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芽生えの準備が始まる合図だから、そこで待ってて。 【#9月1日がこわいあなたへ2025】

    明日なんて、来なければいいのに。


    公園のベンチに座り、空を見上げた。

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    夕暮れが黒い空に包まれそうになる瞬間が、嫌いだ。

    朝が来たと知ったわたしの心の中に、小さな絶望感が見え隠れしていることを知っているから。


    都合よく熱が出たりして、行かないという選択をすることもあったけれど、基本的に行く場所だという価値観だったわたしは、逃げることが出来なかった。


    「しんどいものは、しんどいんだ!」と、声をあげて叫びたい気分だったけれど、いつだって、わたしの声は出ない。


    *--*--*--*--*--*--*--*--*


    環境変化が苦手だった。学生時代のクラス替えも、その環境変化に値する。

    新学期が始まると、新しいクラスで、自分がどのようにいればよいか悩み、クラス内を見回していた。いずれにしても、自分を出すということはできなかったから、様子を見ているだけで、神経を張り巡らせて、疲れ果てるのが日常だ。



    クラス内の人間関係で、小さな嫌なことは、数えきれないほどあった。

    それでも、学校に行かないという選択をしなかったのは、自分の中の「学校には行かなければいけない」という思考パターンと、その時に集中してできることがあったから。


    中学生の頃は、部活動が自分の脳内の殆どを占めた。

    クラスで嫌なことがあっても、練習が大して実を結ばなくても、(部員と言うだけで忙しく見えてくれる)吹奏楽部にいることは、思春期で多感なわたしにとっては、大いに意味があることで、自分のいられる場所だった。

    春が来たら、夏のコンクール曲を決めて、練習が始まる。コンクールが終われば、体育祭、文化祭の演奏。冬には、アンサンブルコンテストがあったから、それに向けて、朝と夕方に、部室に通い続ける日々。

    そこに行けば、担当する楽器があり、渡された楽譜には、自分の演奏するパートがあり、いつもの席があった。

    後輩の方が上手で、わたしが光を浴びることはなかったけれど、優しい部員と慕ってくれる後輩たちに恵まれた。引退するまで、教室よりも心地よい場所だった。

    *--*--*--*--*--*--*--*--*


    仕事で、人の話をたくさん聴くようになって、ふとした瞬間に、ひとつの問いが投げかけられた。

    ………

    いることだけはできると思える場所にさえ、行けなくなるような出来事があったとしたら、
    わたしは、どうしたのだろうか?

    ………

    わたしは、学生時代に、自分の見たくない現実は、見て見ぬふりをして、忙しいフリをしてきた。

    これは、多少なりとも、気力と体力が残されていたから使えた方法だった。

    当時は、それでもよかったのだけれど、大人になってから、いろんな場面でとっても苦労した。



    でも、そのおかげで、自分が暮らしていく上で大切な、ひとつのことを知った。


    それは、「行きたくない」「今日は休んでしまいたい」と思ったあの時に、本当に必要だったのは、あたたかい場所で一度立ち止まってみよう、ということ。


    はっきりとした理由は分からなかったとしても、「なんか嫌だと感じるな~」ということは、

    そこに行ったら、自分が傷ついてしまうかもしれない。と、不安に思えるからでしょう?


    これって、自分を守るためには必要なことで、あなたが、あなたとして暮らしていく中で、とってもとっても大切なことだと思う。


    現実を直面するのは、こわい。傷つくかもって思えるようなことなら、そのこわさは大きくなっていく。

    そこから本当の自分に出会おうとする時は、時間だって必要だし、少し痛みが伴うかもしれない。


    だけど、あなたが見たくないと思っている現実があるのだとしたら、その現実のあたりを、優しく見つめてみてほしい。

    きっとその奥底には、柔らかいものに包まれて、大切に守られた状態で、眠っているものがあるんじゃないかな。

    今あなたに守られているそれは、いわば夢や希望の種で、本来のあなたが持ち続けてきたもの。

    あなたが、あなたという、花を咲かせるために必要なもの。

    あなたの心の中で、人目に触れることなく守られているこの種は、あなたの手によって蒔かれる日を、今か今かと待ってくれている。

    種は、蒔かれないことには、いつまでも芽が出ないから、ちょっと勇気を出して、あなただけの種を探してほしいんだ。



    こわいな…と感じたら、安心できるあたたかい場所で、一度立ち止まってみてほしい。

    その感情が、芽生えの準備が始まる合図だから。

    あなたの種からの芽生えを応援しようと、差し伸べる手がきっとあるから、好きなことをしながら、そこで待っててね。



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    #9月1日がこわいあなたへ2025


    ミトシさんの、こちらの企画に参加させていただきます。


    正直、この企画に参加してよいものか…と、たくさん悩みました。

    わたしの言葉で、傷つく方はいないだろうかと思い、手が何度も止まりました。

    でも。

    誰かにとって、そっと背中を押すことのできるエールになれるとしたら、そんな光栄なことはありません。


    ミトシさん

    ステキな企画、ありがとうございます。

    締め切り最終日に、駆け込みの投稿で申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

     
     

    RaM

     
     
    今日も、おかえりなさい。頑張る毎日に、小さな余白を届けます。|なんてことない日常の中に、和みと安らぎを見つけながら、ひと息つく時間を、あなたと共に。|エッセイ💐・ときどき創作🌿|帰ってこられる場所☕ ⇒ メンバーシップ RaM's Fan Club *メロウな隠れ家*

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