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空き家は放置するとお金が減る──家族を守るための3つの対策【第12回】

    ~相続コンサルタントとして伝えたいこと~

    「実家は思い出があるから、しばらくそのままで……」
    そう考えて空き家を放置してしまうケースは少なくありません。

    けれど、誰も住んでいない家も“生きている”のです。
    時間が経つほど、税金・維持費・近隣トラブルが確実に積み重なり、
    結果的に家族の負担になります。

    今は「使わない=リスクを抱える」時代。
    空き家問題を“先送り”するほど、手続きも費用も重くのしかかってきます。

    今回は、相続後に空き家を放置することで起こる現実的なリスクと、
    今のうちにできる3つの対策をお伝えします。


    ① 固定資産税という“持っているだけでかかる税金”

    不動産を所有している限り、毎年必ずかかるのが固定資産税です。
    これは、その年の1月1日時点の所有者に対して課税される仕組みで、
    たとえ使っていなくても支払いは義務です。

    「誰も住んでいないから課税されない」と思われがちですが、
    空き家でも課税対象になります。

    さらに、老朽化などで放置状態になると、
    市町村から「管理不全空家」または「特定空家」に指定されることがあります。

    この指定を受けると、
    本来受けられる固定資産税の住宅用地特例(6分の1軽減)が外れ、
    翌年から最大6倍の税金
    が課されます。

    それだけではありません。
    放置が続くと、行政代執行により強制的に解体されるケースもあります。
    当然、その解体費は所有者負担です。

    つまり、空き家を放置すると、
    「税金が上がる+解体費を払う」という二重の負担を抱えることになります。


    ② 管理を怠ると“近隣トラブル”に発展

    空き家を長期間放置すると、
    建物の老朽化だけでなく、庭木や雑草の繁茂による越境トラブルも発生します。

    お隣の敷地に木の枝や草が伸びる、
    枯葉が大量に落ちる、
    害虫が発生して迷惑をかける──

    こうした苦情が寄せられると、
    除草・伐採・清掃の費用をすべて所有者が負担することになります。

    実際、空き家の年間管理コストは
    15〜30万円程度(税金・除草・修繕含む)。
    さらに老朽化が進むと、
    屋根や外壁の修繕に数十万円〜100万円単位の出費が必要です。

    「誰も住んでいないから安心」ではなく、
    誰も住んでいないからこそ管理が必要なのです。


    ③ 売却を先送りすると“価値”も“制度の恩恵”も失う

    「親の思い出があるから、すぐに売るのは気が引ける」
    そんな気持ちは当然です。

    しかし、不動産は放置すれば価値が下がる資産です。
    建物が古くなるほど見た目も印象も悪化し、
    買主が解体・整地の費用を見込んで値引きを要求します。

    一般的な木造住宅の解体費用は、
    100坪前後で200〜400万円前後(+整地費用)。
    これに残置物の処分費が加わると、さらに数十万円かかります。

    結果、売却価格から大幅に差し引かれることになります。

    また、相続後3年以内であれば、
    「被相続人居住用財産の譲渡特例(3,000万円控除)」を利用できる可能性があります。
    この制度を使えば、売却益が出ても最大3,000万円分が非課税
    になりますが、
    **適用には細かな条件(居住実績・期限・相続関係など)**があるため、
    事前に税理士など専門家への確認が必要です。

    または、親の名義のうちに売却しておくと、
    相続登記や遺産分割の手続きを簡略化できるという選択肢もあります。

    「売る=冷たい」ではなく、
    「家族を守るための現実的な選択」なのです。


    空き家を“資産”として残すために

    空き家を守る方法は、決して「売る」だけではありません。

    • 見守りサービスによる維持管理

    • 駐車場や倉庫としての暫定活用

    • 民泊・賃貸・地域再生プロジェクトへの転用

    など、不動産の新しい生かし方も増えています。
    大切なのは、放置せず「どう活かすか」を早めに決めることです。


    専門家と一緒に考えることでリスクを減らす

    登記・税金・管理・売却。
    相続不動産は分野が多岐にわたるため、
    司法書士・税理士・不動産会社が連携して対応するのが理想です。

    特に相続登記は2024年から義務化されており、
    3年以内の手続きが求められます。


    おすすめの1冊

    📖 『よくわかる相続&贈与 2024年版』(日経ムック)
    相続・贈与・登記・税金の最新制度を図解でやさしく解説。
    2024年の法改正にも対応しており、相続の全体像を短時間で理解できます。


    まとめ

    空き家は「使わなくても維持費がかかる資産」。

    • 固定資産税は放置で6倍に

    • 管理を怠ると近隣トラブルと修繕費

    • 売却を先送りすれば価値と控除を失う

    放置は最大のコストです。
    そして、早い判断こそが家族を守る行動です。

    「思い出を守る」のではなく、
    「家族の未来を守る」ために、
    今できる一歩を踏み出しましょう。


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