人生を変えた音楽紹介動画(サイケロック)
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音楽を聴いていて、明確にターニングポイントとなる出会いって結構多いと思います。
私の中でも数多くあるのですが、
今回はその一つであるYouTubeの動画を紹介したいと思います。
タイトルは"The 30 Greatest Psychedelic Rock Songs(1966-1968)"
サムネはジェファーソン・エアプレインですね。
画質が悪くてわかりづらいですが。
このチャンネルではほかにも、3度に分けて100曲を超えるディスコの楽曲を紹介する動画なんかも投稿してますね。
この動画と出会ったのは中学生の終わり頃、高校入学直前のあたり。
1966年から68年のサイケデリックロックの名曲30曲を紹介するという、
今ではYouTubeによくあるタイプの動画ですが、この動画で出会い、
聴き始めた音楽はいまだに僕の音楽観や好みに強く影響を与えています。
まず初っ端、エレクトリック・プルーンズの
"I Had Too Much Dreams(Last Night)"
(「今夜は眠れない」という邦題が付いてるみたいですね)
から衝撃を受けました。
サビで流れるギターを逆再生したような
悪夢的なサウンド(あの音ってオートハープですかね)
を聴いてなんじゃこりゃと。
聴いたことがない音過ぎて。
2曲目に紹介されているのはビーチボーイズの"Good Vibrations"。
代表曲"Surfin' USA"1曲のイメージだけで
「夏!、海!、サーフィン!」といった能天気なイメージを勝手に抱き、
敬遠していたビーチボーイズが
こんなにも気味の悪い曲(といったらファンの皆さんに怒られそうですが、
初めて聴いた際の正直な印象はこれです)をリリースしてることを知り、
ビーチボーイズの曲の幅広さに驚かされ、
私がビーチボーイズを聴き始めるきっかけになりました。
後に歌詞を読んだ際に、
その純粋な思いを歌う歌詞の内容と
曲調とのギャップにも再度驚かされました。
9曲目に紹介された、ピンク・フロイドの"See Emily Play"は
当時"Atom Heart Mother(原子心母)"
と"The Dark Side Of The Moon(狂気)"を聴いていた私にとって、
あまりにもイメージからかけ離れている音像に困惑しました。
こういう、70年代に活躍したバンドやミュージシャンで
60年代にはサイケをやってた例は結構多いですよね。
例えばデヴィッド・ボウイやディープ・パープル、この動画でも紹介されていたステイタス・クォーなど。
個人的にこの動画での一番大きな出会いが、
スモール・フェイセスですね。
"Itchycoo Park"が耳に残って、
その直後はイミディエイト時代のポップな楽曲
(例えば"Tin Soldier"や"Lazy Sunday")にはまり、
遡るように黒人音楽の影響がより色濃い
デッカ時代の作品も聴き始めました。
後にこの曲でのスティーヴ・マリオットのボーカルは
彼の歌唱の中ではかなり
抑制が効いてるほうなのだと気づきました。
ここでスモール・フェイセスと出会わなければ、
おそらく60年代のモッズ系バンドを掘ることもなかったですし、
ソウルやR&Bを掘り進めるのももっと遅かったかなと思います。
また、この動画で出会って5年近くは経つのですが、
いまだに自分の中での歌声の目標は
スティーヴ・マリオットが一番なので、
そういう意味でも及ぼした影響の大きさでは圧倒的ですね。
ジャニス・ジョプリンも24曲目の
"Ball And Chain"で初めて歌声を聴きました。
この動画を見る以前に父の友人からディスクガイドを譲ってもらい、
ジャニスの名前だけは知っていたのですが、
度肝を抜かれましたね。
まさに百聞は一見に如かずというか、
ジャニスの歌声の凄さはその本でも紹介されていたのですが、
聴く前は掲載されていた満面の笑みを浮かべる写真を見て
少し油断していました。
パワフルとは言えど可愛いもんなんだろうなと。
一瞬でそのイメージは崩壊しましたね。
最後に、この動画で紹介されていた楽曲の一覧です
1. The Electric Prunes — I Had Too Much to Dream (Last Night)
2. The Beach Boys — Good Vibrations
3. The Beatles — She Said She Said
4. The Byrds — Eight Miles High
5. Jefferson Airplane — The Ballad of You & Me & Pooneil
6. Jefferson Airplane — White Rabbit
7. The Jimi Hendrix Experience — Are You Experienced?
8. The Jimi Hendrix Experience — Purple Haze
9. Pink Floyd — See Emily Play
10. Small Faces — Itchycoo Park
11. The Status Quo — Pictures of Matchstick Men
12. Strawberry Alarm Clock — Incense and Peppermints
13. The Beatles — A Day in the Life
14. The Beatles — Lucy in the Sky with Diamonds
15. The Beatles — Penny Lane
16. The Beatles — Strawberry Fields Forever
17. The Doors — Light My Fire
18. The Doors — Strange Days
19. The Doors — The End
20. The Rolling Stones — 2000 Light Years from Home
21. Traffic — Dear Mr. Fantasy
22. Vanilla Fudge — You Keep Me Hangin' On
23. The Amboy Dukes — Journey to the Center of the Mind
24. Big Brother and the Holding Company — Ball and Chain
25. The Chambers Brothers — Time Has Come Today
26. Iron Butterfly — In-A-Gadda-Da-Vida
27. The Jimi Hendrix Experience — All Along the Watchtower
28. The Jimi Hendrix Experience — Voodoo Child (Slight Return)
29. Steppenwolf — Magic Carpet Ride
30. Tommy James and the Shondells — Crimson and Clover
アーティスト別で曲数を比較すると、ビートルズが5曲と、やはり強い。
しかし楽曲のサイケ度は薄い気がする
"Penny Lane"を紹介してるのに、
よりサイケの文脈で語られることの多い
"Tomorrow Never Knows"を紹介してないのは謎ですよね。
(ちなみに概要欄の楽曲紹介では、
"She Said She Said"と間違えて紹介されています。)
続いてジミヘンが4曲。これは文句なしの選曲です。
ただジャケット的には一番サイケ色が強い2ndアルバムの"Axis:Bold As Love"から1曲も選曲されていないのが面白いですね。
あのアルバムは1曲目の"Exp"や
"Little Wing"のフェイザーを用いたソロなどの
サイケ要素があったりしますが、
他のアルバムに比べてジミヘンの
バラード的な作曲の面で取り上げられることが多い気がします。
続いてはドアーズが3曲。文句なしの選曲ですね。
紹介されてる曲を眺めて気づいたのですが、
ドアーズの楽曲ってオルガンの主張が強かったり、
空間系のエフェクトがかけられたりなど、
サイケ感(酩酊感?)が強い楽曲ほど
ジム・モリソンの歌声に抑制が効いてるなと感じました。
特に"Strange Days"、"Light My Fire"、"End Of The Nights"
なんかは顕著ですよね。
逆に"Love Me Two Times"や"Break On Through"などの、
ブルース然として、ギターがメインの楽曲だとジムの歌声も、
曲調に合わせて。がなりをかなり入れてますね。
続いてジェファーソン・エアプレインが2曲。
ジェファーソン・エアプレインといえば
"Somebody To Love(あなただけを)"と
"White Rabbit"の2曲のイメージがありますが
この動画では前者は紹介されず、
代わりに3rdアルバムから、
"The Ballad Of You & Me & Pooneil"が紹介されました。
"Somebody To Love"は2ndアルバムで加入した
グレース・スリックの以前のバンド在籍時からの
レパートリーなので、明らかに他の
ジェファーソン・エアプレインの楽曲とは毛色が異なります。
特に全体的なリズムのタイトさが
スローな楽曲が多く、ジャムを挟むことも多い
このバンドの他の楽曲と毛色を異にしています。
この動画で紹介された他のバンドと比較しても、
カントリーの影響も大きいバンドだと感じます。
これ以外のグループは1曲だけ紹介されてます。
全体的に、USガレージサイケの楽曲が
Electric PrunesやAmboy Dukesが紹介されているとはいえど
少ないと感じました。
13th Floor ElevatorsやBlues Magoosのように、
アルバム名にサイケデリックと銘打ったバンドもある中で
無視されてる感が否めません。
また、ドノヴァンやラヴィン・スプーンフルらの、
フォーク寄りの楽曲もあまり多くない印象でしたね。
ただ、サイケの名曲を30曲の縛りで紹介するならば、
かなり曲を絞らなければならなくなる制約の中で、
イギリスとアメリカ双方から、
ヘヴィな楽曲からソフトな楽曲まで
バランスよく紹介しているなと感じました。