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女子大教授の独り言15〜女子大と怪談?

    今年は早くも真夏日を迎えるなど、酷暑の盛夏到来に戦々恐々とする今日この頃、そして、夏といえば怪談、さらに怪談といえば学校笑

    昔から学校といえば、「出た」「出ない」といった話には事欠かない。特にキャンパスが古くて、校舎が年代ものだったりすると、いかにも「出そう」な場所が多々ある。

    今の自分の本務校もそうだが、前任校にもそう指摘される場所があった。

    昔、ここに古い学寮が立っていて、そこで自殺した子の霊が…というのもあるし、この奥の教室には何か異様な気配を感じる、だとか。

    あと、よく聞くのは、螺旋型の建物や階段・スロープを持つ建物は、弱った人の心を奈落に引き落とすからダメ、というのもしばしば耳にした。実際、前任校ではそうした建物の上から学生が飛び降りたケースを幾度か聞いたし、今の学校でも何やら危ないといって、螺旋状の階段部分に高い柵が設けられた。

    自分も何だかこの建物、あるいはこの教室、なんか嫌だなという気配を感じることがあるし、学生に話すと意外と同意してくれる(いまどきの女子大生、この手の話は、やだああ、とか言いながら結構好きである)。その一方で、どんなに古くても全くそうした霊感(?)・悪寒を感じさせないケースもある。

    例えば自分が学生時代、住んでいた大学寮がある。今では壊されて、瀟洒な研究棟が建っているが、戦前は校舎だった建物が、戦後、学寮として利用されていたため、とにもかくにも古い! しかも住人に怪しげな輩が多く、昼でも薄暗い建物の廊下には、おどろおどろしく曼荼羅を唱える声や、お香の香りが立ち込めていたりなど、どう見ても怪しさマックス。壁やトイレの扉などにも、摩訶不思議な落書きが残されていたりした(実はのちに著名になった人物が入寮当時書いたとされるものもあり、きちんと保存しておいたら、貴重な歴史的遺物になったかも笑)。この建物が過ごした幾星霜、通り過ぎていった有象無象の多さを考えると、いくらでも霊だと怪異だとかいそうなものだが… 建物自体に古さゆえの歴史の威厳(というには汚かったが…)といったものを感じさえすれど、なんとも能天気な明るさしか感じることなく、全く怖さを感じなかった。

    実はこうした「古さ」はついつい、ある種の「怪談」や「奇譚」に結びつけられがちだが、そうではない奥深さを感じさせることもある。

    神田神保町は言わずと知れた書店街だが、建物も昭和から平成、令和に至る間に多くが建て替えられ、趣を変えていった。例えば三省堂。今では洒落たビルに建て替えられたが、はるか以前、一部二階建て部分がある平屋の建物だった時代がある。入り口からはいって書店奥、ギシギシなる古びた木造階段を上がると、狭い空間があり、書棚に岩波文庫を中心に文庫本がぎっしり並ぶスペースがあった。店員もいない、照明もろくに付いていない、薄暗い天井裏部屋みたいなスペースだったが、子供だった自分はこのスペースがなんとも秘密の小部屋風で魅力的だった。

    あれから長い年月が経ち、今では明るく整然と本が並ぶ今の三省堂に、そんな往時の面影はかけらもない。そういえば、当時あった、富山房や東京堂も古臭く、独特のカビた本の匂いのする、かなりレトロ感満載の建物だった気がする。

    あんなところだったら、お化けや霊が出て来ても、全く驚かないのだが(そして、実際、何かしらいたのかも知れないが笑)、若い(幼い?)自分は全くそんなものを感じなかった。

    それから長い年月を経て、今の大学校舎を歩くと、時々、ふっと変な存在を感じる場所に出会ったりする。それは実際にそうなのか、自分が少しずつ霊に近い年齢(?)に達しつつある証左なのか、その辺は定かではない。

    とはいえ、今年もここヤバイよ、と女子学生に注意したりする季節が来る笑

     
     
    都内の女子大に勤める大学教授。専門はメディア論。明るいけど、色々考えさせられる女子大生との日々をお伝えします。

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