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今日の光 今日の風

    14年前、次女が生まれた。

    台所の流しにベビーバスを置いて、毎日13時頃になるとお風呂に入れていた。

    小さな体を支えながら、お湯をかける。

    泣いたり、気持ちよさそうに目を細めたり。

    そんな時間が、毎日のように流れていた。

    仕事を始めてからは、平日の昼間に台所に立つこともなくなった。

    今日は久しぶりの平日休み。

    お昼どきの台所で食器を洗っていた。

    あ。

    と思った。

    今日の光。

    今日の風。

    あの頃のままだ。

    窓から差し込む明るさも、

    庭先から聞こえる鳥のさえずりも、

    流しに落ちる水の音も。

    何も変わっていない。

    食器を洗いながら、ちっちゃかった次女の沐浴の光景が目に浮かんだ。

    腕の中の重み。

    お湯のぬくもり。

    ぷかぷか浮かぶ小さな足。

    なんて素敵なギフトを、私はもらっていたんだろう。

    こんなふうに、何気ない昼下がりの食器洗いの時間まで、幸せな気持ちに変えてくれるなんて。

    あの頃は必死で、眠たくて、大変だったはずなのに。

    14年経った今、もちろん台所にはベビーバスはない。

    でも、あの時間はちゃんと残っていた。

    今日の光の中に。

    今日の風の中に。

    そして、水の音の中に。

    #創作大賞2026 #エッセイ部門

     
     
    三姉妹の母です。趣味はピアノ、ウクレレ、野鳥観察。子育てや仕事の中で見つけた、小さな発見や心に残った日常を、笑ったり反省したりしながら、のんびり綴っています。

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