
「借りた本を返したら、あの頃まで終わる気がして。」|ゲッコーカフェ🐱🐶🍽️
借りた本が、返せない。
その夜、ゲッコーカフェに来た女性は、一冊の文庫本を抱えていました。
🐱「その本、お好きなんですか?」
👩🦳「昔、友達に借りたんです。七年前に」
🐱「……まだ返してないんですか?」
女性は少し笑いました。
👩🦳「この本を返したら、あの頃まで終わる気がして」
毎日のように会っていた友達。
くだらない話をして、夜中まで笑っていた時間。
でも今は、年に一度連絡するかどうか。
クロちゃん先生がコーヒーを置きました。
🐶「本は返せます」
そして、少し間を置いて。
🐶「でも、一緒に過ごした時間まで返す必要はありませんよ」
女性はしばらく本を見つめました。
やがてスマートフォンを開きます。
👩🦳「……返したい本があるって、送ってみます」
少しして、返信が来ました。
👩🦳「“まだ持ってたの?”だって」
笑う女性を見て、私は思いました。
返すことは。
なくすことではないのかもしれない。
その夜。
ゲッコーカフェの本棚にあった空きスペースを見て。
私はそこへ、何も置きませんでした。
空いている場所も。
次の何かが入るためには、必要なのかもしれません。
もし気になっていただければ覗いてみて下さい。
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