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払いたくない税金、なぜ必要?『税 起源・歴史・現在』で知る負担と信頼の話

    できれば税金って払いたくないですよね。

    日本みたいにこれだけ税負担が大きくなってしまうと、生活に困窮する人も出てくるはず。

    払っても払わなくても自由になったら、払う人、ゼロになるんじゃないでしょうか。

    でも、社会を成り立たせるために、税金は絶対に欠かせない。

    道路の整備、警察や消防、教育、そして困っている人を助ける福祉など、あらゆる公共サービスは私たちが払う税金でまかなわれています。

    この複雑な税の世界を、歴史や経済の視点からとても分かりやすく解き明かしてくれているのが、スティーヴン・スミス著の『税 起源・歴史・現在:なぜ払うのか? 誰の負担が重いのか?』という本。

    今日は、この本を紹介します。

    なぜ国は税金を集めるのか?

    そもそも、なぜ税金が必要なのか。

    この本では、大きく2つの理由が挙げられています。

    • みんなが必要なもの(公共財)を作るため

    道路や防衛、基礎的な科学研究などは、みんなが使うけれど、自分だけはお金を払いたくない(ただ乗りしたい)と思いがち。

    なので民間のビジネスとしては成り立ちません。

    だからこそ、国が強制的に税金を集めて提供する必要がある。

    • 貧富の差を縮めるため(所得の再分配)

    純粋な資本主義のままでは、どうしてもお金持ちと貧しい人の差が開いてしまいます。

    豊かな人から税金を多く集め、困っている人に分けることは、社会の分断を防ぎ、平和を保つための大切な仕組みです。

    権力者と市民の知恵比べ

    税金には5000年以上の歴史があります。

    古代エジプトではナイル川の洪水後の土地を測量して穀物を集め、ローマ帝国では税金を集める業者が民衆から嫌われていました。

    税金の歴史は、なんとかして税金を取りたい権力者と、なんとかして逃れたい市民の知恵比べの歴史でもあります。

    あとこんな税金あったんや〜っていう税金もあって面白い。

    • 窓税(17世紀イギリス)

    家の「窓の数」に応じて税金をかけたため、人々は税金を逃れるために窓をレンガで塞いでしまいました。

    税金が人々の行動を変えてしまった有名な例です。

    • 所得税

    実は、ナポレオンとの戦争の費用を集めるために、イギリスで一時的に始まったのがきっかけです。

    • 消費税(付加価値税)

    1950年代にフランスで考え出された、比較的新しい仕組み。

    本当に税金を負担しているのは誰か?

    本書のサブタイトルにもある「誰の負担が重いのか」は、めっちゃ難しい話ですよね。

    法律上税金を納める人と、実際に身銭を切っている人は、必ずしも同じではありません。

    消費税は全員が同じ税率で払うため一見平等に見えます。

    しかし、生活費のギリギリまでお金を使わなければならない低所得者ほど、収入に対する税金の割合が高くなってしまう逆進性という不公平な性質を持っています。

    • 法人税のカラクリ

    「大企業からもっと税金を取るべきだ」という意見は人気がありますが、企業という組織が税金を負担するわけではありません。

    法人税が上がると、結果的に「働く人の給料が上がらなくなる」「商品の値段が上がる」といった形で、最終的には私たち個人の負担に回ってくることが多いと著者は指摘しています。

    食料品の非課税は本当に正しい?

    税金の世界には、公平にしようとすると無駄が増え、無駄をなくそうとすると不公平になるという永遠のジレンマがあります。

    例えば、生活を助けるために、食料品の消費税をゼロ(または低く)にするというアイディアがあります。

    一見、貧しい人に優しいように思えますが、著者はこれを一番やっちゃいけないことだと書いています。

    なぜなら、お金持ちの方が高級な食材を大量に買うため、結果的にお金持ちの方が税金を払わずに済んで得をする金額が大きくなってしまうから。

    経済学的には、消費税は全員から同じように集め、その分のお金を直接貧困層に配る方が、ずっと効率的で公平だとされています。

    この最悪のアイディア、どこかのお馬鹿な国が今からやろうとしているらしいのですが、専門家の本とか読んでないのかな…

    なぜ私たちは税金を払っているのか?

    人間は、手元にあるお金を取られることに強い痛みを感じます。

    そこで考え出されたのが、給料から自動的に天引きする源泉徴収です。

    最初から引かれているため、税金を払っているという意識をあまり持ちません。

    この見えない税金の仕組みが、現代の巨大な税収を支えています。

    また、真面目に税金を払うためには「他の人もズルせずに払っている」「集めた税金が正しく自分たちのために使われている」という社会への信頼が不可欠です。

    この信頼が崩れると、税金の仕組みはあっという間に成り立たなくなってしまいます。

    これからの税金と私たちにできること

    国境を越えて稼ぐ巨大IT企業(GAFAなど)への課税や、地球温暖化を防ぐための環境税(炭素税など)といった新しい税金を作ろう!なんて話もありますよね。

    税の仕組みも、時代に合わせてアップデートしていく必要があります。

    完璧な税金は存在しません。どの税金にも良い点と悪い点があります。

    スティーヴン・スミスは「今の自分の国の税金の仕組みが、唯一の正解ではない。もっと別の方法がないか広く考えるべきだ」と書いてる。

    ぜひ、読んでみてほしい。

     
     
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