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「書く」って、どんなこと?~一流作家が伝授する「書く秘密」~書評レビュー

    🔵著  者 高橋  源一郎 
    🔵発  売  日 2024年07月29日
    🔵ページ数 128ページ
    🔵出  版  社 NHK出版


    誰も気づかなかった、
    言葉の秘密。
    文章は頭で考えて
    書いていない?
    実はもうひとりの
    「わたし」が
    書いている?
    作家が初めて明かす、
    渾身の「書く論」

    表紙の帯に書かれた文章より

     この本を読んだからと言って、文章がうまくなれるわけではない。「小説の書き方」を教えるハウツー本ではなく、「書くとは何か?」を問い直す哲学書のようなものなのだ。

     この本をもう3回も読んでいるが、「書くとは何か?」を未いま だに理解できていない自分がいる。授業形式で書かれ、3時間目まである。一番抽象的な内容なのは2時間目で、「考えずに」書くという見出しになっている。

    1時間目 「わたし」が書く
    2時間目 「考えずに」書く
    3時間目 「書けないこと」を書く 

    目次より

     普通は書くことがあるから執筆するのだが、著者は私達の内側にいる「もうひとりのわたし」に代筆してもらうという言い方をする。ますます頭が混乱してしまう授業なのだ。

     そのやり方で、著者は原稿用紙換算で500枚ある「さようなら、ギャングたち」(第四回群像新人長編小説賞を受賞)を60日で書き上げたそうだ。説得力はあるのだが、どのようにすれば書けるのかを明かしてはいない。

     高橋源一郎氏は、ある雑誌で小説家を「霊媒師」に例えたことがあった。「もうひとりのわたし」にバトンを渡すだけで、言葉が次から次へと自動書記のように生まれてくるのだ。

    〔自動書記〕
    心理学で、分裂した意識が活動して、自動的に意味のある絵や文章を書くこと。シュールレアリスムの作家が創作に用いた。

    精選版 日本国語大辞典〔コトバンク〕より

     更に、2時間目の中で著者は「ゾーン」という言葉も使っている。「もうひとりのわたし」に主導権を手渡すための、心の状態を指すのだろう。

     著者は「ゾーン」に入るためのスキルを提供していないが、生成 AI に依頼した「ゾーン」に入るためのリストを、以下にご紹介したい。

    〔『ゾーン』に入るための5つのチェックリスト〕
    ①「意味の呪縛」をオフにしたか?
     良いことを書こう、整合性を取ろうとする左脳のスイッチを切ります。
     「誰にも見せない」「デタラメでいい」と自分に許可を出す。

    ②身体の「自動化」を準備したか?
     考える前に指が動く状態を作ります。例えば、ブラインドタッチで無心に
     キーボードを叩く、あるいはペンを動かすリズムに乗る。脳ではなく「筋 
     肉」に書かせる準備ができているか。

    ③「呼び水」となるフレーズを置いたか?
     真っ白な画面は自意識を呼び戻します。自分の好きな一節や、全く関係の
     ない単語を一行目に置き、それを「きっかけ」にしてスタートする。

    ④「環境のノイズ」を遮断したか?
     ゾーンは繊細です。通知を切る、お決まりの音楽(BGM)を流す、ある
     いは特定の香りを嗅ぐなど、脳が「あ、今から受信モードだ」と切り替
     わるスイッチが入っているか。

    ⑤「推敲」というブレーキを捨てたか?
     書いている途中で読み返したり、書き直したりするのは「ゾーン」の中断
     です。最後までノンストップで「降りてくるもの」を出し切る覚悟ができ
     ているか。

    生成 AI ジェミニの回答より

     タイトルの副題ではないが、この本の表紙に「もうひとりの『わたし』に気づく」という言葉が印刷されていた。

     書評レビューを書き終えた今なら、この本のタイトルの問いに次のように答えるだろう。もうひとりの「わたし」に気づくことだと✨


    〔関連記事・サイト・動画〕
    🔵2025年12月、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が小説家の村上春樹氏にインタビューした記事です。高橋源一郎氏とほぼ同じ体験を語っています。


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