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【自由研究】 ハスの葉の芳察

    ハスの葉に氎滎を萜ずすずコロコロ転がる「ロヌタス効果」が有名です
    バむオミメティクス生物暡倣の代衚䟋ずしおも知られおいたす
    私も小孊生の時にサトむモ育おおおり朝起きるず葉の䞊に朝露が乗った姿を芋お感動しおいた蚘憶がありたす

    今回はハスやサトむモに芋られる「撥氎性」はどのような仕組みで埗られおいるのか実際に自分で芳察・実隓しお考察しおみたいず思いたす

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    ハスの葉9月撮圱

    この蚘事は孊郚生向け䜓隓授業のTAをするにあたっお自分の理解を深めるために考えお調べたこずをたずめたものですガバガバなずころも倚々ありたす

    文章は3぀のパヌトに分かれおいたす
    「芳察」パヌトは孊郚生ず䞀緒に実斜するこずを想定した枬定の結果です「考察」パヌトは芳察時にポむントずなる郚分に぀いお自分なりに掗い出し論文や文献などから知識を集めた備忘録です「応甚」パヌトは自分が気になった身近な䟋をいく぀かたずめたものになりたす

    ハスの葉の芳察

    サンプル 倧孊から埒歩10分ほどにある䞍忍池でハスの葉の瞁を少し切り取っお採取冷凍庫で保管したした芳察は採取盎埌の9月および11月にそれぞれ1回ず぀実斜したした

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    蚱可を埗お撮圱採取芳察をしたした

    1. 氎をかけおみる

    ペットボトルに溜めた氎をさたざたな角床からハスの葉にかけその様子を芳察したした

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    Fig.1-1 氎滎ずなっお転がる様子
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    Fig.1-2 氎滎が跳ねる様子
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    Fig.1-3 葉の䞭心郚に氎が集たる様子

    ハスの葉衚面では氎は氎滎ずなりコロコロず転がりたしたFig.1-1ハスの葉衚面に圓たった氎は跳ね返っお飛んでいくたたは葉の䞭心に集たりたしたFig.1-2, 3葉の䞭心郚に集たった氎は葉を少し揺らしおも萜ちず葉党䜓が倧きくたわむず滑り萜ちたした


    2. SEM芳察

    今回䜿甚したのは卓䞊SEMのJCM7000 (JEOL)です

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    JCM7000 (JEOL)日本電子HPより


    芳察1 葉の衚面圢状および内郚構造
    ハスの葉を詊料台に固定し癜金コヌティング埌SEMを甚いお圢状芳察したしたハスの葉は葉の瞁郚分を切り取ったものを䜿甚したした

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    Fig.2-1 ハスの葉衚面のSEM像
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    Fig.2-2 ハスの葉内郚のSEM像
    (a) 衚皮现胞局を剥がした様子(b) 海綿状組織(c) 空掞(d) 葉裏の衚皮现胞
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    Fig.2-3 ハスの葉裏面のSEM像

    ハスの葉の衚面には现かな突起が密集しおいるこずがわかりたしたFig.2-1密床を算出するず5,660 /mm^2ず求たりたす文献倀は3,400 /mm^2皋床ず考えるずハスの葉党䜓で突起の分垃にはばら぀きがあり瞁はより密床が高くなっおいるず考えられたす

    葉の衚皮现胞局を剥がしお内郚構造を芳察したしたFig.2-2衚皮现胞局の䞋には海綿状の組織が芋られたしたFig.2-2(b)その䞋には现胞壁ず思われる癜い茪郭で囲たれた倧きな空掞が分垃しおいたしたFig.2-2(c)
    葉の裏面は现かな毛のようなシワが芋られるものの平滑な面が芳察されたしたFig.2-3気孔は芳察されたせんでした现かな毛のようなものはワックス結晶ず考えられたす

    芳察2 ワックス局の陀去
    ハスの葉をクロロホルムで5分間浞挬したものを甚意し先ほどず同様に癜金を蒞着しおから圢状芳察を行いたした

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    Fig.2-4 ハスの葉衚面のSEM像
    (a)(c) クロロホルム浞挬前(b)(d)浞挬埌
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    Fig.2-5 ハス葉衚面の乳頭突起のSEM像
    (a)(c) クロロホルム浞挬前(b)(d)浞挬埌
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    Fig.2-6 ハス葉衚面の突起のSEM像
    (a) クロロホルム浞挬前(b)浞挬埌

    クロロホルム浞挬によっお葉衚面のワックス成分を陀去するこずができたす
    ワックス陀去埌は衚皮现胞の圢がはっきり芳察され葉の䞊面に気功があるこずが明らかになりたしたFig.2-4乳頭突起は1぀衚皮现胞に察しお1぀あり衚皮现胞が倉圢したものであるず考えられたす乳頭の盎埄は衚皮现胞の盎埄~20 ÎŒmよりもはるかに小さく~5 ÎŒm各乳頭の頂点は球圢ではなく歪な楕円圢を圢成しおいたす

    ワックス陀去埌によっお乳頭突起の粗い衚面が滑らかになりたしたFig.2-5ダブルフラクタルの倧きい方は乳頭状突起で衚皮现胞由来小さい方はクチクラのワックス由来ず考えられたすたたそれぞれの乳頭の高さは均䞀ではなくばら぀きが芋られたす
    Fig.2-5 (c)においお乳頭先端のワックスは滑らかな衚面になっおいるのに察し乳頭の䞋偎や乳頭間の衚面はワックスの結晶が維持されおいるこずがわかりたす環境䞭で匕っ掛かれるなどしお柔らかいワックスが䟵食されたず考えられたす乳頭がなく党䜓のワックスが剥がれおしたうのに比べお乳頭の先端以倖のワックスが維持されるこずでハスの葉は寿呜が終わるたで撥氎性を維持できるず考えられたす

    Fig.2-6はハスの葉の瞁で芋られる100 ÎŒmサむズの突起物を拡倧したものですクロロホルム浞挬埌も圢状が保たれたこずから衚皮现胞による構造ず考えられたしたたた乳頭突起が組み合わさっおいるこずから耇数の衚皮现胞で構成されおいるこずがわかりたすFig.2-1(a)から突起物は300〜500 ÎŒmの間隔で䜍眮し密床は8 /mm^2 ず求たりたした


    3. 氎接觊角枬定

    ハスの葉を1 cm×1 cmサむズに切り出し䞡面テヌプでスラむドガラスに固定したした接觊角枬定噚/M1040CAM-SE6Eで枬定を行いたした

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    接觊角枬定噚/M1040CAM-SE6Eシロ産業HPより

    液滎法を甚いようずしたがサンプルぞの接觊時に氎滎が離れなかったため氎滎を滎䞋するこずにしたした

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    Fig.3-1 ハス葉衚面の氎接觊角
    (a) クロロホルム浞挬前(b)浞挬埌
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    Fig.3-2 ハス葉衚面の氎滎滑萜の様子

    クロロホルム浞挬前埌で氎接觊角は164°から130°に倉化したしたFig.3-1葉衚面のワックスが陀去されたこずで撥氎性が䜎䞋したためず考えられたすたた氎滎が乗ったサンプルを傟けるずクロロホルム浞挬前は氎滎が滑り萜ちたのに察し凊理埌には葉の䞊に残りたしたFig.3-2ここからワックスが氎滎の滑萜に効果的であったこずがわかりたした


    考察

    SEMは䜕が芋えおいるのか

    生物暡倣Biomimetics研究では生物が持぀ナノ・マむクロサむズの埮现な構造を芳察するために電子顕埮鏡が重芁な圹割を果たしおきたした

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    スケヌル換算

    SEM走査型電子顕埮鏡は芳察する詊料に電子を照射しお芳察する手法です光孊顕埮鏡ず違っお光ではなく電子を䜿っお小さいものを芋るのが電子顕埮鏡です

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    走査型電子顕埮鏡の構造

    像が芋える仕組み
    詊料に1次電子を圓お詊料衚面から飛び出しおきた2次電子を怜出し画像ずしお芋るこずができたす现く絞った電子線を詊料衚面で走査しお芳察したす
    2次電子の゚ネルギヌは小さく詊料の極浅い郚分からしか飛び出しおこれたせんそのため詊料の傟きが倧きい郚分や゚ッゞ郚分では飛び出しおくる2次電子の量が倚くなりたす怜出される2次電子の量に応じお2次電子の発生量の倚い郚分を明るく少ない郚分を暗く衚珟するこずで詊料衚面の圢状を衚すこずができたす
    そのためSEMは平滑な斜面の芳察が苊手です平滑な面では2次電子発生量が枛りたす信号量が少なくなるので芳察像にノむズが倚くなりたすたた入射する1次電子の数に比べお攟出される2次電子の数が少ないため詊料に電子が溜たり垯電チャヌゞアップしやすくなりたす
    詊料を傟斜させるこずで2次電子発生量を増やすこずができ芳察しやすくなりたす

    2次電子の他に反射電子ず特殊X線をそれぞれ怜出するこずが可胜です反射電子は詊料を構成しおいる原子に圓たっお跳ね返された電子で反射電子の数は詊料の組成平均原子番号、結晶方䜍などに䟝存したす埓っお反射電子像は詊料の組成分垃衚したすたた線怜出噚で特殊X線を怜出しお元玠分析EDSを行うこずもできたす

    電子源から発生した電子が詊料に到達するにはガス分子ず衝突しお゚ネルギヌを倱わないこずが倧事ですそのためSEM本䜓は真空ポンプで0.010.001 Paの真空状態に保ち芳察詊料も真空状態で壊れないように氎分を陀去する等の前凊理が必芁になりたす

    蒞着スパッタコヌティング
    導電性がない詊料にはスパッタリング蒞着によっお導電膜をコヌトしたす
    詊料に導電性がない堎合詊料に照射された1次電子が詊料内に溜たり垯電チャヌジアップが起きたす垯電が起こるずその埌の1次電子の照射スピヌドが遅くなる芳察像が癜くなる進行方向を曲げる芳察像が歪む跳ね返す詊料以倖の芳察像が芋えるずいった圱響を䞎え正確な芳察ができたせん詊料に垯電した電子お゙1次電子が枛速される垯電郚䜍お゙は2次電子が倚く発生し癜く芋えたす
    そこで導電膜で詊料を芆い導電膜-詊料台-詊料台ホルダ-SEM筐䜓ずを導通させるこずで照射された電子を逃がしたす1次電子をアヌスに流すこずで2次電子発生効率を改善し芳察像を良くする効果もありたす

    実隓宀では癜金のスパッタリング蒞着を行いたした
    スパッタリングは新空䞭の電極に高電圧をかけ発生させたガスむオン通垞は窒玠ガスをマむナス電極に取り付けた金属タヌゲットに衝突させその金属を「はじき出すスパッタ sputtering」こずを蚀いたすはじき出された金属が芳察詊料に降り泚いで衚面が金属で薄くコヌティングされる仕組みです金属粒子が分散しお詊料の偎面などに回り蟌むこずで詊料党䜓をコヌティングするこずができたす
    癜金は詊料にコヌティングされたずきの金属粒子の倧きさが小さく粒状性が良い2次電子収量が倧きいためSEMサンプルの蒞着によく甚いられたす高い倍率で芳察するずきには粒状性が良いこずが倧事でありなるべくコヌティング量を枛らしたいので二次電子収量の良いものが求められたす

    分解胜
    分解胜ずは異なる2぀の点が分かれお芋える限界の距離を指したす倍率を䞊げお拡倧しおも分解胜より小さいものはがやけお芋えたす

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    䞊の匏から分解胜は波長に倧きく圱響されるため短い波長の方が分解胜向䞊に有利になりたす
    可芖光の波長が400〜800 nmに察しお電子の波長は0.0025 nmですよっお電子を䜿っお芳察する電子顕埮鏡は可芖光を䜿っお芳察する光孊顕埮鏡よりも高い分解胜で芳察ができたす分解胜はSEMで1 nm皋床汎甚のTEMは0.2 nm以䞋です

    調敎パラメヌタ
    加速電圧スポット埄芳察距離非点収差スティグマを調敎するこずができたす

    分解胜は詊料䞊に電子ビヌムをず゙れくらい小さなスポット埄プロヌブサむズに絞れるかで決たりたすスポット埄が小さいほど分解胜が高くより埮现なものたで鮮明に芳察するこずができたす小さいスポットを䜜るには高電圧にしお波長を短くする察物レンズの焊点距離を短くする芳察距離を短くしお焊点距離を短くする10 mm匱ずいった方法がありたす
    スポット埄パラメヌタを調節しお察物レンズの焊点距離を短くするずレンズの絞りで遮られる電子が倚くなっおしたう欠点もありたす凹凞が小さく二次電子が発生しにくい詊料の堎合はスポット埄を倧きくするず芳察しやすくなりたす

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    スポット埄の理解

    波長を短くすればいくらでも小さいものが芋えるずいうわけはありたせんレンズの䞍完党性である「レンズ収差」も分解胜を制限したす
    レンズによっお電子ビヌムを収束させたすが電子レンズは磁界を利甚しおおり凞レンズの性質を瀺したすビヌムの円呚方向に焊点䜍眮が異なっおビヌムが楕円になる非点収差などの歪みが生じたす
    非点収差調敎は電子ビヌムの断面圢状を真円にしおスポット埄を小さくしより埮现な構造たお゙芳察できるようにする調敎お゙す

    レンズの端を通る電子ず光軞を通る電子ずで収束䜍眮がずれる球面収差も問題になりたす光孊レンズでは凞レンズず凹レンズを組み合わせお凞レンズず凹レンズお゙球面収差の 向きが逆球面収差をキャンセルしおいたすが磁界レンズではそれができたせんこれに関しおはSEM開発の歎史で工倫されおきたした

    電子源から発生する電子の密床電子源の茝床を高くするこずで高分解胜を実珟したのがFE-SEM電界攟出型走査電子顕埮鏡です
    SEMで䞀般的に甚いられおいる電子源はWタングステンフィラメントを通電加熱しお熱゚ネルギヌで電子を匕き出す方匏です䞀方電界攟出圢Field Emissionは、宀枩でW単結晶の針の先端に電圧を印加しお匷電界で電子を匕き出したすWフィラメントの玄1000 倍の高茝床が埗られ1 nm以䞋の極めお小さい電子スポット埄を埗られたすFE電子源を動䜜させるには電子銃を10-8 Paの超高真空にする必芁があり専甚の真空ポンプが必芁ずなりたす


    超撥氎性の理論

    物質の衚面は内郚ずは異なる組成構造になっおおり扱いが特別です衚面の原子が内郚に存圚する原子に比べお近接原子やむオンからの匕力や斥力の受け方が䞀様でないこずに起因しおいたす

    䟋えば液䜓衚面の分子は液䜓内郚ず界面の分子からしか分子間力が働かずそれだけでは力が釣り合いたせんそのため倧気偎に匕き合う盞手を求める過剰な゚ネルギヌが存圚しこれが衚面匵力ずなりたすこのずき衚面の分子は力のバランスが厩れ液䜓の衚面積が小さくなるように䞞たろうずしたす぀たり衚面匵力分子間力の倧きさによっお濡れ性が倉化したす

    衚面匵力は単䜍長さの線を匕匵るのに必芁な力mN/mず衚されるのに察しお固䜓の衚面匵力は衚面自由ネ゚ルギヌず呌ばれるこずが倚く単䜍面積の面を広げるのに必芁な゚ネルギヌmJ/m2ず衚珟され衚面の化孊構造に䟝存したす

    固䜓衚面の「濡れ」を評䟡しお比范する方法が接觊角Contact angleを甚いる手法です
    接觊角Ξは固䜓ず液䜓がなす角床のうち液䜓を含む偎を指したす接觊角が倧きいほど撥氎性が高く芪氎性が䜎く特に接觊角が150°以䞊になる堎合を「超撥氎性」ず蚀いたす

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    氎接觊角による撥氎ず超撥氎の定矩

    平滑な固䜓衚面の濡れ性は固䜓ヌ液䜓ヌ気䜓の界面で働く衚面匵力の぀り合いを瀺すYoungの匏が成り立ちたす衚面匵力γのスカラヌ量である衚面界面自由゚ネルギヌの平衡からもYoungの匏を導出可胜です

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    液滎平衡状態における固䜓衚面の濡れずYoungの匏

    ここで液䜓が固䜓に付着する前埌の゚ネルギヌ倉化を考えおみたす
    付着前埌で新しく固䜓ヌ液䜓間の界面が生成しγSLの゚ネルギヌを持぀ようになりたすこの単䜍面積あたりの゚ネルギヌ倉化を蚘述したのがDupreの匏です固䜓ず液䜓を切り離す際に必芁な仕事が付着仕事WAWork of adhesionず定矩されたす

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    Young-Dupreの匏

    衚面の組成だけでなく衚面の粗さも濡れ性に圱響したす
    凞郚の方が呚囲に隣接する分子の数が少ないため安定性が䜎く凹郚の方が凞郚よりは安定性が高くなりたすたた衚面粗さは固䜓ヌ液䜓の接觊面積を倧きくするため濡れ性や接着匷床にも圱響を䞎えたす

    Youngの匏を衚面粗さに察応するように発展させたのがWenzelの匏です粗さによる衚面積の増加によっお固䜓衚面の界面自由゚ネルギヌが倧きくなる考えに基づきたすΞΞ'はそれぞれ平滑面粗い衚面での接觊角の倀r≧1は芋かけの衚面積に察する実際の衚面積の比です
    Wenzelの匏に埓うず平滑面での接觊角がΞ>90°のものは衚面が粗くなるず接觊角が倧きくなるこずがわかりたす逆にΞ<90°のものは衚面が粗くなるず接觊角が小さくなりたす粗さによっお衚面の芪氎性・疎氎性を匷調するこずができるず蚀えたす
    䞀方で粗さが倧きくなるずrが倧きくなりすぎお匏が成り立たなくなるため比范的衚面粗さが小さい堎合でのみ成立したす

    粗さがより倧きくなった堎合rが玄1.7以䞊にはCassie-Baxterの匏が適応できたす固䜓衚面に液滎を着滎させた時に界面の凹郚分に空気を閉じ蟌めお固䜓ず空気の耇合界面になるず考えたす空気䞭で液䜓は接觊角180°になるず仮定し固䜓ヌ液䜓界面ず固䜓ヌ気䜓界面の面積分率を f:(1-f) ずしたす

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    では接觊角が150°以䞊になる「超撥氎性」はどのような条件で達成されるのでしょうか平滑平面での接觊角ず衚面゚ネルギヌずの関係は次のように衚されたす
    ここでΊ≊1最も䜎い衚面゚ネルギヌはCF3末端が䞊んだ衚面で玄6 mJ/m2宀枩付近の氎の衚面゚ネルギヌは72.8 mJ/m2を匏に代入するず接觊角は115.2°になりたす

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    平滑な固䜓衚面においお衚面゚ネルギヌを䜎䞋させるこずで達成できる最倧接觊角は115°で超撥氎性の150°以䞊を達成するには単に衚面゚ネルギヌを䜎䞋させるだけではなく粗さを付䞎する必芁がありたす

    【滑氎性】
    Youngの匏で濡れを評䟡するこずができたすが傟斜した衚面における液滎の流動性は「動的濡れ性」ずしお別に評䟡する必芁がありたす撥氎性接觊角が同皋床でも氎滎の転萜性は異なりたす

    氎平に蚭眮した固䜓の衚面に液滎を乗せお埐々に傟斜させおいくず斜面に察しお液滎の䞋偎ず䞊偎で接觊角が異なりたすそれぞれを前進接觊角advancing contact ange埌退接觊角receding contact anlgeず呌びたすさらに傟斜の角床を倧きくするず液滎は転萜を開始したす液滎が転萜を開始する最小の傟斜角のこずをその液滎の転萜角sliding angleず呌び氎滎の質量や衚面性質に䟝存したす滑氎性の解析に぀いおはFurmidgeの匏が知られおいたす

    前進接觊角ず埌退接觊角の差を甚いお転萜のしにくさを盎接的に比范する指暙が接觊角ヒステリシスcontact angle hysteresisです前進接觊角ず埌退接觊角の差分で衚されたす
    この倀が小さければ氎滎は倧きな倉圢を䌎うこずなく転萜するため転萜しやすい衚面であるず蚀えたす぀たり接觊角ヒステリシスの小さい衚面での液滎の転萜角は小さくなりたす

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    Wenzelの匏が成り立぀堎合衚面粗さが液滎の転萜に察しお抵抗ずしお䜜甚する䞀方Cassieの匏が成立する堎合は閉じ蟌められた空気の寄䞎によっお衚面粗さが倧きくなっお空気の閉じ蟌め量が倧きくなるほど液滎が転萜しやすくなりたす

    接觊角が160°に近い高床な超撥氎性の堎合は転萜角が1°前埌になりCassieの匏が適甚されるようになりたすこの時1°の傟斜では氎滎は回転モヌドで転萜し30°付近の傟斜では滑りモヌドで転萜するこずが確認されおいたす䞀方同じ超撥氎衚面でも接觊角が150°前埌の堎合は転萜角が倧きくなりWenzelの匏の寄䞎が倧きくなりたす

    超撥氎性の理論に関するたずめです

    ・固䜓衚面の「濡れ」は接觊角で比范できる
    ・超撥氎性は接觊角が150°以䞊のものを指す
    ・超撥氎性には化孊的な衚面組成だけではなく物理的な衚面粗さが必須
    ・超撥氎性の堎合接觊角はCassieの匏が成立する
    ・氎滎の転がりやすさ動的濡れ性は「接觊角ヒステリシス」で比范するこずができる

    固䜓衚面の「濡れ」たずめ


    氎接觊角枬定で䜕が分かるのか

    超撥氎性には衚面の組成ず構造の2぀が圱響するこずがわかりたした
    今回のハスの葉には衚面の氎が濡れ広がらずに䞞い氎滎になる超撥氎性ず葉の䞊の氎滎がコロコロ転がる動的撥氎性氎滎陀去性胜が確認できたす

    静止状態での接觊角の枬定は䞀般的にΞ/2法half-angle Methodが甚いられおいたす液滎が球の䞀郚であるこずを前提ずしおおり重力の圱響を無芖できる液滎量で枬定したす液滎の半埄rず高さhを求め䞋匏に代入しお接觊角を求めるこずができたす
    重力倉圢を避けるためには液滎は小さい方が望たしいですが衚面粗さをほずんど無芖するためには衚面粗さのスケヌルに察しお液滎半埄のスケヌルを2桁から3桁倧きくするこずが望たしいずされおいたす
    Ξ/2法では液滎の端点ず頂点を結ぶ盎線ず固䜓衚面の成す角床を求めこれを2倍しおも接觊角を求められたす

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    液滎法

    動的な接觊角の枬定は傟斜面を甚いない拡匵収瞮法Extension/Contraction Methodでも可胜です
    固䜓衚面に接した液滎に液を泚入しお膚らたせたり吞匕しお吞い蟌んだりするこずでその際の端郚が動き出す盎前の接觊角を枬定し前進接觊角ず埌退接觊角を埗たすただしこの手法は固䜓衚面の均䞀さの圱響が倧きく埗られる倀が泚入・吞匕速床に䟝存する堎合があるため枬定条件には泚意が必芁です

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    拡匵瞮小法


    䞀般的な葉の構造

    ハスの葉の構造を芋る前に䞀般的な怍物の葉の衚面に぀いお説明したす

    怍物の葉は階局構造になっおおり衚面は疎氎性の高い「クチクラ」ず呌ばれる脂質膜などに芆われおいたす進化の過皋で怍物が氎䞭から陞䞊に進出した際に圢成されたものず蚀われおいたす
    この構造は怍物䜓内からの氎の損倱を防ぐこずや衚面ぞの氎滎の付着や倖郚から組織の内郚に氎が浞入するこずを防ぐ圹割があるずされおいたすたた怍物が成長する際には組織同士が結合しおしたうこずを防ぐ最滑剀ずしおも働いおいたす

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    䞀般的な葉の断面衚

    最衚面にはC20〜40のアルキル鎖長を持぀脂肪族炭化氎玠で構成されたクチクラ倖ワックスepicuticular waxが結晶や非晶状態で存圚しおいたす身近なずころではブドり衚面の青みがかった膜がこのクチクラ倖ワックスに起因したすワックスは葉によっお0.2100 ÎŒmの倧きさのさたざたな圢状をしおいたす最も䞀般的な圢態は薄膜ず柱状構造などです

    その䞋にクチクラ局cuticle, 英語でキュヌティクルがありたす倚糖類ワックスクチンフェノヌル化合物で構成され葉の衚面からの深さによっお構成物質が異なりたす
    衚面近く「クチクラプロパヌcuticle proper」には倚糖類ヘミセルロヌスが倚く含たれ衚皮の现胞壁近く「クチクラレむダヌcuticle layer」には倚糖類ペクチンが倚く含たれたす
    クチンは゚ステル結合によっお架橋されたC16, C18の鎖長を持぀ヒドロキシル化脂肪酞の有機溶媒䞍溶性ポリマヌでクチクラの構造骚栌ずしお機胜したす
    フェノヌル化合物は桂皮酞フラボノむドフラボノヌルなどですほずんどは UV 光を吞収するこずができクチクラにUV 攟射に察する遮蔜機胜を付䞎しおいたすフェノヌルの空間分垃に応じお UV 反射パタヌンが䜜られ受粉のための昆虫の誘匕力が高たる可胜性がありたす

    クチクラ局の䞋には衚皮现胞pavement cellが䞊んでいお皮によっお長方圢や倚角圢䞍定圢ずいった様々な圢態をずりたす葉の裏偎に倚く芋られるのが孔蟺现胞guard cellで葉緑䜓を含む特殊化した衚皮现胞お゙す䞀察ずなっお気孔を圢成したす毛状突起トラむコヌム, trichomeが芋られる時もありたす

    これらのクチンやワックスの材料は衚皮现胞内郚で炭玠長が短い脂質C16, C18ずしお合成されトランスポヌタヌに䟝存しお现胞倖に運ばれるず考えられたすクチンのポリ゚ステル化は现胞倖で酵玠によっお行われおいるようです


    ハスの葉衚面の階局構造

    ハスの葉は倚局構造により自浄䜜甚self-cleaningを実珟しおいたす衚面の撥氎性ず自己浄化䜜甚ず共に撥氎性や倧きな葉自䜓を雚粒の衝撃から守る耐久性を持ちたす
    これらの特城はハスの葉の「ダブルフラクタル構造」に起因するず蚀われおいたす

    ハスの葉の衚面は3段階の階局構造になっおいたすthree-level sub-mm/micro/nano-structure具䜓的には葉の最衚面に埮小乳頭が集合したmm未満の突起sub-mm papillae衚皮现胞が倉圢した埮小な乳頭突起micropapillaeワックスのナノロッドnano-rodがハむブリットに存圚しおいたす

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    ハスの葉衚面の階局構造むメヌゞ図

    ・ワックス組成による疎氎性 →撥氎性
    ・繰り返しの埮小な突起構造による接觊面積の䜎枛 →撥氎性
    ・突起構造によっお突起先端以倖のワックスが壊れにくい →耐久性
    ・倧きな突起が衝撃や氎滎の重さを緩衝する →耐久性

    葉衚面の階局構造たずめ

    ハスの葉衚面は党䜓的にワックス现管wax tubulesで芆われおいたすこのワックス結晶による埮现な粗さが衚面の超撥氎性の基盀になっおいたすワックス結晶は小板や管状で密集しおいたす疎氎性ワックス結晶間の距離はこの間に氎滎が䟵入するのに必芁な圧力を決定するため密床が高いほど疎氎性になるず考えられたす機械的な衝撃に匱くワックス局の再生には少なくずも数日かかるず蚀われおいたす
    䞀方でハスの葉裏面のワックス結晶のワックス现管は衚面に比べおより長く1〜2 ÎŒmより厚く玄 150 nm倚くの怍物で芋られる兞型的な「ノナコサノヌル现管」nonacosanol tubulesです

    埮小乳頭突起の盎埄は衚皮现胞の盎埄よりもはるかに小さく各乳頭の頂点は楕円圢に根元も曲面なっおいたす面取りされおいるこずによっお応力が分散されるず考えられたす

    mm未満乳頭突起はハスの葉の䞭心郚には少なく瞁に高い密床で分垃し自己浄化䜜甚に倧きく貢献しおいたす今回の芳察で甚いがサンプルは葉の瞁偎であったためmm未満乳頭突起がしっかり芳察できたした
    mm未満乳頭突起は効果的に液滎を持ち䞊げ固䜓/液䜓の接觊面積をさらに枛らすこずができたすハスの葉に氎をかけた際にできる気泡もこの乳頭突起郚分に生じたす
    論文の実隓から蓮の葉の䞭心から端に向かっお高速で噎射した氎に濡れにくくなるこずがわかりたしたたたシミュレヌションによるず埮小な突起のみの衚面は氎圧に構造が壊れおしたったり自重高い衝撃速床たたは衚面匵力の䜎䞋により容易に液䜓がくがみに浞透し衚面を濡らす可胜性がありたすそれに察しお倧きなmm未満乳頭突起があるこずで乳頭間の隙間に氎が完党に浞透するには高い圧力が必芁ずなるこずがわかりたした
    mm未満乳頭突起は埮小乳頭ず組み合わせるこずによっおより高い撥氎性ず氎圧や衝撃に察する耐久性を付䞎しおいるこずがわかりたす

    撥氎性衚面は接觊面積の枛少よりも突起のアスペクト比ず乳頭密床でのみ最適化されるずも蚀われたす


    ハスの葉の内郚構造は2段階の階局構造になっおいたすtwo-level micro/nano-structure

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    ハスの葉内郚の階局構造むメヌゞ図

    䞀般的な怍物では葉の裏偎に気孔があり葉の衚面偎が柵状組織裏面偎が海綿状組織になりたす柵状組織では䞻に光合成海綿状組織では䞻に気䜓吞収が行われたす

    䞀方ハスの葉の内郚には䞭空の䞭間局がありたすhollow sandwich structures生物でよく芋られる構造で倚孔質の界面で応力を䌝達しお䞊面の応力集䞭を軜枛し耐久性を高めおいるず考えられおいたす
    均質な倚孔質䞭間局やグラデヌションに空孔サむズが倉化する傟斜倚孔質䞭間局ずは異なりハスの葉では倧小の空孔がハむブリッドに組み合わさった䞭間局Hybrid porous interlayerになっおいたす

    ハスの葉䞭間局の空孔はmm未満乳頭突起の䞋の穎が埮小乳頭突起の䞋の穎よりも倧きいこずがわかりたすmm未満乳頭突起は先ほども述べたように衚面応力を効果的に軜枛し構造党䜓の柔軟性を向䞊させるこずができたすが荷重がかかるず倧きな応力が発生しやすくなりたす
    衚面に負荷がかかるず最初にmm未満乳頭突起が圱響を受けたす倧きなサむズの穎は応力を䞊面から䞭間局に䌝達し効果的に衚面構造を安定させたす衚面ず䞭間局を統合したこの特別なデザむンは構造の機械的安定性を維持するだけでなく゚ネルギヌ吞収効率も向䞊させおいたす

    たたハスの葉では気孔が葉の衚偎に存圚したすこれは氎生怍物の特城です葉の衚面が氎で芆われおいおも乳頭の谷間にある気孔は固液界面に倧量の空気を蓄えおいるため呌吞するこずができたすそのため衚皮现胞の盎䞋は䞀般的な海面組織のようにガスが通れる構造になっおいたす


    ハスの葉党䜓の構造

    衚面構造が葉の䞭心郚ず瞁で異なるのず同時にハスの葉党䜓の圢状にも自浄䜜甚が働く工倫が芋られたす葉の䞊に乗った氎滎を萜ずすには葉党䜓で転萜角以䞊の傟きが必芁になるためです

    傟斜角がないず汚染された氎や固䜓粒子が蓮の葉の䞭倮の溝に留たるず有害な埮生物が急速に繁殖し蓮の葉の正垞な呌吞や光合成に圱響を䞎え衚面が砎壊され葉の傷みが加速するため自浄䜜甚は必須です

    葉の端を非察称にカヌルさせるこずで斜めの葉を実珟しおいるこずがわかりたした党䜓ずしお䞭心に集たった氎滎が倖に流れ出すような圢になるようになっおいたす


    どうやっおハスの葉の構造ができるか

    ではハスなどの葉衚面で芋られる凹凞はどのように制埡されおいるのでしょうか

    ワックス
    化孊分析ずX 線回折による結晶構造分析によりハスのワックスはノナコサン-10-オヌルnonacosan-10-olがワックス組成物党䜓の16.2 wt%ノナコサンゞオヌルnonacosane-5,10-diol などが64.7 wt%で構成されおいるこずがわかりたした

    画像
    ノナコサン-10-オヌル

    たた構造は自己組織化によっお䜜られるこずがわかっおいたす
    自己組織化を促す因子は5皮類に分類されたすが今回は特に分子間の盞互䜜甚が秩序の䜎い状態溶液䞭の溶解ワックスたたは無秩序な凝集䜓から最終的により秩序のある状態結晶ぞず導くず考えられおいたす

    構造モデルによればワックスは现管状で匷く湟曲しお螺旋状に成長するこずがわかりたした
    真っ盎ぐな長鎖のアルカン分子は通垞平行に集合しお1分子局構造をずり平坊な局ず芏則的な小板状結晶を圢成したす
    䞀方で第二玚アルコヌルノナコサン-10-オヌルを指すずケトンは偎方に酞玠原子OH 基を持っおおりスペヌスを占有するためこれが分子の高密床化を阻害したすしたがっお埗られた局は匷い曲率を持ち円圢の断面を持぀现管を圢成したす極性のOH基は局内に隠されおおりCH3基のみが局ず现管の衚面に珟れたす
    ワックス結晶を人工的に基板䞊で再結晶させワックス結晶成長のリアルタむム AFMむメヌゞングを行い圢成メカニズムが明らかになりたしたワックス现管は小管の長さ方向が成長し始める前にロッドレット前駆䜓が成長しお円圢の现管の基瀎を構築したす
    この圢状はノナコサンゞオヌルの含有量が高いこずで融点が高くなるだけでなく結晶構造が圱響されおいるためず考えられたす

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    ノナコサン-10-オヌル分子ずノナコサンゞオヌル分子の局で構成されるワックス现管のモデルEnsikat, H. J. 2011より

    このタむプのワックス现管は長さが0.53 ÎŒm盎埄が100130 nmほどになるず蚀われおいたす

    長い間クチクラワックスの特城的な圢態ずその分垃パタヌンがどう制埡されおいるのかは議論されおきたした䟋えば现孔の圢成によっお制埡されおいるのかそれずも透過性が高たった特定の領域によっお制埡されおいるのかなどですワックスなどのリポむド化合物はリポむド経路を介しおキュヌティクルを通っお拡散するこずが瀺されおいたすむオンはクチンネットワヌクの極性基で構成された「氎性極性现孔」ず呌ばれる別の方法を通じお拡散したすここに関しおは基瀎知識が足りないため割愛したす


    埮现構造
    撥氎性怍物200皮に察しお怍物衚面の埮现構造特城を調査した文献によるず氞続的に撥氎性のある葉は特城的な凞状から乳頭状の衚皮现胞ず非垞に緻密な゚ピクチクラワックスの局で構成されおいるこずがわかりたした
    撥氎性は草本皮に集䞭しおおり暹朚にはほずんどありたせんさたざたな生息地の䞭でも亜熱垯地域や湿地などに倚く芋られるようです

    非ワックス状の葉からワックス状の葉ぞの移行の明確な䟋がMarsilea muticaデンゞ゜りの仲間ず Myriophyllum brasilienseオオフサモで芋られたしたM. mutica では浮遊する葉にはワックスがなく湿最性がありたしたが氎面から出おくる葉や陞䞊に生える葉は撥氎性でしたMyriophyllum brasiliense では浞氎郚分の葉衚面は滑らかですが空気䞭に出おきた郚分はワックス小板で密に芆われおおり撥氎性がありたした
    このように氎に近い環境かどうかによっお葉衚面の撥氎性が付䞎されるこずがわかりたす

    氎生たたは半氎生怍物の生息地の特城ずしお次が挙げられたす

    ・油性たたは䞡芪媒性物質 → 光合成気孔が遮られる
    ・堆積や飛沫によっお匕き起こされる塵や土壌粒子 → 衚面枩床䞊昇
    ・高湿床病原性埮生物 → 感染
    ・開けた堎所での匷い倪陜光 → UV攟射線など
    ・塩分 → 匷いストレス

    このような環境で生息するために自浄䜜甚が必芁になりたす
    雚が降るたびに衚面がきれいになる撥氎性の衚面を生成するこずで病原菌の発芜に必芁な氎分の付着を劚げ汚染物質を取り陀くこずができたす

    そこで傷぀きやすいワックスだけでなくドヌム状や乳頭状の衚皮现胞があるこずで现胞の先端郚分のみが砎壊され撥氎性胜は倉わりたせんしたがっお撥氎性衚面は損傷を受ける可胜性のある領域を最小限に抑え機胜の維持に䞍可欠な領域が保護されるように最適化されおいるず考えられたす

    むネやダマモガシ目の怍物にも乳頭突起が芋られ研究されおいたす特にダマモガシ目の怍物に぀いおは乳頭突起䞋にある葉肉に䌝わる光の量を枛らすこずによっお光防埡の圹割があるず考えられおいたすたた気孔のすぐ近くにあるこずから気孔呚囲のガス亀換の調節の圹割もあるず蚀われおいたす

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    プラタナスダマモガシ目スズカケノキ科スズカケノキ属の葉衚面のSEM像
    乳頭突起が芋られる


    他の怍物ずの比范

    ハスN. nuciferaはダマモガシ目Protealesハス科Nelumbonaceaeハス属 Nelumboの怍物ですダマモガシ目ずは街路暹によく怍えられるプラタナスやマカダミアナッツの実を぀けるマカダミアなどが属する暹朚の倚い目です
    クチクラがあるこずからも分かるようにハスは進化の過皋で怍物が氎䞭から陞䞊に進出した埌の皮になりたす぀たり陞䞊から氎䞭に生息堎所を倉えた怍物ですこのように元々は氎䞭で生掻しおいた怍物が進化しお陞䞊に䞊がるも再び氎蟺に戻っおきた怍物のこずを氎生怍物aquatic plantsず蚀いたす特に根は氎底にあっお茎や葉花は氎䞊にある氎生怍物を「抜氎性怍物」ず呌びたす

    他の葉のSEM像および氎接觊角を枬定しハスの葉ず比范したした今回は身近に芋られるドクダミずツツゞの葉を採取したした
    ドクダミはモクレン類Magnoliidsコショり目Piperalesドクダミ科Saururaceaeドクダミ属Houttuyniaの怍物ですツツゞはキク類 asteridsツツゞ目Ericalesツツゞ目Ericalesツツゞ目Ericalesの怍物ですハスの近瞁ではないですがどちらもよく芋る怍物かず思いたす

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    ドクダミツツゞハスの写真
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    氎接觊角
    ドクダミツツゞハス

    それぞれの接觊角はドクダミが77°ツツゞが95°ハスが164°ですどの怍物も葉の衚面は疎氎性に近い性質を瀺したした

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    葉衚面のSEM像
    ドクダミツツゞハス

    葉衚面の構造をSEMで芳察しおみるずドクダミは毛状突起が芋られそれ以倖はクチクラの結晶がランダムに䞊び平滑な衚面になっおいるこずがわかりたすツツゞには毛状突起は芋られず衚皮现胞の倖枠郚分がくがんだ衚面が芋られたしたこのパタヌンも葉の衚面疎氎性に効いおいるず考えられおいたす
    このようにハスの葉の衚面構造は独特のものであるこずがわかりたす

    撥氎性で有名なのはバラの花びらです
    花びらに萜ちた氎滎は䞞たっお匟かれたすがハスずは違い花びらが揺れおもなかなか萜ちるこずはありたせん撥氎性を持぀ものの滑氎性は持たず逆に接着性が高いこずがわかりたすこれは「Petal Effectペタル効果花匁効果」ず呌ばれおいたす

    画像
    バラの花今回芳察した皮類の写真ではない

    ここで採取しおきたバラの花匁をSEMで芳察しおみたす

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    バラの花びら衚面のSEM像
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    バラの花びら裏面のSEM像

    バラの花匁はハスの葉衚面よりも突起構造が小さく密にシワが芋られるため超撥氎性の理論で玹介したWenzelの匏が適応される堎合ず考えられたすWenzelの匏が適応される堎合は衚面粗さが液滎の転萜に察しお抵抗ずしお䜜甚するこずから転萜角が倧きくなる぀たり氎滎が滑りにくくなっお葉に察しおの氎滎の接着性が良くなるず説明できたす

    ハスの葉ず同様に花匁の裏ず衚で構造が倧きく違うのは興味深いです

    䜙談ですがブロッコリヌの぀がみでも撥氎を確かめられるようですハスず同様に「衚面のでこがこ」ず「油脂によるコヌティング」が倧事らしいずのこず


    身の回りの応甚

    ペヌグルトの蓋裏

    ロヌタス効果の応甚で特に有名なのはペヌグルトの蓋裏でしょうさたざたなペヌグルトの蓋裏の構造ず撥氎性を確認したした

    特にビヒダスの4ポットペヌグルトでは「TOYAL LOTUS®」が甚いられおいるこずがわかりたす䞀般的なペヌグルトの蓋材はPETフィルム / 印刷 / 接着剀 / アルミ箔 / アンカヌコヌト剀 / ポリ゚チレンコヌト / ホットメルトから構成されおいたすこのホットメルト衚面にフラクタル構造を付䞎しお撥氎性を実珟しおいたす

    たた衚面が平滑だったペヌグルトの蓋にはペヌグルトがくっ぀き埮现構造による撥氎性が感じられたした

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    4ポットペヌグルト
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    4ポットペヌグルト蓋裏のSEM像

    400gのプレヌンペヌグルトでも蓋裏を芳察したした
    こちらの堎合は埮粒子による構造的な突起ではなくパタヌン化された凞面が抌し出されおいるのがわかりたす

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    400gのプレヌンペヌグルト蓋裏ずそのSEM像

    他にやっおみたいなず思っおいるのは以䞋です

    • カップ麺やカップスヌプなどの蓋裏の芳察

    • 人工的な埮现凹凞コヌティングの実隓および研究のリサヌチ

    • FLOATUSブランドの傘の芳察



    動画

    ここたでの内容ダむゞェスト動画です
    https://youtu.be/YeGK9CHa8w0


    参考文献

    1. 怍物Q&A クチクラの由来
      https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=4708

    2. 葉の衚面構造ず撥氎性の発珟機構ヌむネの葉における埮现構造ずロヌタス効果ヌ
      https://bsj.or.jp/jpn/general/bsj-review/BSJ_Review6B_102-111.pdf

    3. 生物の倚様性に孊ぶ 新䞖代バむオミメティック材料技術の新朮流
      https://core.ac.uk/download/pdf/236666255.pdf

    4. Probing the Molecular Structure and Orientation of the Leaf Surface of Brassica oleracea L. by Polarization Modulation-Infrared Reflection-Absorption Spectroscopy
      https://doi.org/10.1093/pcp/pcz063

    5. The biophysical design of plant cuticles: an overview
      https://nph.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1469-8137.2010.03553.x

    6. The Complex Architecture of Plant Cuticles and Its Relation to Multiple Biological Functions
      https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpls.2021.782773/full

    7. Superhydrophobicity in perfection: the outstanding properties of the lotus leaf
      https://doi.org/10.3762/bjnano.2.19

    8. Chemistry and Crystal Growth of Plant Wax Tubules of Lotus (Nelumbo nucifera) and Nasturtium (Tropaeolum majus) Leaves on Technical Substrates
      https://doi.org/10.1021/cg060035w

    9. The hydrophobic coatings of plant surfaces: Epicuticular wax crystals and their morphologies, crystallinity and molecular self-assembly
      https://doi.org/10.1016/j.micron.2007.11.010

    10. A critical review on robust self-cleaning properties of lotus leaf
      https://doi.org/10.1039/D2SM01521H

    11. Design of flexible multi-level topography for enhancing mechanical property
      https://doi.org/10.1002/nano.202000203

    12. Robust Anti-Icing Performance of a Flexible Superhydrophobic Surface
      https://doi.org/10.1002/adma.201602480

    13. Hybrid Topography of Lotus Leaf under Hydrostatic/Hydrodynamic Pressure
      https://doi.org/10.1002/admi.202202044

    14. Design of a flexible surface/interlayer for packaging
      https://doi.org/10.1039/D1SM01799C

    15. Characterisation and distribution of water‐repellent, self‐cleaning plant surfaces
      https://doi.org/10.1006/anbo.1997.0400

    16. Rice Stomatal Mega-Papillae Restrict Water Loss and Pathogen Entry
      https://doi.org/10.3389/fpls.2021.677839

    17. Solar radiation as a factor in the evolution of scleromorphic leaf anatomy in Proteaceae
      https://doi.org/10.3732/ajb.92.5.789

    18. 西川浩之「ペヌグルトが付着しない包装材料のはっ氎衚面の開発」2016幎
      https://www.jstage.jst.go.jp/article/sfj/67/9/67_482/_pdf/-char/ja


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    工孊系倧孊院生の倖郚蚘憶装眮。 面癜いものを芋぀けるず詊さずにはいられない。黄色いあひるがトレヌドマヌク。材料研究、孊生ロボコン、広報、本郷キャンパスの話が倚いです。 https://sites.google.com/view/rikoko-duck

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