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「透明人間」になりたい母

    新年度の3ヶ月終わりました。
    今年は私も仕事の環境が変わり、長男も小学校へ入学したことで、文字通り「あっという間」の3ヶ月。

    新しい生活には、心の準備をしていたはずの出来事もたくさんありました。特に長男の吃音については、私自身の心が揺れ動く夜が幾度もありました。

    吃音は簡単にいうと言葉の始めなどが繰り返されてしまう言語障害です。
    今までは言語訓練に参加したり、環境調整をしたりして、特出して揶揄われるようなことはなく親子共々前向きに過ごしていました。
    が、もう彼は小学生。レールを親が引いてあげられる時代はEND of ERAなのです。
    友達にからかわれているのではないか、それを本人がどう受け止めているのか…。そんな不安と焦りの中で、私の心の支えとなってくれた一曲。

    東京事変の「透明人間」です。

    この歌を聴くたび、私は「母としての在り方」に立ち返ることができます。
    というか、先回りして彼の失敗や悲しみの機会を奪ってしまわないように。という私にとっては戒めのような名曲。

    1. 「透明人間」になりたい理由

    僕は透明人間さ きっと透けてしまう同じ人には判る
     (東京事変「透明人間」より引用)

    曲の冒頭、このフレーズが流れるたび、胸が締め付けられますね。子どもが成長していく過程で、親は時に自分の存在を控えめにし、そっと見守る立場にならなくてはなりません。

    「干渉せず、でも守りたい」。その複雑な親心は、まさに「透明になりたい」という切実な願いそのものです。「同じ人には判る」という歌詞には、同じように悩んだり、送迎のタイミングで会ったママ友と井戸端会議で共感しあったりする母親同士の連帯感のようなものを感じます。

    2. 見守ることの葛藤

    噂が走る通りは息を吸い込め止めた儘で渡ってゆける
     (東京事変「透明人間」より引用)

    小学校に入り、集団生活の中で長男が吃音をきっかけに何か言われているかもしれない……そう想像するだけで、親としては心が痛みます。本当はすぐにでも飛んでいって、言葉がつまってしまう彼の代わりに説明してあげたい。けれど、それができない。

    子どもが自分で見つけた彩りは、たとえそれが傷つくことだったとしても、そのままで受け止めたい。「透き通る気持ち」という言葉には、子どもを自分とは別の、一人の人間として尊重したいという強い願いが込められているように感じます。
    子どもと私は別人格、わかっちゃいるが難易度MAX。

    3. 「叱る」ということの難しさ

    何かを悪いと云うのはとても難しい僕には簡単じゃないことだよ
    (東京事変「透明人間」より引用)

    感情的に怒らず、公平に接したい。そう願っているのに、つい言葉が荒くなってしまう日もある。そんな未熟な自分を肯定してくれているのかな。みんな難しいよね。
    アンガーマネジメントに6秒待てばほとんどの怒りは鎮まり落ち着くと聞きました。私は6秒の間に怒りが濃縮還元されてゆくタイプです。とても難しい。

    あなたが怒ったり泣いたり声すら失ったとき
    透き通る気持ちを分けてあげたいのさ
    (東京事変「透明人間」より引用)

    子どもの感情が激しく揺れるとき、私も同じように不安になるけれど、まずはその心を静かに受け止め、透き通った気持ちで寄り添いたい。そんな親としての「祈り」がここにはあります。

    4. 空を仰いで、また明日へ

    今夜は暮れる空の尊い模様を真っ直ぐに仰いでいる
    明日も幸せに思えるさ
    またあなたに逢えるのを楽しみに待って さようなら
    (東京事変「透明人間」より引用)

    毎日表情を変える空のように、子どもの気持ちも刹那的です。その一つひとつを大切に心に保存していきたい。

    「さようなら」という言葉は寂しい響きに聞こえました。でも今は違います。毎日元気に学校へ行き、また明日、成長した姿で会えることを楽しみに待つ。「楽しみに待って、さようなら」と心の中で唱えれば、どんなに心配な日も、グッと笑顔で堪えることができるのです。

    おわりに

    「透明人間」は、私からみると親としての愛情や寂しさ、そして覚悟を教えてくれる名曲です。

    子どもが成長し、守ってあげられる範囲はどんどん小さくなっていきます。それでも私は、この歌を道しるべに、子どもたちの成長を信じ続けたいと思います。

    今日、少しだけ涙をこらえたすべての親へ。
    この歌が、あなたの気持ちにもそっと寄り添ってくれますように。

    (※歌詞の引用は、作品の解説や批評を目的として一部を抜粋・引用いたします)

     
     
    全国を転々としている、映画音楽読書漫画アニメが好きなインドア母です。 『人生ワーホリ』と思って生きています。 在宅社会学者になりたい。 お勧めしたいこと、もの、場所を書くのとともに、 育児のことも書きます。 吃音のある長男5歳、長女3歳がおりまして、備忘録的にも書いています。

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