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共感できない子だと思っていませんか?ダブル・エンパシー問題という新しい視点

    こんにちは!春乃ひかりです。

    今年の2月1日からコツコツ書き溜めた記事が気付けば100を超え、幸い読者の方も増えていただきまして、
    日曜日は息抜き感覚でエッセイ(でも役に立つ)を書いていこうと思っています。

    歯医者さんの記事を書いた時に思いついた事がありまして、私の特性「ものづくりの情熱」「行動力」スキルを発動し、ある物を作成しました。
    日曜日の記事で披露したいと思いますので楽しみにしていただけたら幸いです!

    それでは今回は発達障害の子のコミュニケーション問題についての新たな視点のお話です。

    お子さんが学校や習い事で「相手の気持ちがわからない」「コミュニケーションが苦手」と言われたことはありませんか?

    自閉症の子どもたちは長年、「共感が苦手」「空気が読めない」と説明されることが少なくありませんでした。

    しかし近年、海外の自閉症研究では、その見方そのものを見直す動きが広がっています。

    今回は、自閉症研究で注目されている「ダブル・エンパシー問題(Double Empathy Problem)」という考え方をご紹介します。

    1. ダブル・エンパシー問題とは何か

    ① コミュニケーションは一方通行ではない

    従来の考え方では、自閉症の人がコミュニケーションに困難を抱える理由として、「相手の気持ちを理解する力が弱いから」と説明されることがありました。

    しかし、イギリスの社会学者であり自閉症当事者でもあるダミアン・ミルトン博士は、別の視点を提案しました。

    それが「ダブル・エンパシー問題」です。

    これは、自閉症の人だけが相手を理解できないのではなく、自閉症ではない人もまた、自閉症の人を十分に理解できていないという考え方です。

    つまり、コミュニケーションのズレは片方だけの問題ではなく、双方の理解の違いによって生まれるということです。

    ② お互いに当たり前が違う

    私たちは普段、自分と似た感覚や価値観を持つ人との会話を自然に行っています。

    しかし、自閉症の人と非自閉症の人では、

    ・物事の捉え方
    ・興味関心
    ・感覚の感じ方
    ・コミュニケーションスタイル

    が異なることがあります。

    そのため、どちらかが悪いわけではなくても、誤解が生まれることがあります。
    これは外国語を話す人同士の会話に少し似ています。

    言葉だけではなく、文化や考え方の違いがあると、お互いに理解が難しくなるのです。

    2. 海外研究から見えてきたこと

    ① 自閉症同士ではコミュニケーションがスムーズなこともある

    近年の研究では、自閉症者同士のコミュニケーションは比較的円滑に進むことがあると報告されています。
    もちろん個人差はありますが、自閉症の人同士の方が、

    ・話のテンポが合う
    ・興味関心を共有しやすい
    ・誤解が少ない

    場合があるのです。

    もし自閉症そのものがコミュニケーション能力の欠如なら、この現象は説明が難しくなります。

    研究者たちは、コミュニケーションの困難さは能力不足ではなく、異なるスタイル同士が出会ったときのズレと考えています。

    ② 誤解される経験が積み重なりやすい

    海外の研究では、自閉症の人は学校や社会の中で誤解される経験を繰り返しやすいことも指摘されています。

    例えば、

    ・ふざけていると思われる
    ・やる気がないと思われる
    ・反抗していると誤解される

    といった場面です。
    実際には、

    ・言葉の理解の仕方が違う
    ・感覚過敏がある
    ・処理速度に差がある

    などの理由で起きていることも少なくありません。

    しかし周囲が特性を知らない場合、本人の態度の問題と受け取られてしまうことがあります。

    3. 家庭でできる関わり方

    ① 「なぜできないの?」より「どう見えているの?」

    ダブル・エンパシー問題の視点では、

    「なぜやらないの?」
    ではなく、

    「この子にはどう見えているのだろう?」

    と考えることが大切になります。

    例えば宿題をしない場合も、

    ・内容が難しい
    ・何から始めればいいかわからない
    ・疲れて実行機能(計画を立てて実行する力)が働かない

    など、さまざまな理由が隠れていることがあります。

    ② 子どもの説明を信じてみる

    保護者はついそんなはずないと思ってしまうことがあります。
    これは私も覚えがあります。
    しかし、子どもが感じている世界は本当にそう見えている可能性があります。

    まずは否定せず、

    「そう感じたんだね」
    「そう見えたんだね」

    と受け止めることが安心感につながります。

    ③ 同じ特性を持つ仲間との出会いを大切にする

    海外では、自閉症コミュニティとのつながりが自己肯定感の向上につながることも報告されています。

    同じ特性を持つ友達や先輩に出会うことで、

    「自分だけじゃなかった」
    「こういう考え方もあるんだ」

    と感じられることがあります。
    それは子どもにとって大きな支えになるかもしれません。

    4. 専門家が伝えたいこと

    ダミアン・ミルトン博士は、自閉症支援において大切なのは「本人を変えること」ではなく、「お互いが理解し合うこと」だと提唱しています。

    また近年のニューロダイバーシティ(脳や神経の多様性を尊重する考え方)の広がりによって、自閉症は欠陥ではなく、人間の自然な多様性の一つとして捉えられるようになってきました。

    もちろん支援が不要という意味ではありません。

    必要なサポートを受けながら、その人らしく生きられる環境を整えることが重要なのです。

    まとめ:理解されない苦しさに目を向ける

    子どもが困っているとき、私たちはつい「どう教えれば理解できるだろう」と考えます。

    しかしダブル・エンパシー問題は、

    「大人側は本当に子どもを理解できているだろうか?」

    という問いも投げかけてくれます。

    自閉症の子どもたちは、私たちとは少し違う方法で世界を見ています。

    その違いは弱さではなく、多様性の一つです。

    お互いに歩み寄りながら理解を深めていくことが、子どもの安心感や自己肯定感につながっていくのではないでしょうか。

    最後まで読んでいただきありがとうございます。

    もしよければ、お子さんが「誤解されてしまった経験」や、「親として理解したいのに難しいと感じた場面」があれば、ぜひコメントで教えてください。

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