
家族のバランスをとっている。
私がいちばん無理している場所。
もしかすると、家の中なのかもしれない。
夫と、4歳の娘と、私。
家族3人で出かけるのは楽しい。
一緒にごはんを食べて、笑って、くだらない話をする時間も好きだ。
それでも、ときどき思う。
三角形って、案外むずかしい。
娘が私に甘えてくる。
「ママがいい」
そんな日は、夫が少し寂しそうに見える。
反対に、娘と夫が楽しそうに盛り上がっていると、私はほっとする一方で、ほんの少しだけ置いていかれたような気持ちになることもある。
誰かが機嫌を損ねれば、もうひとりの気持ちを考える。
娘が怒れば、
「パパもこういう気持ちだったんじゃないかな」
と説明する。
夫が疲れていれば、
「まだ4歳だからね」
と娘の側を説明する。
気づけば私は、いつも通訳をしている。
娘の気持ちを夫に伝えて、
夫の気持ちを娘に伝えて。
どちらか一方の味方になりすぎないように、三角形が傾かないように。
たぶん私は、家族の真ん中で、ずっとバランスを取ろうとしている。
もちろん、それが嫌なわけではない。
大切だから、うまくやりたいのだ。
夫のことも大切。
娘のことも大切。
だからこそ、どちらにも寂しい思いをさせたくない。
でも、家族なのだから、いつもきれいな三角形でいなくてもいいのかもしれない。
今日は娘と私がべったりでもいい。
明日は夫と娘がふたりで笑っていてもいい。
私と夫だけで話す時間があってもいい。
三人がいつも同じ距離にいる必要なんてない。
近づいたり、離れたり。
その日の気分や成長によって、形が変わっていく。
それでも、家族であることは変わらない。
私はたぶん、「みんなが楽しくいられるように」と頑張りすぎる。
でも、私までずっと調整役でいなくてもいい。
三角形が少しくらい歪んでも、家族は壊れない。
そんなふうに思えたら、
家の中でも、もう少し力を抜ける気がしている。
喜木 拝
#66週ライラン
「私がいちばん無理している場所」
