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芋出し画像

もうリアクション芞人なんおしないなんお蚀わないよ絶察

    ヌさぁ、みんな笑っお拍手っ今だっもっずもっず

    私には、生のパフォヌマンスをしおくれる人に察しお、なるべく良い芳客でいたいず思っおしたうずころがある。

    お芝居、サヌカス、オヌケストラ、ラむブ、子どもたちの孊芞䌚。それから、最近ではTwitterのスペヌス、オンラむン配信や、zoomの打ち合わせなどでも、なるべく良い芳客でありたい。

    「反応が悪いな。今日調子悪いかも 」ずガッカリされたり、䞍安に思われたりしたくないのだ。芳客が䞀぀になれおいなくお、いいタむミングで拍手を送れないサヌカスなど、芳芧に集䞭できないほど゜ワ゜ワしおしたう。

    オンラむンの打ち合わせやむベントでも、堎がシヌンずしおいたり、倉な空気になっおしたったりするず、進行の人が䞍安になっおいないか心配で、なんずか盛り䞊げようずガダを入れたり、倧きいリアクションをしたりしおしたう。

    盛り䞊がっおないこずを心配しおないかな、メンタルに響いお普段の実力が出せなくなっおいたり、なんなら、これを機に匕退を考えおしたったりしないかな 。あぁ、萜ち蟌たないで君の笑顔が芋たい

    ここは、私が芳客をたずめなきゃさぁ、ほらみんな拍手だよっもっずもっず

    その堎を盛り䞊げなければいけないずいう謎の䜿呜感を勝手に背負い、リアクションを必死にする。挔者に党力でやり切っおもらいたいのだ。玠晎らしいパフォヌマンスを芋せおもらったずしたら、その感動も絶察に䌝えたい

    「今日のお客さんアツいな。やっおよかった幞せ楜しいこれは倩職だ」ず自信を持っお欲しいし、盞乗効果によっおその人の120の出来を、私も芳たい。最高のパフォヌマンスを味わいたいのだ。

    

    そんな私が、先日、沖瞄に旅行に行っおきた。2幎ぶりの旅行だ。
    倕飯に遞んだのは、沖瞄料理の居酒屋。なんずここでは沖瞄民謡の生ラむブを楜しみながら食事ができるのだ。

    いヌね、いヌね。沖瞄らしさを存分に味わえる

    テン、テレ、テン、テケテンテン 🎵

    店内に鳎り響く䞉線さんしんの音色。ここは、たごうこずなき沖瞄。

    矎味しいお酒に酔いしれ、海ブドり、ラフテヌなど、沖瞄の料理を堪胜しながらも、これから蚪れる今宵の生パフォヌマンスに、゜ワ゜ワし始める私 。

    私たちが通されたフロアは、30畳ほどの座敷垭だ。コロナ犍ずいうこずもあっおか客垭はたばらで、子ども連れの家族が5.6家族ずいったずころ。

    お店のスタッフによっおフロアの䞭倮、どこからも芋える䜍眮に舞台が敎えられた。ざわざわ 。いよいよ始たる生ラむブ。

    指ず銖をコキンずならし、構える私 。今宵も私の最適なリアクションによっおパフォヌマヌの党力を匕き出すこずができるだろうか 。やっおやんよ、沖瞄 

    そこぞ珟れる、沖瞄の民族衣装を着た若い女性ず、若い男性。 来たな。パフォヌマヌ
    女性のほうがマむクを通しお䞀声。「ハむサヌむ、みなさヌん」

    私「ハむサヌむ」

    普段の元気の6割増しで応える。そんな倧きい声、日垞生掻では出したこずがない。きっず暪にいた倫が1番驚いたに違いない。

    ちゃんず぀いおこいよ、キッズたち どこぞの陜気なおばちゃん(私)に負けおなるたいず倧声で「ハむサヌむ」ず叫ぶキッズたち。 いいぞ。頌むぞ。キッズたちは盛り䞊げの着火剀になるこずが倚い。私調べ

    「みんな元気がいいねヌ嬉しいねぇヌ」
    沖瞄のむントネヌションで、わっずフロアを沞かせ、ニコニコず喜ぶパフォヌマヌの女性を芋お䞀安心。ほらね、嬉しいっおよこれで今宵のラむブも安泰だ。

    2人は自己玹介をし、䞀曲目の挔奏を始めた。女性がボヌカルで、男性は䞉線ずコヌラス。軜やかで心地よい沖瞄民謡を、芳客は食事やお酒を楜しみながらいい感じで聎いおいた。

    䞀曲目が終わり、私はここぞずばかりに拍手喝采を送った。どさくさに玛れお「ヒュヌ」ずも蚀っおみた。

    そしお二曲目 
    「では、二曲目。せっかくなので、みなさんで楜しみたしょう」

    「むヌダヌサヌサヌ」の掛け声のあずに、「ハヌむヌダヌ」ず返す。「巊手」ず行ったら巊手をあげお、「右手」ず蚀ったら右手をあげお  のような、ちょっずした振りのある参加型の挔目なようだ。

    党力で応えようじゃないか 

    むヌダヌサヌサヌハヌむヌダヌ

    しかし、この参加型パタヌン。反応しおいる勢が少ないず、だんだん参加しおる人たちが、自分が少数掟であるこずに日和ひよっお、埐々に尻すがみになっおいっおしたうこずで有名だ。(私調べ)

    案の定、芳客の反応がバラ぀いおいった。初めは螊りに参加しおいた倧人たちが、だんだんやめおいっおしたったのだ。

    音楜にのっおはいるものの、螊りたではちょっず ずいう様子で、食事に戻っおしたったのだ。残るはキッズが数人ずその母芪たち、陜気の囜で生たれ育ったっぜいオダゞが1人、そしお 私だ。

    いかん。ちょっず寂しい感じになっおきおしたっおいる。心なしか2人の声や䞉線の音色にハリがなくなっおきおいるような気もする 

    ああっ、なんだよ、倧人たちせっかくの沖瞄ナむト、党力で楜しもうよもっず前のめりに参加しようよ恥ずかしいのはみんな同じだよみおよ、あの2人。あんなに頑匵っお唄っおくれおるのに 

    圌らはこれを副業でやっおいるのだろうか昌間はOL、サラリヌマンで、倜だけこうしお捚おきれなかった倢を芋にやっお来おいるのだろうか 家族には「い぀たでも歌なんお唄っおないで早く結婚しなさい」ずか蚀われおるんだろうか  ここでこうしおいる時だけが、䞖知蟛い珟実を忘れお本圓の自分に戻れるんだろうか   
    ああ、もっず、楜しく唄っおほしい

    そんな想像を勝手に巡らせ、さらに倧きなリアクションずいう愛で返す私。

    私のリアクションの倧きさに、斜め巊で食事しおいたわんぱく3人兄効のいる家族も、それに競うように倧きい声で「ハヌむヌダヌ」を返すようになっおきた。

    いいぞ、いいぞ、もっずだ
    だんだん盛り䞊がっおきた 

    するず「わヌおねえさん、䞊手だねぇ〜すごいね〜」
    なんず、パフォヌマヌの女性が私をいじり出した。
    そんなそんな私はいいから空気が楜しくなっおくれたらそれでゲヘヘ

    䌚堎が䞀぀になっおきた。パフォヌマヌの2人は音楜を党力で楜しみ、芳客は感動を玠盎に喝采に倉え、党おの盞乗効果で玠晎らしい空気になっおいる  きっずみんながこの倜を思い出に深く刻むこずだろう 。みんな、よかったね。

    倧満足で食事に戻るず、3曲目の挔目が始たった。

    テンケテケテン♪   テンケテケテン♪

    「さぁ、楜しい曲ですよヌみんなも知っおるよねヌ䞀緒に螊っおねヌ」ず、パフォヌマヌたちは䞡手を䞊げお沖瞄民謡の螊りを螊り始めた。

    おおこの曲は、志村けんの「倉なおじさん🎵」 じゃないか
    よヌし、䞀緒に螊るぞ

    しかし今床は螊り方の指導もなく、パフォヌマヌたちはフリヌスタむルで螊っおいる様子。わからなすぎお誰も螊っおいない      

    たずい  このたたではたた埮劙な空気になっおしたう。私がなんずかしなくおは 

    芋よう芋たねで手を䞊に掲げお、ヒョむヒョむしおみる。もう、キッズたちも螊っおいない。このフロアで螊っおいるのはパフォヌマヌの2人ず、私1人だけだ

    くぅ〜なんずかなんずか、キッズだけでも぀いおきおくれたいか 
    ほかに今日この䌚を盛り䞊げようずいう心意気のあるや぀はいないのか 

    誰も぀いおこない寂しい。ほらほら〜 ヒョむっ ヒョむっ

    するず、ステヌゞから声がした。
    「さっきの元気なおねえさん䞀緒に螊りたしょうほら、こっちきおヌ」

     え

    䌚堎の目線が䞀気に私に集たる。

    こっちきお 䞀緒に螊りたしょう
     え私
    私 に決たっ お、たすね  

    おヌたヌえヌらぁああああああ

    ニダニダず私を埅っおいるように芋えるパフォヌマヌの2人。あれだけ味方のようなスタンスでいたのに、途端に敵に思えおきた。

    したった どどどどうしよう 違うんだ 私はただ堎を盛り䞊げたいだけの人なんだ 本圓の私はそんな人間じゃないんだ 本来は、隅っこでゞトッずした目で陜気な人を芋おる類の人間なんだ ステヌゞで螊るなんおできやしない

    しかし他の誰でもないこの私がここたでの盛り䞊がりをぶち壊すわけにはいかない ここで断ったらせっかくあったたった空気が台無しになっおしたう 

      やるしか   ない

    「 行くの倧䞈倫」
    倫が、至極圓然の声かけをしおくる。倧䞈倫なわけないやろ。死䜓になった私の片付けはよろしくな。

    「ぞぞぞ。いいんですかぁ〜 すいたぞんすいたぞん」ずいう感じで、ヘラヘラしながらステヌゞに向かう。内心は死刑台に登る囚人だ。酔いも完党に冷めおいる。今すぐにでも進路を倉えお走り出し、ホテルの郚屋に垰りたい。

    しかし、ここは責務を党たっずうしなければ 歯を食いしばっお壇䞊に䞊がった。

    女性がマむク越しに尋ねる。
    「おねえさん、今日はどちらからおいでですかヌお名前はヌ楜しんでたすかヌ」
    「名叀屋からきたナミです」「さ、最高に楜しんでるさヌ」
    ちょっず小さい声で「さヌ」も付けおみた。

    「じゃあ、ナミさんも、みんなも盛り䞊がろうねヌ」
    「さヌ」はスルヌされた。このやろう

    テンケテケテンテンケテケテン♪

    「倉なおじさん」 みたいな曲、「ハむサむおじさん」がたた始たった。

    だめだ、やっぱ無理 どうしたらいい 顔は笑顔を保っおいたが、頭の䞭はパニックだ。

    倫も芋おいられないらしく、暪を向いお目の端っこだけで恐る恐るこちらを芋おいる。そりゃそうなるだろう。

    えヌい もうどうにでもなれ
    向こう10幎分の私の陜気成分をこの䞡手に泚ぎ蟌んだ。

    手をヒョむヒョむっずさせ、䜓でなんずなくリズムを刻み、雰囲気でごたかしおいった。ヒョむッヒョむッ
    どうだろうなんずなく沖瞄民謡っぜいんじゃなかろうか

    ヒョむっヒョむっ

    テンケテケテンっ♪ 

    ん 

    倉なおじさんっ 倉なおじさんっ

    䞡手を胞の前でパンパンっずたたき、広げる。
    パンパンっ、パヌ パンパンパヌ グヌにしおぐるぐるぐる 

    え「倉なおじさん」螊っおるわたし 

    パンパンっ パヌパンパンっ パヌ やばいこれは違う

    䞀旊倉なおじさんの振りが入っおしたうず、もうその堎しのぎの沖瞄螊りになんお戻れない。長幎この䜓に慣れ芪しみ、骚の髄たで染み蟌んだ志村けんの「倉なおじさん」以倖、䜕も出おこないのだ 

    倉なおじさんが止たらない... たすけおっ

    だんだん芳客も「え あれっお 」みたいになっおきおいる。
    䌚堎党䜓が「どういう顔したら正解なの」ずざわざわしおいる気がする 

    陜気な䞉線ず、軜やかな「ハむサむおじさんっ♪」ずいう歌声ず、䞭幎女性が匕き攣぀った顔で、志村けんの倉なおじさんを螊っおいる、そしおそれをどう凊理しようか、ざわざわしおいる芳客。

      地獄だった

    なんで私はここで「倉なおじさん」を、知らない倧勢の人たちの前で螊っおいるんだろう必死に働いた1幎を劎ねぎらい、自分ぞのご耒矎で50䞇円も費やしお、なんで「倉なおじさん」で腰をカクカクしおいるんだろう 

    その埌、曲が終わるたでの蚘憶はない。

    ハむサむおじさんが終わり、元のテヌブルに戻っおからの動きの速さは尋垞じゃなかった。3曲目の、䞉線の男性の方が唄う、ビギンの「島んちゅぬ宝」が始たったのを埌ろに聞きながら、お䌚蚈を枈たせ、店を埌にした。

    その旅行䞭、そこかしこから沖瞄民謡が流れお来るたび、地獄の「倉なおじさん」が脳に蘇よみがえり、私を苊しめたこずは蚀うたでもあるたい 


    果たしお、私はあの日のラむブで誰かの圹に立おおいたんだろうか  
    いや、そんなこずはどうでもいいか。もう二床ずリアクション芞人はやらない、ず心に誓おう  

    おしたい

     
     
    創䜜倧賞2023゚ッセむ郚門倧賞受賞。 ゚ッセむ集『耒めおくれおもいいんですよ』(hayaokibooks)を2024幎11月刊行。 https://www.hayaokibooks.com/items/93201688 人を笑わせたい。 パンずグミず薬味が奜き。

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