
眠れない夜のお話「公園を歩く少女」
夜眠れないときに。
眠れずにスマホでここにたどり着いた方へ。
あなたが眠くなり、スマホを閉じることができるようなお話をご準備しました。
このお話は、読むのではなく、絵と文字を同時に、ゆっくりと「ながめて」ください。
そしてあなたがこの風景の中にいることを、ぼんやり思い浮かべてください。
Edited by REI / with support from ChatGPT, Image generated with Canva「公園を歩く少女」
少女は、誰もいない公園の芝生をゆっくりと歩いています。
足元の草は柔らかく、踏みしめるたびに、ほんのわずかに沈んでまた戻ります。

遠くで鳥の声が一度だけ響き、また静けさが戻ってきます。
風は強くなく、ただ、枝と枝の間を通り抜けるときに、小さな葉の揺れる音をつれてきます。
彼女は急がず、立ち止まりもせず、ただ歩いていきます。
並んだ木の影が芝生に落ちていて、その中を横切るたびに、少しだけ空気の色が変わるように見えます。

ベンチがひとつ置かれています。誰も座っていないそのベンチの横を通り過ぎるとき、木目のすきまに陽が入り込んで、模様のように光っています。
公園はその広さの概念を静けさでかき消し、ただ続いています。彼女はその真ん中を歩きながら、どこへ行くともなく進みます。
芝生の上には何もなく、ただ緑の絨毯のように広がっているだけです。

公園には時間だけが淡々と流れています。足音も響かず、空気も澄んでいて、少女がただ歩くことだけが確かなことのようです。
芝生の広がりは、見れば見るほど境界があいまいで、どこまで続いているのか分からなくなっていきます。
遠くの木々も、輪郭がやわらかく揺れているようで、まるで空気の中に溶けてしまいそうです。
歩いているのか、それともその場で立ち尽くしているのか、自分でも確かめにくくなるほどです。
やがて風がほんの少し強まり、芝生の一部が波のように揺れました。その揺れは静かに連なり、ゆっくりとした律動になって彼女の足取りと重なっていきます。

特別なことは何も起きていないのに、その均一な揺れの中にいると、気づかぬうちにまぶたが重くなるような、そんな穏やかさが、ゆっくりと、広がっていきます。