れ食べて
    全部残した

    もちろん
    いままで
    一度だって
    食事を残す姿など
    見たこと無かった

    ボクは
    おばあちゃまの
    車イスを
    歪んだ足で
    びっこしながら
    押して歩く

    今朝のおばあちゃまは
    何だか遠い
    そう感じてた

    排泄を手伝うため
    多目的トイレに
    一緒に行ったのに
    使用中だった

    普通のトイレ前に
    車イスを止めて
    おばあちゃまと
    ゆっくり時間かけて
    入って行った

    かなりの時間を要する
    出てきて車イスに
    戻して次の場所へ
    移動するころ

    多目的の扉が開いた
    大学生ぐらいの
    オトコの人が
    スマホ片手に出てきた

    文句はいうまい
    足が義足かもしれない
    オスメイトトイレに
    用事が在るのかも
    泌尿器系がダメで
    普通トイレ
    利用できないのかも

    怒りを収める
    理由を頭に浮かべながら
    おばあちゃまに
    はなしかけたが
    返事がおかしい

    車イスを止め
    しゃがむことができない
    ボクは身体を斜めにしながら
    おばあちゃまを覗き込む

    目がおかしい

    おばあちゃま?

    ん?

    いままで
    1番笑ったことは
    何だったの?

    いつもの
    おばあちゃまなら
    ギャグで
    1度も笑ったことない
    などという
    自虐ギャグを炸裂させるハズ

    ・・・。

    おばあちゃま?

    ん?

    あぁ何だかおかしいな

    次の診察でも担当先生に
    いつもと様子が違うこと
    家族として話したのに
    CTやエコーに異常が無い
    数値は亜鉛だけ不足

    それだけの
    判断材料で診察が終わる

    大量の薬
    1度の通院で
    7カ所から8カ所の
    医療科を回る

    自己注射器も重くて
    保冷庫で運ぶので
    車イスの他に
    薬を運ぶための
    カートもある

    付き添いの
    叔父や叔母がいない
    その瞬間の移動は

    叔父や叔母は
    移動しないように
    キツク云うが

    おばあちゃまは
    トイレだって行きたい
    ボクだって
    飲み物を追加で買いたい

    買い物カートの
    手で引っ張る部分を
    頭から胴体へ通し
    お腹の部分で固定

    前進すると
    後ろにカートが
    引っ張られるように

    両手で車イスを
    押し車みたいに
    押して進む

    すれ違う
    多くの患者さんに
    「あぶないあぶない」
    「お母さんは?」
    などと声をかけられるが

    立ち止まって
    説明してる場合じゃない

    大丈夫です!
    いいながら前進

    看護師さんの中でも
    助手とかではなく
    正看さんに出くわすと

    直ちに
    止められ
    他のオトナを呼ばれ

    助手さんなどが
    車イスのおばあちゃまたちを
    トイレへ連れてってくださる

    そして
    「お母さんは?」と聞かれる

    「ボクはその尋問が
    1番キライです」


    「ぇー?尋問??
    今日はひとりかな?」

    「ちがいます」

    「そかそか、
    誰と一緒かな?」

    「叔母です」

    「どこにいるかな」

    「支払いに並んで
    処方箋FAXしに」

    「んーそかそか」

    その後
    動かないように云われ
    叔母さまが来るまで
    そこに看護師さんといた


    少しながかったから
    おかしいと思ってたら

    おばあちゃまが
    入院になってた

    予感は的中

    いつもと違うことは
    ボクにだってすぐわかる

    目が遠い

    ボクは何人もの
    おじいちゃま
    おばあちゃまの
    最期を共に過ごした

    目が違うんだ

    お話だって違う

    きっと天使を眺めてる


    おいしいウナギを
    食べさせてあげたい
    率直にそう思った


    一応医師の云うには
    来週には退院だ


    退院したら
    その足で
    美味しいウナギを
    食べに連れて行こう

    タクシーに
    2人で乗って
    スグ行こう

    お金は無い
    でも
    スマホを購入するため
    noteで皆様から頂いた
    お金が7500円もある

    現金で貯金箱に在る
    きっと足りる

    おばあちゃまだけでも
    2人で入って
    1人分の注文でもいいかな

    タクシーの往復は
    おいくらになるかな

    頭の中でグルグル考えた


    気づいたら
    診察台の上で目が覚めた

    ボクはおばあちゃまの
    入院と聞いて
    倒れたらしい

    叔母さまが
    他の親族を呼んで
    大事になってた


    「パコちゃん
    ムリしたらダメだよ」

    「熱中症気味だったんですって」

    そういうと
    同行してた
    叔母さまに
    他の親族がよってたかって

    文句を
    投げつけてた

    「うるさい」

    ボクは怒鳴った

    スグ別のおばあちゃまが
    背中をさすりにきた


    看護師さんがきて
    ボクに
    お名前と
    お誕生日言えるかな?
    呼びかけた

    ボクはわざと
    目の前を取り囲む
    親族のひとりひとりの
    フルネームと
    生年月日を答えた

    「え?すごい!」

    看護師さんは
    驚くが
    親族の介護に同行し
    自身も通院を繰り返すと
    何万回も耳で聞き

    何度も手続きのため
    書面に書くのを眺めてる

    さすがに覚える

    「ごめんね
    お名前とお誕生日は
    パコちゃんのを聞きたいの」

    「いいません」

    「ぇー?どうしたの?」

    「点滴とかするんだよね?
    許可しません
    もうボク帰ります」

    親族はボクをなだめるが
    ボクはもう帰りたい
    朝8時に病院に並び
    16時現在まだ病院だ

    一緒にいた
    おばあちゃまは入院した
    もう帰りたい

    介助してる
    叔母さまがやつれてる

    どんなに長く
    大変な1日か
    ボクは知ってる

    介護は介護した経験者しか
    わからない
    簡単じゃない

    とても疲れる

    いっしょに行った
    おばあちゃまは
    天使がお迎えにきてる
    逝かせはしない

    何度体験しても
    慣れない

    人の死への準備
    酸素濃度の低下
    90無い

    咳の音は普通
    タンもあがるようだ


    おばあちゃまは
    元気になるに決まってる

    おししいウナギを
    食べさせてあげたい

    当たり前の日々を
    取り戻したい

    おばあちゃまの
    ギャグで呆れたい

    おばあちゃまは
    天使と会話した

    お世話になりました
    そらを見て
    そう話した

    目が遠い


    現実は目の前

    日々の暮らし
    懸命に生きること


















     
     
    B型と哲学と芸術創造好き。性格は悪い。 LGBTQの1人。AI利用していません。 自由に遠慮なくフォロー外してOK。

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