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【簡単あらすじ】その嘘を、なかったことには(微ネタバレ)【水生大海/双葉社庫】


    『 そう勘違いしてもらえたのなら、わたしの勝ちだ。』


    様々な場面での嘘が、
    何を狙っての発言か、そしてどのような結果をもたらすのか。

    そんな短編集が5編収録された作品。



    ―

    『はじめに』
    酷かった花粉の飛散もようやく収まり、窓を開けると爽やかな風を感じ、周りがポカポカ陽気になっていると私自身も何となく幸せも感じるという、絶好の読書シチュエーションを得られる時期が到来しました。ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
    この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

    「イヤミス系の短編」を描かれている作家さんで、私イチオシの水生大海さんの最新作です。

    ーー

    01 妻は嘘をついている

    「こ、‥‥これ、なにが入っ‥‥」

    秀馬が会社から帰宅し、飼い猫を抱きながらリビングへ行くと、
    そこで全く知らない男が死んでいた。

    警察の事情聴取で、妻もその男のことは知らないと答えるが、その男が勤務していた店のことは知っているはずと秀馬は気づく。

    なぜそんな嘘をつく必要がある…?

    ー

    02 まだ間に合うならば

    「えー?もう来てくれないの?」

    バンド・マクシミリアンのコンサート終了後、十河美南は、他のファンと喫茶店で寛いでいた。

    その喫茶店で、美南の高校時代の同級生・風香と偶然再会する。

    俳優を職業としている美南は、マクシミリアンのMVの仕事が入るなど、仕事が軌道に乗り始めるが、ある時から誹謗中傷を受けるようになる。

    ー

    03 三年二組パニック

    「卒業おめでとう、わたしたち」

    卒業式の予行練習が終了し、卒業を翌日に控えた日、三年二組担任・穂高は、教頭から、

    『「誰かが誰かに仕返しをする」という噂がある。
     そして、そのことは「三年二組パニック」と言われている。』

    と聞かされる。

    それを聞いた穂高は、卒業式で何も起こらないよう、クラスの生徒に聞き込みを開始する。

    ー

    04 家族になろう

    「ええ。おなかの子を大事にね」

    小さなビストロの店長・暉希と政治家一家の娘・花凛。

    二人は結婚し、花凛のお腹には小さな命が宿っている。

    花凛の義母が亡くなった後、暉希は義母が最後まで住んでいたマンションを一人で整理することになる。

    整理を進めると、「花凛へ」と書かれた箱を本棚の奥で見つけた。

    ー

    05 あの日、キャンプ場で

    「わたしたちは、けじめをつけていないから」

    映研部員たちが自主製作映画のため、あるキャンプ場に集まった。

    その日の夜は皆でBBQを楽しみ、次の日に帰宅することになっていたが、帰る時間になり各部員に用事が出来てしまう。

    そのため全員一緒に帰ることはせず・バラバラに帰ることとなったが、その際、女子部員にあまり良く思われていなかった部員・馬場千鶴は置いてけぼりにされてしまう。

    その二日後、中洲で千鶴の死体が見つかった…


    ーー


    ほんタメ「最近読んだ春っぽい本を6冊紹介【2025年4月】」で、ヨビノリたくみさんに紹介された本です。


    題名である程度お分かりのように、「嘘」をテーマにした、どんでん返し系の短編集です。


    『注意点』
    ※今回の記事における「女性のイメージ」は、私の仕事上の経験によって形作られたイメージなので、個人の意見(偏った意見)と考えて頂ければと思います。


    個人的に「あの日、キャンプ場で」が、とても気持ち悪い読了感で(かなり良い意味で)好きです。

    映研部員全員が、身勝手な・自分自身のことしか考えていない言動を行いストーリーが進むのですが、その言動について、

    登場人物(男性)のものは、言動の理由がある程度理解出来たのですが、
    登場人物(女性)のものは、全く理解出来ませんでした。

    何でそうなるの!?
    何でそういう結論に至るの?

    という気持ちになりました。

    そういうところが…大変良かったです笑

    個人的には、「女性の感情的な言動」と「スクールカースト」については、どちらも私の実体験が少ないため、かなり嫌な読了感を感じてしまうのですが…

    …何故か定期的に読みたくなります笑

    ヨビノリたくみさんが、「終わりが綺麗で、オッシャレ~」と評した、『妻は嘘をついている』から、私のようなおじさんが読むと背筋がゾワゾワするようなラストの『あの日、キャンプ場で』まで、全作品読み応えがあります。

    以前も書いたのですが、短編の「イヤミス系/どんでん返し系」として水生大海さんの作品はおススメです。

    自分自身の好きなジャンルを読むことが、皆さんの読書の基本になっていると思いますが、時々は「自身の理解の範囲外」の作品を読むこともちょうど良い刺激を受けることが出来ます。

    そんな人におススメの一作、是非ご一読ください。


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