メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo bydenkenanima

15兆円介入のドル円が、また160円に戻ってきた理由

    過去最大、15兆3993億円。財務省が7月から8月にかけて投じた円買い介入の総額だ。

    歴史的な数字のはずなのに、土曜の未明にニュースを見ても、俺はそんなに驚かなかった。ドル円はまた160円に戻ってきていた。1か月前なら騒然としていたはずの数字に、なぜ今は驚けなくなったのか。今日はその話をする。

    まず、確定してる事実だけ並べておく。

    財務省は7月から8月にかけて、総額15兆3993億円の円買い・ドル売り介入を実施した。4〜5月の11兆7000億円を上回り、過去最大の規模になる。

    それでもドル円は8月28日のニューヨーク市場で160円09銭まで上昇し、5営業日続伸で取引を終えた。29日早朝の取引でも一時160円10銭前後まで買われている。30日のニューヨーク市場では159円41銭まで弱含む場面があったものの、結局160円20銭まで戻して引けた。

    この動きを受けて、ベッセント米財務長官は「円相場が無秩序な動きとなれば、世界の市場を不安定化させる」とあらためて警告した。

    日経平均は28日の終値が66,405円56銭(+273円58銭)で4日続伸。高値66,842円82銭、安値66,012円20銭のレンジだった。同じ日のニューヨーク市場では、S&P500が7,711.76(-0.25%)、NYダウが53,559.99(-0.02%)とやや軟調に終わっている。

    過去最大の介入と聞けば、本来は誰もが身構えるはずのニュースだ。でも実際に自分の反応を振り返ると、7月末に初めて160円をつけた時ほどの緊張感がない。「またか」で流してしまいそうになる自分がいた。今日はこの"慣れ"の話をする。

    今週は指標ラッシュの週でもある。9月1日にISM製造業景況指数、2日にADP雇用統計、3日にISM非製造業景況指数、そして4日に8月の雇用統計が控えている。米国の消費者信頼感指数は市場予想を下回った一方、7月のPCEデフレーターは予想を上回った。景気減速の兆しとインフレ圧力が同時に出ている、綱引き状態の答えが今週の指標で出ることになる。

    くわえて、国際会議の場で円安をけん制する発言が出れば、それだけで円買いが先行しやすいとも言われている。介入・指標・要人発言、材料は先週より増えているのに、体感の警戒レベルはむしろ下がっている。俺が今見ているのはそこだ。

    俺が意識してるのは「同じ160円という数字が、2回目に出た時にどれだけ警戒の温度が下がっているか」だ。1回目の介入直後は、誰もが160円を意識してポジションを整理したはずだ。でも2回目は、同じ水準でも反応がずっと鈍い。この温度差を無視して"また同じだろう"で構えると、指標一発で足をすくわれる週になり得ると思ってる。

    初心者がよくやる失敗の一つに、この"慣れ"がある。

    最初の大きな損切りは強烈に記憶に残る。-50pipsで震えて、二度とやらないと心に誓う。でも似たような場面が3回目、4回目と来るうちに、最初のショックはどんどん薄れていく。「またこのパターンか」で、警戒レベルだけが静かに下がっていく。

    昔の俺もそうだった。最初の大負けの夜は眠れなかったのに、似た負け方を重ねるうちに、いつの間にか"慣れた負け方"になっていた。慣れてしまうと一番怖いのは、損失そのものより、損失に対する自分の感度がじわじわ鈍っていくことだと、今は思う。

    だから俺は、損切りのラインを"その日の感覚"で決めない。入る前に決めた数字をそのまま使う。感覚は慣れで劣化するけど、あらかじめ決めた数字は劣化しない。1回目でも10回目でも同じ基準で切れるようにしておくのが、"慣れ"に足をすくわれないための、今の俺のやり方だ。

    このあたりの、入る前に何を決めておくかという具体的な基準は、手法noteの方にまとめてる。

    驚かなくなった数字ほど、静かに牙を持ってる。

    この話が刺さったなら、これも。 金曜の終値だけで、月曜の相場を決め打ちしていないか


    手法の全部はこっち。

    この記事はnoteマネーにピックアップされました

    noteマネーのバナー
     
     
    トレードコンテスト上位2回(3,727人中23位/暗号資産 3,386人中4位)。 姪に「私にもわかるように書いてよ」と言われてから、誰でもわかる言葉で書いています。 誰がやっても同じ判断になる"手順"だけを発信中。

    あなたへのおすすめ