
想定外
「バリアフリー」
「導線」
「目線の高さに合わせた陳列」
新しい店舗をつくる時には、来店されるお客様を何度も想像する。
どこを歩くだろう。
何を手に取るだろう。
どこで立ち止まるだろう。
そんなことを考えながら、空間を組み立てていく。
もちろん、マーケットリサーチもする。
客層も想定する。
できる限り準備を重ねる。
でも、本当の答えはオープンしてからしか分からなかった。
想像していなかった客層。
予想を超えるニーズ。
自分たちが気付かなかった商品の魅力。
現場では、何度も戸惑った。
「どう対応したらいいんだろう。」
「少々お待ちください。」
そんな言葉しか出てこない場面も少なくなかった。
でも今思えば、その”想定外”こそが、お店を成長させてくれる材料だった。
舞台をつくるのは私たち。
でも、その舞台を完成させてくれるのは、お客様だった。
どれだけ経験を積んでも、つくる側だけでは気付けないことがある。
実際にその空間を歩き、商品を手に取り、時間を過ごした人だけが見える景色がある。
だから私は、お客様の何気ない一言を大切にしている。
それはクレームではなく、改善点でもない。
自分では想像しきれなかった未来を教えてくれる、一番正直な答えだからだ。
つくる側の視点だけでは、お店は完成しない。
完成させてくれるのは、いつも”お客様目線”だった。