
【騎乗相関図】騎手・調教師・馬主のつながりを一枚の図に
騎手から見た「騎乗相関図」を作って、そのあと調教師から見た相関図も作りました。せっかくなので、2つをまとめて6分ほどの動画にしています。
この記事では、その2つの相関図で何が見えるのかを、作った順番に書いてみます。
きっかけは横山典弘騎手
競馬を見ていると、「この騎手、またこの厩舎の馬に乗ってるな」と思うことがありますよね。
僕の場合、それが一番はっきりしていたのが横山典弘騎手でした。過去3年を見ると、昆貢厩舎、松永幹夫厩舎、村田一誠厩舎の馬によく乗っている。馬主で見ると、寺田千代乃さんの馬は昆厩舎と松永厩舎、浅田次郎さんの馬は村田厩舎。騎手と厩舎と馬主が、三角形でつながっているんです。
じゃあ、ほかの騎手にもこういう関係はあるんだろうか。
TARGETを使えば集計自体はできます。ただ、それは騎手⇔調教師、騎手⇔馬主、調教師⇔馬主のような1対1の集計なんですよね。深掘りはできるけど、毎回検索し直す必要がある。3つを一枚の図で見られたら便利だろうと思って、Claude Codeに作ってもらいました。
数えるのは騎乗数だけ
最初に出てきた表には、騎乗数と一緒に勝率が並んでいました。
でも僕が見たかったのは成績ではないんです。関係の強さは「何回乗せてもらっているか」に出る。勝ち負けは馬の力にも左右されるけど、誰を乗せるかは厩舎と馬主が決めることなので。それで「単勝ではなく、シェアです。騎乗数を見てください」とお願いしました。
もうひとつ伝えたのが、シェアには向きがあるということです。
川田将雅騎手と福永祐一厩舎で見ると、
川田騎手の全騎乗のうち、福永厩舎の馬は4.9%で4位
福永厩舎の全出走のうち、川田騎手が乗ったのは12.4%で1位
川田騎手から見れば4番目の厩舎。でも福永厩舎から見ると、いちばん多く乗ってもらっている騎手なんですよね。片方からだけ見ていると、こういう関係は見落とします。
相関図では、この「相手から見て1位」のところに金の輪を付けています。
騎手から見た相関図
騎手版は、真ん中に騎手、内側の輪に調教師、外側の輪に馬主を並べた図です。線が太いほど騎乗数が多い。名前をクリックすると、そのつながりだけが浮き上がります。
横山典弘騎手の図を開くと、外側の馬主に金の輪がいくつも付いていました。寺田千代乃さんの馬は116回のうち30.8%が横山典弘騎手で、馬主から見て1位。浅田次郎さんの馬は22回のうち71.0%で、その22回はすべて村田一誠厩舎の馬でした。
武豊騎手は形が違います。いちばん多い松永幹夫厩舎でも、武豊騎手の騎乗の7.5%しかない。ところが馬主の側から見ると、インゼルレーシングの馬の22.4%、キーファーズの馬の27.5%が武豊騎手で、どちらも1位なんです。厩舎より、馬主とのつながりのほうが濃く出ていました。
厩舎とのつながりが太い騎手、馬主とのつながりが太い騎手、広く浅い騎手。図の形を見るだけで、その騎手の立ち位置がなんとなく分かるのが面白いところです。
TARGETの右クリックから開けるようにした
図ができると、今度はTARGETから直接開きたくなりました。TARGETから直接開くにはwebにアップするのが一番なので、それならば公開してしまえということで。
TARGETには「インターネットリンク」の「名称用」という機能があって、マウスカーソルの下にある名前をURLに入れて開けます。試しに川田将雅.html というファイルを置いて登録してみたら、ちゃんと開いたんです。漢字はTARGETが自動で変換してくれていました。
それで現役騎手153人分を作って、出馬表の騎手名から右クリックで開けるようにしました。実際に設定してみると、これが便利すぎるんですよね(^^ゞ
厩舎の側からも見たくなった
騎乗依頼の流れは、だいたい次のどちらかです。
調教師 → 騎手
馬主 → 調教師 → 騎手
ほとんどは1のパターンだと思っています。ただ、たまに2のパターンもある。この辺りは内情が分かっていないと、はっきりしたことは言えません。でも揉めごとがあったときなどに表に出てくることがあって、そんなときに相関図があると「なるほど」と思ってしまうんです。
それなら厩舎の側からも見てみようと、調教師版を作りました。騎手版をちょうど裏返した形で、真ん中が厩舎、内側の輪が騎手です。
同じ厩舎でも、馬主で騎手が分かれる
昆貢厩舎を開いてみました。
出走569回のうち、横山典弘騎手が186回で32.7%。横山典弘騎手から見ても騎乗の20.5%が昆厩舎で、両方向とも1位です。ここまでは騎手版でも分かっていたことです。
目を引いたのは、馬主との線でした。
寺田千代乃さんの馬(113回)は、横山典弘騎手62回、太宰啓介騎手24回
安原浩司さんの馬(82回)は、横山典弘騎手48回、横山和生騎手17回
ヒルノの馬(59回)は、古川吉洋騎手27回、太宰啓介騎手14回
同じ厩舎の馬でも、馬主によって乗る騎手が分かれているんです。これが2のパターンなのかどうかは、外からは分かりません。でも、厩舎と騎手だけの集計では見えなかった違いです。
中内田充正厩舎も同じでした。厩舎の出走の30.7%が川田将雅騎手で、社台レースホース、ダノックス、藤田晋さんの馬は川田騎手が最多。一方で、ロードホースクラブの馬は西村淳也騎手が15回で、川田騎手の10回より多い。
大橋勇樹厩舎は、所属の田口貫太騎手が出走の49.8%に乗っています。ほぼ半分です。ところが山下繁美さんの馬だけは、泉谷楓真騎手が23回で田口騎手の21回を上回っていました。
騎手と厩舎を行き来できる
騎手版と調教師版は、行き来できるようにしてあります。横山典弘騎手の図で昆貢厩舎をクリックすると、「昆貢の相関図を開く」が出て、そこから厩舎のページに移れる。逆も同じです。
TARGETのインターネットリンクも、騎手用と調教師用の2本を登録しておけば、騎手名からも調教師名からも開けます。
騎乗相関図:https://racing-book.net/app/kankei/%DT.html
調教師相関図:https://racing-book.net/app/kankei/t/%DT.html
(「環境設定」→「インターネットリンク」→「名称用」で新規追加)
作ってみて思ったこと
騎手から見た調教師→馬主、調教師から見た騎手→馬主。TARGETでは集計結果だけど、この騎乗相関図ならイメージがつきやすい。しかも、騎乗数で線の太さを変えているで視覚的にいい。騎乗依頼が急に変わることはめったにないことだと思っているのでデータは半年ごと(1月と7月)に、過去3年分を取り直して更新する予定です。何か情報が入った場合だけ更新するかもしれません。
騎乗相関図(騎手153人・調教師184人の一覧)
※集計期間は2023年10月19日〜2026年10月18日のJRA全レース。データ:JRA-VAN