
「やりたいことをやればいいよ」と言われた日
正直に言うと、不安でした。
僕は株式会社ススムワークという小さな会社の代表をしています。創業してから23年、株式会社にしてから6年。中小企業がテクノロジーを使ってもっと便利に働けるように、いろんなお手伝いをしてきました。
先日、臨時の株主総会を開きました。半年間かけてつくった事業戦略を、株主に問いかけるために。
結論から言うと、承認されました。でも、この記事で書きたいのは「承認された」という結果じゃないんですよね。そこに至るまでの半年間のことと、総会で言われた一言のことを、書いておきたいと思います。
今期に入ってすぐ、事業戦略を根本からつくり直すことにしました。
きっかけは、「このままのやり方では、届けたい人に届かない」と感じたことでした。僕たちはこれまで、保育園の採用支援や園児募集のお手伝いを、1社ずつ個別に対応してきました。ありがたいことに、複数の園で実績を出すことができて、何年も継続してもらっています。
でも、個別対応だと、届けられる数に限界があるんですよね。もっと多くの中小企業に貢献したい。その想いは創業してからずっと変わっていないのに、やり方が追いついていなかった。
だから、この実績を教材にして、研修という形で広く届けることにしました。1社ずつではなく、グループ型の講座にすることで、参加する側もリーズナブルになるし、僕たちも続けていける。他にも新しい事業の柱を立てることにしました。まだ秘密のこともあるのですが、少しずつお伝えしていきます。
ここまで読んで「いいじゃん」と思ってもらえるかもしれないのですが、実際にはものすごく大変でした。
既存の仕事は別の担当者に任せました。そのぶん、収益は悪化しました。新しい事業にも先行投資しました。そのぶん、支出はどんどん増えていきました。正直に言うと・・・収益は過去最低かもしれないくらいまで落ちていました。
でも、いくつもの案を考えて、何度もつくり直して、最終的にはほとんどの仕事を止めてまで集中した結果、「これ以上は思いつかない」というところまで来たんです。この戦略がベストだと確信しました。
でも同時に、この戦略にはいくつかの大きなリスクがあることもわかっていました。選択と集中をするということは、何かを手放すということなんですよね。心配を片隅に置いたまま走りたくなかった。だから、臨時の株主総会を開いて、株主に問いかけることにしました。
僕の会社には、僕以外に3人の株主がいます。1人で全部決められる会社ではないんですよね。でも、率直な意見をもらえるこの体制が、ものすごく貴重だと思っています。
4月某日。ZOOMで臨時の株主総会を開きました。全員が参加してくれました。
実は、準備は予定より1週間早く完成していたんです。待ちきれなくて、日程を繰り上げてもらいました。でも、完成したのに手が止まらなかった。直前まで何度も見直して、微調整して。もっと社会に貢献できるポイントはないか、見落としている視点はないか。結局、ギリギリまでブラッシュアップを繰り返してしまいました。
株主総会が近づくほど、眠る時間が遅くなっていって、気づけば朝までやってしまっていることもありました。前日も、さすがに眠れなかった。できることはすべてやった。その確信はある。でも、3人がどんな反応をするかはわからない。
総会が始まりました。事業戦略を説明して、リスクも全部話して、これからのやり方について問いかけました。
承認されました。
・・・やった、と思いました。自分の感情がここまで揺れることって、あまりないんですよね。でも、この日ばかりは、うれしかった。反対の意見が出るかもしれないと思っていたのに、そういうこともなかった。
でも、一番うれしかったのは、承認されたことじゃなかったんです。
株主の1人が、こう言ってくれました。
「あなたがやりたいことを応援するメンバーなんだから、やりたいことを伝えて、それをやればいいよ」
僕は「承認してください」と問いかけに行ったつもりでした。でも、返ってきたのは「あなたを信じている」という言葉だった。
ずっとそう感じていたんです。わかっていたつもりだった。でも、あらためて言葉にして伝えてもらえると・・・背筋が伸びる想いでした。
みんなの意見は同じでした。
「早くやりましょう」「すぐやりましょう」
僕の中にも、ずっと同じ言葉がありました。Just Do It.
これから、どんどん発信していきます。経営のこと、新しい事業のこと、これまでの実績のこと。いろんな人たちの力を借りて、事業を進められる体制ができました。だから、僕は情報発信にも力を入れられるようになりました。
何かを変えたいと思っているけど、まだ動けていない人がいたら。「覚悟を決めて、信頼できる人に伝えてみる」というのは、一つのやり方かもしれません。僕の場合は、思っていたよりずっと味方がいました。
株式会社ススムワークについて → https://www.susumuwork.com/
