
服の未来を、街を歩きながら考えた。
久しぶりに東京へ行った時の話。
福島に移住して、あっという間に3年が経った。
アパレルの現場から離れて久しいが、今回、娘たちと初めて渋谷や原宿の街を散策した。
観光も兼ねて、いろいろな店舗を覗いてみる。
今流行しているぬいぐるみやキャラクターグッズには、長い行列ができていた。
以前、自分が巡っていたショップのルートとはまったく違う。
それでも、自分が知らないものに触れるのは面白かった。
数年前に現場にいた頃と比べると、街を歩く外国人観光客の多さにも変化を感じた。
そして、もうひとつ気になったことがある。
街を歩く人たちの服装だ。
10月初旬ということもあり、日中はまだ気温が高かった。
軽装で歩いている人が多く、半袖姿も目立つ。
一方、福島では朝晩になると、長袖でなければ肌寒く感じる季節になっていた。
同じ日本の、同じ季節。
それなのに、暮らす場所が変わるだけで、気温の感じ方も、必要とする服も変わってくる。
福島に移住してから、そんな当たり前のことを、以前よりも強く意識するようになった。
東京に住んでいた頃は、そこにある気温も、季節ごとの服装も、自分にとって当たり前の風景だった。
でも、離れて暮らしてみると、その当たり前が少し違って見える。
そんなことを考えているうちに、ふと、これからの服のあり方についても思いを巡らせていた。
例えば、ダウンジャケット。
東北や北海道では、冬を過ごすうえで欠かせないアイテムのひとつだ。
防寒着としての役割はもちろん、ファッションとしても、これから先なくなることはないと思っている。
ただ、温暖化や気候の変化によって、昔は当たり前だった季節の感覚が変わり始めている。
だとしたら、ダウンジャケットが必要とされる時期や、その役割も少しずつ変わっていくのだろうか。
いつか、関東圏ではダウンジャケットを着る機会がほとんどなくなるような未来が訪れるのだろうか。
もちろん、今すぐそんなことになるとは思っていない。
それでも、以前とは違う場所で暮らし、久しぶりに東京の街を歩いたからこそ、そんな想像が浮かんできた。
毎日変化している東京。
その変化は、文化や流行だけではない。
人々が過ごす環境や気温といった、もっと身近なところにも変化が起きているのかもしれない。
暮らす場所が変わると、今まで当たり前だと思っていたことが、違って見える。
久しぶりの東京で、そんなことを感じた一日だった。