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紫陽花の咲く誕生日月

    毎年やってくる私のお誕生日月は梅雨の季節。一般的には、梅雨といえば憂うつな雨が続き、夏を待ち望む空気感がある。

    けれども私にとって、紫陽花に象徴される梅雨は落ち着いて心穏やかに過ごせる季節である。様々な種類の紫陽花は梅雨空に包まれた庭を控えめに彩り、静かな気分で誕生日を迎える準備をさせてくれる。

    もう十数年前のことだ。散歩中に出会い、一目惚れして庭の奥に植えた八重咲き柏葉紫陽花が咲くのを毎年楽しみにしている。

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    八重咲きの柏葉紫陽花

    まず小さな小さな花芽を発見し、それから少し気を逸らしているうちに、あっという間に成長し、いつの間にかハッとするような品の良い白色に染まって長い間花の時期を楽しませてくれる。庭の緑のキャンバスはしばらく白い絵の具を大胆に散らしたように華やぐ。最盛期をすぎて青緑がかった白もまたいいのだ。

    存在を主張しすぎず、道沿いをシックに飾ってくれている額紫陽花も好き。あの幾何学的なデザインを見ると、心が小さく弾む。

    紫陽花の葉にゆっくりとした速度で当たる雨の音はピアニッシモ。葉の柔らかさに和らげられた優しい音。静かな気持ちで耳を傾けた時にだけ聞こえる静寂の音楽を味わいたい。


     
     
    ドイツ語・英語・日本語のあいだを行き来する翻訳者です。 旅・巡礼・風景の記憶をテーマに、静かな文章を書いています。 日々の中でふと立ち止まった瞬間の気づきも書いていきます。

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