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ほんだしは効くのにステーキが効かない不調

  • 割引あり

「とりあえずステーキ食っとけ」「甘いもの食べて、ぐっすり寝ろ」。不調を訴える人への定番の処方箋がある。試した人の何割かには、驚くほど効く。だが残りの何割かには、まったく効かない。それどころか、むしろ調子を崩す方向に効くことさえある。同じ言葉が、なぜ正反対の結果を生むのか。

自分の不調に効く食べ物を、10年単位で探し続けた記録を公開している人がいる。行き着いた結論は、拍子抜けするほど地味だった。効いたのは分厚いステーキでもなく、甘いスイーツでもなく——ほんだしをお湯で溶いただけの、一杯の汁だったという。「強烈なうまみを脳にぶちこむと、ほわ〜んとなる」。本人の言葉を借りればそういう感覚らしい。

この話、単独の思い込みでは終わらない。白だし、味噌汁、梅昆布茶、鶏がらスープ——似た報告をする人が複数いる。共通しているのは「脂肪」でも「糖分」でもなく、「うまみ」というアミノ酸系の刺激だという点だ。ちなみに出汁が自律神経活動や精神的な疲労に与える影響は、学術研究の対象にもなっている領域である。

一方で、精神科医・宮島賢也氏は、メンタル不調時に厚切りステーキのような食事を避けるべきだと指摘している。理由は単純で、消化にかかる負担がフルマラソン一本分に匹敵するからだ。つまり「ステーキ食えば元気出るぞ」という励ましは、弱った体にさらに重労働を課している可能性がある。景気づけのつもりが、ただの追い打ちになっているかもしれない。

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「効く」アドバイスが本当は何に効いているのか

ここで一度、立ち止まって考えたい。「ステーキ食え」「甘いもの食って寝ろ」的な励ましは、そもそも何のために存在しているのか。前提にあるモデルは単純だ——気分は電池のようなもので、使えば減り、糖分や脂肪や睡眠を補給すれば、また満ちる。この電池モデルは、実はかなり正しい。ただし、ある種の不調に対してだけ。

  • 環境要因で一時的に沈んだ気分(嫌なことがあった、疲れが溜まっている)→休息や糖分、励ましで持ち直すことが多い

  • 慢性的に続く、原因がはっきりしない不調→同じ処方を続けても、変化がない、あるいは悪化する

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