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【簡単あらすじ】殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス(微ネタバレ)【五条紀夫/角川文庫】


    『 勇者となれ、メロスよ!』


    作品名がそのまんまのあらすじです笑

    名作を壊さないユーモアと紀元前の舞台に相応しい展開であり、出来れば原作も読了して欲しい作品です。

    名作とミステリーが融合した、脳筋探偵メロスを是非ご一読ください。



    ※2026年1月20日
    X上で作者・五条紀夫先生からの指摘を受け、追記あり笑

    ―

    『はじめに』
    日本各地で雪の便りが届くようになり、東北南部も外出には厚手のコートが必要な季節になりました。そうすると、必然的に家や自室で過ごす時間が増えることになり、読書も捗る季節とも言えます。
    このように、読書をするための絶好のシチュエーションを得られる時期ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

    ーー


    『皆、一列に並べ!犯人はすぐ名乗り出ろ。名乗り出ないのであれば、右から順に一人ずつ殴っていく!』


    名作「走れメロス」の舞台を基本に、脳筋/フィジカル探偵メロスが事件に巻き込まれ・解決していきます。

    ―

    第一話 メロスは推理した

    シラクス王・ディオニスとの約束から、地元に帰ってきたメロス。

    妹・イモートアの結婚式を何とか次の日に開くよう

    花婿・ムコスの家に頼み込み、何とか了承されるも、次の日の朝、ムコスの父・ギフスが密室に思われる羊小屋で殺されていた。

    ―

    第二話 メロスは約束した

    シラクスで友人・セリヌンティウスとの晩餐を楽しんでいたメロス。

    久しぶりの再会で、ワヰンをたらふく呑んだメロスが次の日に目を覚ました場所は、屋外の噴水広場の付近。

    その近くでは、夜の間に、城の門衛・キラレテシスが殺されたという事件が発生していた。

    ―

    第三話 メロスは奮闘した

    地元での婚礼等を済ませ、城に戻ろうと走っていたメロス。

    途中の森で、男の悲鳴が聞こえてきた。

    時間の無いメロスは何とかやり過ごそうとしたが、見事、男の死体に辿り着いてしまい、山賊の頭領・ゾクノボスに犯人を見つけて欲しいと依頼される。

    ー

    第四話 メロスは入水した

    山賊の依頼を達成し、さらに城へと急ぐメロスの前に、前日の豪雨で荒れ狂うような流れになった川が立ちふさがる。

    何とか対岸へ渡ろうと思案していたメロス。

    川に飛び込もうとしたその時、
    「生まれて、すみません‥‥‥」
    とつぶやき自害しようとしていた小説家・オサムスを助ける。

    ー

    第五話 メロスは激怒した

    道中様々な障害を乗り越え、城に戻ってきたメロス。
    ディオニス王に、人質として捕まっているセリヌンティウスの開放を求めるも、セリヌンティウスには、ディオニス王の側近・ダモクレス殺害の疑いをかけられていた。

    真犯人を見つけ親友を救うため、メロスは奮闘する。


    ―

    何を成すにも智慧だけでは足りぬ。
    内にこもって熟慮を重ねようとも、実行しなければ机上の空論に終始するだけである。
    実行、すなわち実力行使。
    何かを成すには力が必要なのである。
    メロスにとって力とは、十里の路を走り抜く脚力と、敵対者を屈させる腕力。
    つまり、フィジカル。フィジカルである。

    P41

    という世界観なため、多くの伏線・どんでん返しや、真犯人との頭脳戦、といった作品ではないことに物足りなさを感じるかもしれません。

    ※2026年1月20日追記
    ラスボスとの闘いは「ある意味」頭脳戦です。
    しかしそれが、ミステリー好きがイメージする頭脳戦か…?と言われると微妙な感じです笑
    五条先生、これからも応援しております!

    また、時代は紀元前360年頃であり、まだ「古代」分類であるため、トリックにも最新のものどころか、最古の道具が使われることになります。

    しかし、

    脳筋だからこそ発せられる威圧感や新展開
    古代だからこそ成り立つトリック

    もあります。

    そして、このように、舞台や表現を現代風にしたからこそ
    以下のように、ほんの少しだけ挟まれている「走れメロス」の原文

    早くそのマントを着るがよい。この可愛い娘さんは、メロス、君の、とても逞しい裸体を、他の皆に見られてしまうのが、堪らなく悔しいのだ

    P260

    が、とても効果的に読者に響きます。

    基本的にユーモアが勝る作品ですが、この原文を読んだ時、
    恥ずかしながら少し感動しました笑

    原作を読了済みかどうかで評価が分かれる可能性があります。

    名作とミステリーが融合した本作品、
    是非ご一読ください。



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