
ぼやけた月 初めてのnote
月を見る、暗い夜空に月がぼやけて見える。泣いているわけではない。
視力が落ちただけだ。
僕は学校で視力検査をすると両目ともAだった。
高校生の時からスマホを見過ぎでいたからだろうか気付かぬうちに視力は落ちていた。
リビングでSNSを見ていると親から「目が悪くなるから少し休みなさい」や「勉強は大丈夫なの」と心配されていた。
どちらも大丈夫だと僕は思っていた。
大学の講義もそうだった。バイト探しのためにスマホを触っているのがバレないよう後ろの席に座った。
ふと、顔を上げると黒板に白いチョークで書かれた数式が二重に見えた。その時は疲れ目ぐらいに感じていた。そう言い聞かせていた。
運転免許を取ろうと自動車教習所に行ったとき久しぶりに視力検査をした。右目では気球がカラフルな塊に見えた。
「次の来校までに眼鏡かコンタクトレンズをご用意ください」
僕の視力は運転に眼鏡が必要なほどにまで低下していた。
あの時、両親の言うことを聞いていれば、
勉強もせずSNSばかり見て過ごしていた日々のせいで僕は眼鏡という怠惰の代償を支払った。
眼鏡をかければ全て見えた。
黒板の小さな数式も道路の標識も眼鏡をかけた僕には鮮明に見えた。
大丈夫だ。
眼鏡を取る。
月を見る、暗い夜空に月がぼやけて見える。泣いているわけではない。
視力が落ちただけだ。