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⑥『最弱扱いされた俺のギフト《追加ボーナス》、実は仲間も武器も報酬も手に入る最強スキルでした』〜第7章〜

    前回の振り返り


    アスラは群れゴブリン討伐を成し遂げた。
    《追加ボーナス》によって武器・仲間・盾まで得て、最弱と呼ばれた姿はそこにはなかった。
    だが力を示したその瞬間から、街には称賛だけでなく妬みや敵意も広がり始めていた──。

    第7章 妬みの影


    ギルド「銀月の角笛」の掲示板には、朝から人だかりができていた。
    「最弱のアスラがゴブリンの群れを倒した」──その噂は一晩で広がり、冒険者たちの間で持ちきりだった。

    「まさか、あの荷物持ちが……?」
    「いや、何か裏があるに違いねぇ」
    「精霊や獣まで従えてるんだと? ありえねぇ」

    称賛と同時に、歪んだ疑念が広がっていく。



    そんな視線を背に受けながら、アスラは静かに依頼札を手に取っていた。
    リュカは足元で落ち着きなく尻尾を揺らし、フィルは肩で小さく炎を灯す。
    ミリアはそんな彼を見守り、そっと声をかけた。

    「主君……噂は力を与えると同時に、敵意を呼び寄せます」
    「……分かってる。だからこそ、もっと強くならなきゃならない」

    アスラは短剣の柄を握りしめた。



    その時だった。
    酒場の奥で笑い声が上がる。
    「よぉ、英雄様のご登場だ!」

    皮肉たっぷりの声と共に現れたのは、中堅パーティー《赤牙》の一団だった。
    彼らは名のある冒険者だが、アスラの急激な成長に危機感を抱いているらしい。

    「荷物持ちが、精霊だの獣だの引き連れて……笑わせるな」
    「どうせインチキか裏取引だろ?」

    挑発する声に広間がざわめく。
    だがアスラは無言で彼らを見返すだけだった。
    怒りよりも、静かな闘志が胸に灯っていた。



    その夜。
    街外れの古い塔に立ち寄ったアスラは、不思議な気配に足を止めた。
    塔の中は冷たい空気に満ち、薄暗い室内には本の山が積まれている。
    そして隅で縮こまっている人影があった。

    「……誰だ?」

    近づくと、フードを深くかぶった女性がこちらを振り向いた。
    雪のように白い肌、透き通るような青い瞳。
    だが、その美貌を隠すように震えながら、か細い声を漏らした。

    「……あ、あの……ひ、人と……話すのは……苦手で……」

    アスラは息を呑む。
    魔女──だ。
    彼女の周囲には、圧倒的な魔力が渦巻いていた。

    次の瞬間、塔の扉が破られ、赤牙の一団が乱入してきた。

    「やっぱり怪しいと思ったぜ!」
    「お前の“インチキ”の正体はこいつか!」

    嘲笑と共に武器を構える彼ら。
    その時、女性の唇がわずかに震えた。

    「……い、いや……やめて……」

    囁きと同時に、光の矢が無詠唱で放たれた。
    轟音と共に床が抉れ、赤牙の面々が吹き飛ぶ。

    「なっ……詠唱もなしに!?」

    広間が凍りつく。
    女性は震える声でアスラを見つめた。

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    「……た、助けて……ください」

    アスラは一瞬も迷わなかった。
    「大丈夫だ。俺が、守る」

    その瞬間、《追加ボーナス》が反応し、光のカードが浮かび上がる。
    そこに描かれていたのは「杖」と「魔女の横顔」。

    アスラが文字を読み上げると、女性の体を包む光が強まり、彼女は呆然と呟いた。
    「……契約……? わ、私が……?」

    ミリアが静かに告げる。
    「主君……この方もまた、あなたの仲間となりました」

    アスラは頷き、震える魔女に手を差し伸べた。
    「俺はアスラ。君の名は?」
    女性は小さな声で答えた。
    「……ソフィア……です」





    あとがき(第7章)

    ここまでお読みいただき、ありがとうございます!

    第7章では、アスラに対する「妬み」の存在が明確になり、赤牙という敵対パーティーが姿を現しました。
    同時に新たな仲間── 無詠唱の力を持つ魔女ソフィア が加わりました。
    彼女は美しいが極度の人見知りで、アスラ以外とまともに話せません。
    それでも無詠唱の力は圧倒的。今後の戦闘で重要な役割を果たします。

    次回、第8章「双剣の嵐」。
    新たな戦いと共に、熱血の双剣剣士が仲間入りします。どうぞご期待ください!

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