
きみの「なぜ?」に、わたしはまだ答えられない
「たんぽぽは、夜ねんねしているのに、
ピンクのお花は、なんでねんねしないの?」
夕方の帰り道。
小さな手をにぎって歩いていたとき、ふいに聞かれた。
わたしの手は一瞬とまって、答えに迷った。
きみが見ていたのは、つつじよりもひとまわり大きな、
ピンク色のお花。
昼間と変わらず、しっかりと開いて咲いていた。
たんぽぽは、夜になるとそっと花びらをたたむ。
それを「おやすみしてるんだね」と覚えたきみは、
どうしてこの花だけが“ねんねしない”のか、不思議だったんだね。
わたしの頭の中には、理科の知識のようなものがぼんやり浮かんだけれど、
すぐには言葉にならなかった。
「うーん……ピンクのお花は、たぶん、夜でも元気なんだね」
そう答えたら、きみは「ふーん」と言って、次の虫を追いかけていった。
正しい答えよりも、
きみが見つけた“ちいさな違和感”を、
すぐに埋めてしまわなくてもいいと思った。
わからないことは、わからないままで。
ことばにできない問いは、
きみの中でずっと発酵していくのかもしれない。
夜になっても開いているピンクのお花の名前を、
きみといっしょに、いつか調べてみようね。
でも、いまはまだ、
「ねんねしないお花」のままでも、いいかなって思ってる。
🌱子どもの「なんでなんで」攻撃に、参りつつも、楽しみたくて。
あなたの「なんで?」エピソードも、ぜひ教えてくださいね。
喜木 拝
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