
故郷の川。次の世代へつなぐ命のリレー。
約四年。生まれた故郷を飛び出し、
多くの仲間と共に大海原に繰り出した。
小さな体も、立派になっていく。
でも、
故郷の川に戻れるのは…
ごくわずかだ。
小さいうちに食べられてしまうもの。
人間の餌に食いついてしまうもの。
海水温の変化についていけないもの。
色んな理由で、数が少なくなる。
それでも、生まれた川に戻ってきた。
ここからも気が抜けない。
安全な場所を求めて、上流を目指す。
誘惑もあれば、
厳しい自然界の掟もある。
分かってる。
それでも、上流を目指す。
その理由は、次の世代へ
命のリレーをすること。
分かってる。
自分の命と引き換えに、
次の世代へ
命をつなぐ。
力尽きた彼らは、
静かに流れに乗って
流れていく。
その体に、もみじの葉が優しく乗ってる。
帰ってくるのを楽しみにしていたのかもしれない。
きっと…
彼らに敬意を込めて乗せたのかもしれない。
ゆっくり話はできなかった。
次の世代へ、時代の申し子たちへ。
命をつないだ。
彼らは立派だった。
その最後を見せてくれて
「ありがとう。」
私は生まれる川のほとりにある
小さな「もみじの木」
次の世代への命のバトン。
しかと…見届けたなり。