
対象者の「好きなこと」を一緒に守るために 理学療法士
今回は、5~6年前に担当したことのある対象者が別の疾患で来院され、その際に生活状況や身体状況を伺うことでいろんなことを考えさせられる機会になったので、まとめていきます。
その対象者は、5~6年前に肩腱板断裂の術後で担当しており、とにかく草取りが生きがいであるという方でした。
当時、腱板断裂術後のリスクとして再断裂があり、3~4週は肩外転装具を着用したり、3か月程度は過度なストレスをかけてはいけないというルールがあるものの、その方はいつも草取りをして通院されていました。
時には、強く再断裂のリスクの説明をして、その数か月だけでも除草剤を使うことはできないか伺ったこともありました。
結局、再断裂にもならずに無事卒業されました。
今回、久々にあったものの、名前や出身などをまだ覚えてくださり、以前治療していた側の肩を上げて「先生のおかげで、こんなに動きますよ」と教えてくださり、嬉しい気持ちになりました。
そして、現在は逆側の肩関節周囲炎になり、腕が挙がらないとのことでした。
今回も草取りをしてから、肩の動きが悪くなったとのお話で、「数年経ってもずっと草取りがお好きなんだな」と改めて思い、その方の「好きなこと」を再確認しました。
しかし、現在は視力が低下する病気を患い、草もねずみ色に見えてぼやけているから、手を地面に這わせて、草が当たった感触を頼りに草取りをしているということでした。
あのころの草取りが出来なくなっていることを知り、とても悲しく思うとともに、肩関節の動きが回復することでもう一度、草取りを思う存分できるよう支援したいと感じました。
対象者の「好きなこと」は必ずしも、当たり前に永続的にできるものではないと痛感すると同時に、それでも形を変えて継続してでもやる姿に、この「好きなこと」を支援できるリハビリテーションを提供しなければと改めて勉強させていただきました。
若かりし頃の私が、除草剤の提案してしまったことを恥ずかしく思い、謝罪したところ、笑い飛ばして「先生が一生懸命言ってくれて、嬉しかったわよ」と言ってくださり、救われました。
しっかりと対象者の「好きなこと」に向き合っていきたいと思います。
ご意見ありましたらコメントしていただければと思います。
※この内容は個人の解釈がありますので、参考程度にお願いします。