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「早くして」を言わないために変えたこと

    中学2年生の娘は、朝、自分で準備して出かけていく。

    小学3年生の息子も、ほとんどの日は自分で準備できる。

    今では当たり前になった、わが家の朝。

    でも、上の子が小さかった頃は違った。

    「早くして!」

    毎朝、何度もそう言っていた。

    早く起きて。
    早く着替えて。
    早くごはんを食べて。

    仕事に間に合わなきゃいけない。

    時計を見るたびに焦って、何度言っても動かないと、だんだん声が大きくなる。

    朝から怒りたいわけじゃない。

    でも、早く準備してもらわないと困る。

    そんな毎日だった。

    今思えば、私の予定に子どもを合わせようとしていたんだよね。

    もちろん、仕事がある以上、時間は守らなきゃいけない。

    でも、子どもには子どものペースがある。

    急かせば急かすほど、うまくいかなくなることもあった。

    そんな経験があったから、下の子のときは、同じことを繰り返したくなかった。

    なるべく「早くして」と言わずに済むようにしたい。

    でも、気持ちだけでは難しかった。

    仕事の時間が迫ってくると、どうしても余裕がなくなる。

    余裕がなくなると、子どもに強く言ってしまう。

    そんな自分も嫌だった。

    だから、私はパートの開始時間を1時間遅らせた。

    朝、少しゆっくりできるようにした。

    そのぶん、働く時間は短くなった。

    収入は減ったけれど、朝はラクになった。

    子どもを急かさずに済む。
    自分も、少し落ち着いて朝を過ごせる。

    それがうれしかった。

    減った収入を補うために、子どもが寝たあと、ライターの仕事をするようになった。

    夜に仕事をするのは、正直大変だった。

    疲れているし、眠い。
    できれば何もせずに、のんびりしたい。

    それでも、朝、子どもがぐずらずに起きてくれるほうが、私の心にはよかった。

    そんな頃、保育士をしているママ友と話す機会があった。

    子どもは3人。
    フルタイムで仕事をしながら、習い事の送迎もしている。

    毎日忙しそうだった。

    「自分の時間、全然なくない?」

    そう聞くと、彼女は言った。

    「まぁね〜。でも子育ての時間なんてあっという間だから、今は頑張るよ」

    その言葉が、じわーっと胸にきた。

    子育ての時間なんて、あっという間。

    そう言われても、毎日が大変なときは、そんなふうに思う余裕もなかった。

    朝の支度が思うように進まないだけで、気持ちがいっぱいいっぱいになる。

    明日もまた、同じ朝が来る。

    そんなふうに感じていた。

    そして今。

    娘は自分で準備して出かけていく。
    息子も、ほとんどの日は自分で準備できる。

    あんなに「早くして」と繰り返していた朝が、少しずつ変わっていた。

    あのときのママ友の言葉が、今になって少しわかる気がする。

    あんなに大変だった朝も、ずっと同じではなかった。

    あの頃の私は、朝を少しでもラクにするために、働き方を変えた。

    夜に仕事をするのは大変だったけれど、あの選択をしてよかったと思う。

    今、朝の支度に追われている人もいるかもしれない。

    私も、そうだった。

    あんなに「早くして」と言っていた朝。

    今では、子どもたちが自分で準備して出かけていく。

    あの日々は、ちゃんと過去になった。

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    子どもたちとの日々を振り返りながら、あの頃は気づかなかったことを書いています。 習い事のこと、子どもの成長、親としての迷い。 うまくいかなかったことも、今だから笑えることも。 何気ない毎日の中にある、小さな気づきを綴るエッセイです。

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