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    「ヤバ」

    そう言ってシュウは慌ててバッグからスマホを取り出してスケジュールを確認した。

    確か今日は一番の太客であるアオとの同伴出勤の約束していたはず。そう言えば手にしているバッグもアオからプレゼントされたものだ。

    待ち合わせの時間まであと1時間。
    早く行かないと。
    自称「東大」のアオはマメなオトコだから時間前には待ち合わせ場所に来てシュウのことを待っているに違いない。
    アイツはそう言うオトコだ。

    でも「東大」って言うのも本当のことかどうかシュウは疑問に思っている。

    だって東大阪大学だって東大だし、「東」が最初に付いていれば何だって東大になっちゃうんじゃないの?

    そんな「どうでもいいか」と思えることを真剣に考えている自分に呆れながらメイクを済ませて急いで玄関のドアを開けた。


    待ち合わせ場所にシュウが行くとアオは既に待っていて、シュウの姿を見つけると笑顔になった。

    「おまたせ、待った?」

    「大丈夫、そんなに」


    挨拶を済ませると二人はすぐ近くのバーに入っていった。

    カウンター席に2人並んでドリンクを注文する。
    マスターとは顔なじみだから、アオと来ている事は他の常連客には知られないようにしてくれる。
    気配りが出来るマスターでシュウも安心していられる。

    ほっとしていたところでアオが急に切り出した。


    「オレ…、実は片玉なんだ」

    「え?(…なんのはなしですか?)」


    シュウは思わずそう言いそうになったが何とか堪えて話を聞いた。


    「金玉のことなんだ。知らないことはないよね?」

    「あ、…うん。知ってはいるけど…。で?」


    シュウのその一言を聞いてほっとしたのか、アオは堰を切ったように金玉について話しだした。

    いつから、どうして金玉が片玉なのか。

    今まで見た事がない位、アオが熱くなって金玉のことを語っている。こんなアオを見たことがない。
    あのいつものクールなイメージとは程遠い。

    こんなに金玉の話をしていたら、今から仕事なのにやる気なんかなくなってしまう。

    シュウが勤めているクラブ・女子寮はここから少しだけ先に行った所にある。

    そうだ、ママのベルさんに連絡して迎えに来てもらおう。

    シュウが急いでスマホを取り出すとその様子を見たアオが言った。

    「今から一緒に指笛の練習をしよう」

    「え?」

    金玉からの指笛?
    話をすればするほど混沌としてくる。
    シュウは豆鉄砲をくらったハトのような顔で話を聞いて、結局のところアオと一緒に指笛の練習をするしかなかった。


    あぁ、どうかしているとしか



    シュウの指笛は鳴らない…






    指笛師匠、先日はお題(タグ&ステッカー)を頂きありがとうございました。

    タグとステッカーとコメント欄のやり取りも回収しました。
    お納めください。

    フルレットさん、柊さん、お名前お借りしました。
    絞り出しました、笑




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    #どうでもいいか
    #どうかしているとしか
    #金玉
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    #女子寮
    #太客
    #やる気
    #指笛





     
     
    感じる心を失くさないように Ne pas perdre espoir, C’est mon seul desir.

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