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境界性パーソナリティ障害と過ごした半生と、自己治療&周囲の対応ポイント【前編・10歳〜24歳までの話】

    わたしは10歳から34歳までの24年間、境界性パーソナリティ障害(境界性人格障害)という精神障害でした。(英名:Borderline personality disorder/略称BPD、ボーダー、境界例)

    「でした」というのは、もう寛解(かんかい・症状がおだやかになること)して、その症状がほとんど出てこなくなったからです。
    わたしは投薬・通院をやめ、周囲の力を借りながらの自己治療で現在の状況まで持って行きました。

    最後に受診した心療内科の先生曰く、この精神障害に「完治」はないそうです。なので、たまに少しそれっぽい傾向は出てきます。
    しかし、一番ひどかった時のようにはもうなりません。

    この記事では、おそらく発症したと思われる10歳から、症状がほとんど出なくなった34歳までのわたしの半生とともに、「寛解(自己治療)のポイント」「周囲の対応ポイント」というものを書いていこうと思います。


    ※この記事は今後も加筆修正していく可能性があります。
    修正時には購入者の方々にお知らせが届き、追加のお支払いなしで修正後の記事がお読みいただけます。

    記事公開開始日:2019年11月11日
    記事最新修正日:2025年4月30日
    今回の修正内容:
    ・過去の話や対応ポイントなど全体的に加筆&心理ワーク変更
    ・記事末の関連リンクを追加


    わたしには、病気を抜けかけた頃から「夢」がありました。それは「自分の体験を、同じ精神障害で苦しんでいる方たちの役に立てる」こと。

    すでに診断を受けている方、診断はされていないがそうかもしれないという方、自分のパートナーが境界性パーソナリティ障害かもしれないという方に、少しでもお役に立てたらうれしいです。

    ※わたしは資格を取得してカウンセラーをしておりますが、精神科医ではありません。この記事は自身の経験と、境界性パーソナリティ障害関連の文献、心理学・哲学書などで得た一般的な知識をもとに構成しています。

    すべての当事者さんに当てはまらない可能性もありますので、ご注意ください。

    ※境界性パーソナリティ障害は女性に発症することが多いため、それを想定した書き方をしていますが、男性も発症する場合があります。

    ◆境界性パーソナリティ障害に起きる症状

    まず、境界性パーソナリティ障害に起きる症状の例を挙げていきます。
    その名前から「二重人格?」とカン違いされることもありますが、いわゆる二重人格や多重人格と言われる“解離性同一性障害”とはちがいます。

    この病名で言われる境界とは、“神経症と統合失調症の境界くらいの症状が出る”という意味です。しかし、境界性パーソナリティ障害の症状であるか診断するポイントは、その病名にあるように「境界(ボーダーライン)」です。

    ・気分の浮き沈みが異常なまでに激しい。「幸せ」と「不幸」の境目を行ったり来たりする。基本的に同じ落ち込みが長時間や数日にわたって続くことはない。

    ・自分の心身を傷つける(引き裂く)ような行為をする。
    リストカット等の自傷行為、自殺企図、過食、過剰な飲酒や性行為(または安全でない性行為)、薬の過剰摂取など)

    ・見捨てられ不安が強い。少しのことで自分は嫌われると感じる。
    また、自分自身も少しのことで他人を嫌う。ものすごく高評価していた相手に対して、突然に幻滅したりする。白黒思考が強い。0か100かを行ったり来たりする。

    ・二面性のある態度をとる。「もういい」と突き放すような態度を取ったかと思えば、数時間後や翌日になって急に「捨てないで」とすがるような態度になってしまう。

    ・「自分」がないように感じる。「自分がどうしたいか」よりも「他人はどうして欲しいと思っているか」を中心に動こうとする。「自分が何をしたいのか」がわからなくなる。

    ・他人を気遣いすぎる。普段は穏やかだったり、自己犠牲的に他人のために頑張ろうとする人が多い。(しかしそのストレスで爆発、一転して迷惑行為を行ったりする。やっぱり0か100)

    ・他人を自分の思い通りにコントロールしようとする。
    他者と自分との境界線があいまいであるため。周囲の人間関係をコントロールして引っかき回したり、人間関係の移り変わりが激しい。

    ・特にパートナーや親(養育者)などに症状が強く出る。それらの身近な人物に対してとびきりの愛情をかける(または愛情を求めて甘える)こともあれば、突然暴言を吐くなどして攻撃的になる。暴言は根拠のないものではなく、相手の一番痛い所を見事にえぐるようなものが多い。

    ・怒りのコントロールができないと感じる。対人関係によって、適当とは言えない怒りが爆発する。(主にパートナーや養育者が約束を破った時など、「大切に扱われていない」と感じた時に猛烈な怒りを感じる)

    ・自分を責める傾向が強い。怒りにまかせている最中は「自分は正当な主張をしている」という自信があるが、怒りがおさまった後は強烈な罪悪感を感じ、「自分は悪い人間だ」と自責の念が強くなる。

    ・急に自己評価が変わり、自分は「もう大丈夫だ」「何でもできる」と錯覚する。周囲からは突飛に見える行動を起こすこともあるため、双極性障害と誤診されることも多い。

    こちらはあくまで一例です。似たような症状が起こる他のパーソナリティ障害もあるので、自己診断はしないでください。わたし自身も、最初に境界性パーソナリティ障害を疑ってくれた心療内科へ行って、きちんと診断していただきました。

    ※私のカウンセリングサイトに、自らの疾病経験とDSM-5(アメリカの精神疾患/精神障害の診断・統計マニュアル第5版)を元に作成した「境界性パーソナリティ障害、分かりやすい8つのチェックリスト」をご用意しています。
    こちらも参考にしていただければ。↓

    動画版も作成しました!↓

    ◆病院で診断してもらう場合の(誤診を防ぐ)注意点

    ただ単純に「自傷行為をしてしまう」「死にたい」という話だけをしても、うつ病と誤診される場合があります(わたしも4回くらいされました)。

    病院での診断を求める場合は、わたしが実際に行った方法を参考にしてみてください。

    1. 境界性パーソナリティ障害の知識があり、診断が可能な病院・クリニックを探す

    わたしの場合はすでに「疑い」をかけてくれた病院があったのでありがたかったですが、どの病院にすればいいか分からない場合はインターネットで検索、サイト上や電話などで確認するのがいいと思います。

    境界性パーソナリティ障害を扱わない病院・クリニックや、知識のない精神科医もいます。

    2.自分が問題行動を起こした時の様子を思い出し、冷静に書き出す。自分で書き出せない時は、問題行動を見ていた近しい人に文章化をお願いする。

    インターネット上に診断基準や症状例がいくつもありますので、それを参考に「どれだけ重なっているか」をチェックしてみてください。

    また、行動だけでなく「その時にどんな感情が起きたか」をできるだけ細かく思い起こして書き出すことも重要です。

    なぜなら、精神疾患/障害の中には「同じ行動を起こすが、それを起こすきっかけとなった感情や考えの違いによって、診断が変わる」ものがあるからです。

    境界性パーソナリティ障害だと思って病院へ診断しに行ったら、自己愛性パーソナリティ障害を診断されました、という実例もあります。

    3.書き出したノートやスマートフォンのメモ帳などを見ながら、冷静に医師へ報告し、病名を診断してもらう。

    わたしの場合は双極性障害にも似た症状があったので、「境界性パーソナリティ障害か双極性障害だと思うのですが、どう思いますか」とたずねました。

    ノートやメモなどを見ずに話すことができる方は、何も見なくてもOKです(わたしは何も見ずにしゃべりました)。

    ただ、初めての病院やクリニックなどの場合は緊張する方が多いと思うので、ある程度「何を言うか」を決めた状態で話すのがおすすめです。


    上記のようにしても、「1回の診察では診断できない」という病院もありますので、ご了承ください。パーソナリティ障害は、とても診断が難しい精神障害なのです。

    よくいらっしゃるのが、「自分の親は普通だったから、わたしは病気ではない」「そこまでひどい状態ではないから、わたしは自分を精神病と呼んではいけない」と言う方です。

    自分が精神障害であるかどうか、いやそもそも「自分が苦しいかどうか」に他者との比較は必要ない、とわたしは考えています。

    あなたがつらい、苦しい、悲しいと感じていて、今も悩み続けているかどうかが大事なことなんです。


    それではここから、わたしが境界性パーソナリティ障害とともに過ごした人生の物語を書いていきます。

    これからの話は、あくまで「個人の体験談」です。わたしと全く同じ状況だからといって同じ精神障害になるとは限りませんし、また、わたしと違う状況だからといって「境界性パーソナリティ障害ではない」という訳ではありません。

    なぜわたしが自分の人生を書くのかというと、ひとりでも多くの当事者さんに「自分だけじゃなかったんだ」と安心してもらいたいからです。実際、このnoteを読んで「安心した」と言ってくださった方もいらっしゃいました。

    そして、境界性パーソナリティ障害の当事者さんに振り回されたり、治してあげたいと悩む周囲の方々に「こういう人でも、ちゃんと治ったんだ」と希望を持ってもらうためです。

    ◆小学5年生(10歳)【発症したと思われる時期】

    わたしが病院ではっきりと「境界性パーソナリティ障害」を診断されたのは30歳の時です。

    ではなぜ、10歳が「発症したと思われる歳」かというと……そこから、わたしの「自傷行為」が始まったからです。

    激しい怒りもあったように思いますが、何しろ子どもなのでそれは「癇癪かんしゃく・短気」としか思われませんでした。

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