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言葉に救われた20代。― 伊坂幸太郎『重力ピエロ』を読んだ日々 ―

    20代の私は、いつも何かと闘っていました。
    仕事、恋愛、将来、そして自分自身。
    まっすぐに生きたいと思いながらも、
    うまくいかない現実に何度もぶつかっていた時期です。

    そんな頃、出会ったのが伊坂幸太郎さんの小説でした。

    『チルドレン』に夢中になり、
    登場人物・陣内のように
    「世界をちょっと面白く変えてみたい」と本気で思い。
    気づけば、家庭裁判所調査官という職業を目指していたほどです。
    ――結局、その夢は叶わなかったけれど。

    それでも、伊坂さんの言葉は、ずっと私の中に生き続けています。

    一等好きな作品は、『重力ピエロ』。
    「春が二階から落ちてきた。」
    その一文で始まる物語に、私は何度も心を救われました。

    家族の痛みや過去の傷を抱えながらも、
    「それでも生きていく」登場人物たち。
    伊坂さんの世界には、
    希望が“上から降ってくる”のではなく、
    自分の内側からそっと湧き上がってくるような優しさがありました。

    病と向き合っていた20代後半、
    私はあの小説を何度も読み返しました。

    「大丈夫。人生は、こんなにも不完全で、それでも美しい。」
    そんなメッセージを受け取るたび、
    胸の奥の痛みが少しずつほどけていくようでした。

    生きることは、時に不条理で、時に切ない。
    でも、どこかに“面白い”が隠れている。
    そう信じられるようになって。

    伊坂さんの小説でしばしば顔を出すものたちにも、興味が広がりました。
    音楽でいえばボブ・ディラン。
    哲学でいえばニーチェ。
    彼の作品を通して、世界の見方そのものが少しずつ変わっていったのです。

    ――「生きるって、面白い。」
    そう思えるようになったのは、きっとこの本のおかげ。

    喜木 拝


    #本田健 さんの#ハッピーライティングマラソン第7回のお題によせて綴りました。
    20代の私を支えてくれたのは、伊坂幸太郎さんの小説たち。
    希望が見えなくても、生きていけるような気がしたのです。

    本との出会いには、きっと“タイミング”があります。
    「言葉に救われる」瞬間、あなたにもそんな一冊はありますか?
    よければ、コメントで教えてください🌿

    ここまで、お読みいただきありがとうございます💖

    第1回はこちら👇


    前回の「十代のころに読んだ本」について綴った第6回はこちら👇



     
     
    本が好きなのに、今は読めないあなたへ。 本とことばで、忙しい毎日に小さな余白を届けます。 図書館司書/4歳娘の母/ブックシェアコーディネーター。 メンバーシップ「凛のことのはライブラリー」運営中。

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