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Photo bymi_do_green8

石橋を叩いて、壊してしまう。

    誰にも見せていない私。

    ……というより、見せたくない私がいる。

    最近、自分は思っていた以上にプライドが高いのかもしれない、と思う。

    失敗することが怖い。

    正確には、失敗そのものよりも、失敗した自分を誰かに見られることが、ものすごく恥ずかしいのかもしれない。

    だから、いつも最悪のパターンを考える。

    こうなったらどうしよう。
    嫌われたらどうしよう。
    失敗したらどうしよう。
    恥をかいたらどうしよう。

    たぶん、その九割くらいは起こらない。

    それでも先回りして、何度も頭の中で失敗しておく。

    そうすれば、本当に何か起きたとき、

    「思っていたより悪くなかった」

    と思えるから。

    傷つかないための予行演習なのかもしれない。

    私は昔から、石橋を叩いて渡るタイプだと思っていた。

    慎重に確かめて、危なくないとわかってから進む。

    それは悪いことではない。

    でも最近は、少し違う気がしている。

    石橋を叩く。

    まだ叩く。

    念のため、もう一度叩く。

    「ここ、ちょっとヒビが入ってない?」

    「やっぱり危ないんじゃない?」

    そうやって心配しているうちに、

    渡りきる前に、自分で橋を壊しはじめている。

    そんなことが、案外ある。

    失敗するくらいなら、挑戦しない。

    傷つくくらいなら、先に諦める。

    うまくいかなくなるかもしれないから、自分から距離をとる。

    それなら「失敗した私」を、誰にも見られずに済む。

    でも、それは少しもったいない。

    最近、自分の中の「汚いジャイアン」について考えたばかりだから、余計にそう思うのかもしれない。

    格好悪い私もいる。

    嫉妬する私も、意地を張る私も、失敗して顔から火が出るほど恥ずかしくなる私もいる。

    たぶん、それをもう少し見せても大丈夫なのだ。

    九割起こらないことを心配して、橋を壊してしまうくらいなら。

    多少ぐらぐらしていても、渡ってみたい。

    落ちたら、そのとき考えればいい。

    誰にも見せていない私は、

    案外、格好悪い。

    でも最近は、

    格好悪いまま橋を渡れる人のほうが、ずっと格好いいのかもしれない。

    そんなことを思っている。

    喜木 拝


    #66週ライラン
    「誰にも見せていない私」


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    ヤスさんの「66週ライラン」お題で綴りました。
     
     
    本が好きなのに、今は読めないあなたへ。 本とことばで、忙しい毎日に小さな余白を届けます。 図書館司書/4歳娘の母/ブックシェアコーディネーター。 メンバーシップ「凛のことのはライブラリー」運営中。

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