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50万円より欲しかった言葉

    別居してから実家に身を寄せて数ヶ月経った頃、

    「ガサガサ!ゴトっ!」

    上から物音がする…。
    恐怖に怯えつつ眠った。

    そんな日からまた数ヶ月経った夕ご飯の時間。

    子どもはテレビを間近で見てた。
    だから最初はそれで物音がしてるんだと思ってた。
    その物音はテレビとは対角線側のエアコン横の換気扇に場所が移る。

    嫌な予感しかしない。
    何ものかのふさふさしてるであろう体が壁に擦れている。
    今まで聞いたことのない音。


    ハハ、恐怖で思考停止、動きも止まる。
    子、異様な空気を察知してハハの手を握って音のしてる方を見て固まる。

    2人で音がするたびにビクッとなっては、動きが止まる。
    耐えられなくなった子が泣き始める。


    やっぱりただ事ではない!
    頼りないけどとりあえず後期高齢者のばあちゃんへ。

    やはり頼りない。
    「耳が遠いから聞こえねえ。」で終わった。

    こちらも頼りないけど毒母に電話してみる。
    焦っていたから旧番号ではなく新しい電話番号で3回もかけてた。
    失態…。

    「いつも頼んでる大工に電話してみて。」

    出ました。丸投げ。しかも大工w

    大工に電話する。
    「ハクビシンじゃない?今すぐは行けない。明日も行けない。他のそういう業者は知らない。」

    言わずもがなわたくしめが半ギレ対応したのは容易に想像がつくでしょう。

    そこから自分で駆除業者を探して電話した。
    その日の20〜21時にはきてくれることになった。
    なぜか毒母は帰ってきた。


    とにかく私は恐怖を伝えた。
    ほんとに異様な音したんだよ!
    ずっとなんかいるって言ってたじゃん!
    ほんと怖かったんだから!腰が抜けるってこういうことね。

    毒母、スルー。

    子は1人で部屋にいるのが怖いのかハハの近くを離れない。

    業者がきた。
    結果

    アライグマがいた。


    聞けば、人も襲われるらしい。
    出てくる前でよかったと言われる。

    そこからはとんとん拍子。
    駆除作業に入る。
    見積もりを出すのに家の広さを聞かれて、答えられない毒母。


    お見積もり50万。

    お金だけみたら詐欺かと思ったw

    毒母の本性が現れる。
    「こんなするの?」
    「こんなにお金ないよ。」
    「大工に頼みたかった。けど、きてみたら話が進んでるんだもん。」


    「アライグマに2階の断熱材までやられてたよね?水道管も噛まれてた。そこから水漏れして床取り替えるよりいいんじゃない?」
    「下手したら火事にもなってたかもしれないって。それに比べたら安い…とは言えないけど、未然に防いだってことじゃない?」
    「出世払いでよければ払うよ。こっちが選んだ業者だしね。」


    違うよ、そうじゃない。
    うちが欲しかった言葉は
    「原因わかってよかった。」
    「怖かったよね、対応してくれてありがとう。」

    ま、言えないですよ。言えないの知ってます。

    だって薬剤撒いてから、毒母は居候先の父親の元へ帰って行ったんですから。

    次の日、後期高齢者のばあちゃんの総攻撃もうちに向く。

    「へえ!アライグマいたんかい!こんなでっかいの?」
    「いくらするん?うんとするんか?その業者が言ったんか?」

    もう限界だった。
    「あのさ、文句あるなら自分でやんなよ。大工がよければ今から電話すれば?好きにしなよ。」
    「あと、うちはこの家のことは判断できないよ。毒母と相談しなよ。」

    後期高齢者のばあちゃんの言い分は
    「家に常にいるのはゆりーずだから、で聞いた。それで終わり。」

    毒母の言い分は
    「ばあちゃんは状況を娘である私に聞くべきでは?」

    お分かりですか?

    誰もアライグマの話をしてないんです。

    誰がお金を出すのか。
    誰が悪いのか。
    誰に聞くべきなのか。

    そんな話ばかり。

    この家をこれからどうするのか。
    それを考えてる人はいなかった。


    結果としてアライグマは駆除できた。

    でも、人間の問題はまだまだ根深いらしい。

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