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Photo bymaikosan0429

見守りカメラは見ていた

    父が実家の玄関前で転んだ。
    父と母から聞いた話では、よく分からなかったのだが、玄関に設置している「見守りカメラ」の録画を見て、何が起こっていたのか判明した。

    15時過ぎ  玄関ドアが開いた。
    父がデイサービスから戻ってきた。今日は女性スタッフが付き添ってくれている。
    父は「はい、ありがとう」と何度もお礼を言っている。男性スタッフの時は、ここまで愛想がよくない。

    3分後 父が出かけて行った。杖は置いて行った。
    まて、まて、杖を持って行け!

    16時過ぎ 再び玄関ドアが開いた。
    見知らぬ青年が現れ、玄関のドアを開けた状態で固定した。玄関ドアが開きっぱなしの状態になったため、玄関の外の様子が映っていた。そして数メートル先の会話がしっかり録音されていた。

    青年Aさんが 「家で休んだ方がいいですよ」と言いながら、父のそばへ行った。夕方とはいえ、気温は30度を超えている。Aさんの言うとおり、家で休んだ方がいい。

    Aさんが再び玄関の中へ入ってきた。
    「ここに置いておきますね」と言って、父の帽子と宝くじ(後で判明する)をカメラのそばに置き、再び父の元へ行った。

    30秒後、デイサービスの送迎車に乗った母が戻ってきた。

    Aさん「奥さんですか?」
    母 「はい」

    家にいるはずの父が、なぜか家の外で鼻血を出していたため、母はうろたえている。

    母「いつもはデイサービスの人が、家の中まで送ってくれるんです」

    母「どっかに行ってたの⁉︎」
    父「ああ」

    父よ、はっきり答えてくれ!ここ大事なとこ。

    母は状況を把握できず、混乱している。
    「いつもは家の中まで送ってくれるんです」と繰り返す。

    Aさん 「おひとりでしたよ。フラフラと歩いてドテッと倒れました」
    Aさんは父が倒れるところを目撃していた。

    デイサービスのスタッフBさんが、父を立ち上がらせて、家の中まで誘導した。

    Bさん「どこか痛いところはないですか?」
    母「救急車を呼んだ方がいいかねえ」
    父「呼ばんで、よかよか」

    ったく、本人が救急車は呼ばなくていいって言ってるじゃねーか。母が電話で、救急車を呼ぶか?と聞いてくるから、よほどの重傷かと思ったわ。

    父はBさんに付き添われて、自分の部屋へ入って行った。

    「宝くじを買いに行ってたそうです!」
    父の部屋からBさんの声がした。母はようやく事態を把握した。

    「お水を飲ませてくださいね。熱中症だといけないから」

    「たぶん大丈夫だと思いますけど、様子を見ていてください」

    と母に声を掛けて、AさんとBさんは去って行った。直後、母は私に電話をした。


    父はほんとに運がいい。父が転ぶところをたまたま目撃したAさんは、父を家の中まで移動させようとしてくれていた。

    直後に、母がデイサービスから戻ってきた。送迎車には、介護に慣れているスタッフBさんが乗っていた。Bさんは父を立たせて、家の中まで連れて行ってくれた。

    AさんとBさんの冷静な判断と素早い行動のおかげで、父は転んでから10分もしないうちに自分の部屋にいた。

    録画を見てはじめて、奇跡的なタイミングで、父が救助されていたことを知った。うろたえる母に代わって、動いてくれた二人には感謝しかない。

    事件はいつも玄関で起こっている↓

     
     
    亡くなった父のことや近距離別居で暮らす母のことを書いています。

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