
止まったら死ぬ、みたいに考えてしまう。
私は昔から、頭の中でぐるぐると考えてしまう。
あの言葉はどういう意味だったのか。
別のやり方のほうがよかったのではないか。
まだ起きてもいないことまで、止まったら死ぬマグロのように考え続ける。
考えることで見つけられたものもある。
本を読み、言葉を書き、人の気持ちを想像する今の私も、この癖からできているのだと思う。
けれど、娘といると、考えている暇がない。
突然泣く。
予想外のことを言う。
こちらの段取りなんておかまいなしに、次の出来事がやってくる。
考え抜いてから動く余裕はなく、とりあえずやってみる。
そして、ときどき「しまった」と思う。
それでも、案外どうにかなる。
完璧な答えを用意していなくても、一日は過ぎていく。
間違えたら謝ればいいし、うまくいかなければ、次に少し変えればいい。
娘と暮らすうちに、私はようやく知りはじめた。
人生は、そこまで考えなくても進んでいく。
止まっても、私は死なない。
むしろ、少し力を抜いたときに生まれる余白から、思いがけない言葉やアイデアがやってくることもある。
ずっと変わらない私の癖。
きっと、これからも私は考えすぎる。
でも、ときどきは思い出したい。
考え抜かなくても、案外どうにかなる。
それくらいのゆとりを、心の中に残しておきたい。
喜木 拝
#66週ライラン
「ずっと変わらない私の癖」
