
Slay the Spire 2の問題点はバランスではない
私はSlay the Spire(StS)のファンだ。
前作のStS1にも、長い時間を楽しませてもらった。
続編のStS2は現在も開発途中だが、前作以上に、1戦闘ごとのカード選択の幅や楽しさを高めようとする調整が感じられ、期待している。
だが、StS2には現時点でとても大きな問題があると考えている。
それを説明する。
私は現在、StS2では戦闘中のリセットを使用している。
これはStS2の問題点に起因するもので、それを解決するためだ。
Slay the Spire 2の問題点はバランスではない。
「ダメージ計算の複雑さ」と「それに伴う退屈な時間の増加」だ。
アイアンクラッドを例に出すと、「ごろつき」「アッシュストライク」「セットアップストライク」など、カードの使用順によってダメージが大きく変化するカードも多い。
それ自体は良い。StS1とは違う面白さがある。
だが、問題はダメージの確認方法だ。
カードに表記されたダメージは、基本的にそのカード単体の数値であり、ほかのカードや効果を組み合わせたときの結果を、必ずしも直感的に把握できるわけではない。
例えば「サンダークラップ」「セットアップストライク」「ごろつき」を全て使用するとき、総ダメージをすぐに計算できるだろうか?

カードの使用順によってダメージが変化し、敵の残りHPや被弾のリスクまで考慮する必要がある。
問題なのは、計算が必要なこと自体ではない。
どのカードをどの順番で使うべきか、敵を倒し切れるのか、それとも防御を優先すべきなのか。こうした判断はStSの面白さのひとつだ。
しかし、その判断をするために必要な情報を、プレイヤーが毎回自分で計算しなければならないとしたらどうだろうか。
そして、StS2ではこの問題がより大きくなっているように思う。
1層はシビアな計算が求められる場面が多い。
例えば、スロウを持つ1層エリートの「古の偶像」が相手で3ターン目、攻撃を使い切ってもギリギリ倒し切れない可能性があるとする。

倒し切れなければ、被害を抑えるために「防御」や「アッパーカット」を選択したい。
先程のカードの例に、さらに多段攻撃やポーションも絡んだ場合はどうだろうか?
何点のダメージが出るのか、正確に把握できていなければ、その判断自体が難しくなる。
StS1のジャイアントヘッドも同じくスロウの能力を持っていたが、StS2の偶像ほどシビアな計算を要求される感覚はなかった。
もちろん、計算機やツールを使えば正確な計算は可能だ。
しかし、時間がかかる。
そして、私はこの「複雑な計算に費やす時間」を、Slay the Spireというゲーム体験に求めていない。
カードの効果を理解し、シナジーやマップを予測し、限られたリソースで最善の手を選択する。そうした思考には価値がある。
だが、最善の手を考えるために、複雑なダメージを計算しなければならないことに、同じ価値があるとは思えない。
戦略的な判断の難しさと、その判断に必要な情報を計算する手間は別のものだ。
後者はUIによって自動化し、できる限り減らすべき時間だと考えている。
私はこの問題への対抗策として、戦闘中のリセットを使用している。
瞬間的に計算できない場合は、とりあえずカードを使用して実際のダメージを確認してしまう。
だが、本当はこんなことはやりたくない。
自分ルールでランダム確認の利用はしないと決めても、カードを使用した結果を見てからリセットするという行為そのものが、ゲーム本来のプレイから外れているように感じる。
本来なら、カードを使う前に結果を予測し、その情報をもとに判断したい。
例えば、カードの使用順や各種効果を反映した予測ダメージを、より直感的に確認できるようにするだけでも、この問題は大きく改善するのではないだろうか。
バランス調整はフィードバックを受け、調整を繰り返していけば良い結果に収束していくだろう。
しかし、この「計算の複雑化」という問題は、意識してUIやシステムを変更しない限り改善できない。
StS2には、StS1とは違う面白さがある。
だからこそ、戦略性を高めることと、プレイヤーに余計な計算の手間を負わせることは、分けて考えてほしい。
これが私の考える、StS2の最大の懸念点だ。