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この本、読んで!が言えた日。

    こんばんは。
    本日は、プレ幼稚園の日でした。

    母子分離の時間になっても、娘は私の膝から離れようとしません。
    「ママ、この本読んで!」と、目をうるうるさせながら、ぎゅっと絵本を抱えていて。

    その姿を見て、少しだけ心が揺れました。
    「いつかは離れるものだから、今じゃなくてもいいのかも」―
    つい、そんな甘さが顔をのぞかせてしまいます。


    「読んで」と言えた、その一言の重み

    思えば、娘がはじめて「この本、読んで!」と言った日のことは、今でもよく覚えています。

    それまでは、ただ黙って絵本を差し出すだけだったのに、
    その日は、自分の言葉で気持ちを伝えてくれました。

    嬉しかった。
    その一言が、あまりにも愛おしくて、胸がふるえたのを覚えています。


    くり返し読むって、こんなにも尊い

    読み聞かせの日々は、正直、同じことのくり返しです。
    何度も同じ本を読まされて、声が枯れることもあるし、
    「またこれ?」と、心の中でつぶやいてしまう日もあります。

    けれど、あの日の「読んで!」は、
    そんな日々の積み重ねが、ちゃんと形になっていた証。

    絵本の言葉を覚え、自分なりの言葉で伝えてくれる娘。
    読むことと話すことが、そっと手を取り合ったような瞬間でした。


    「読んでもらう」から、「伝える」へ

    子どもが「よんで」と言えるようになるのは、
    「気持ちを伝えるって、うれしいことなんだ」と知った合図なのかもしれません。

    「このページがすき」
    「この音がたのしい」
    「このキャラクター、わたしみたい」

    そんな思いが、少しずつ、言葉になっていく。
    読み聞かせは、ことばの種をまいて、芽が伸びるのを見守る時間ですね。


    この一言を、忘れないように

    「このほん、よんで!」

    たった一言。されど一言。
    そのひとことに込められた、小さな勇気と、大きな愛しさ。

    私はきっと、この先もずっと覚えていると思います。
    そのときの声のトーン、絵本の重さ、差し出された小さな手のぬくもりも。

    子どもの成長って、本当にあっという間ですね。
    だからこそ、こんな一瞬を、大切に心にとどめておきたい。

    また明日も、読もうね。

    喜木 拝

     
     
    本が好きなのに、今は読めないあなたへ。 本とことばで、忙しい毎日に小さな余白を届けます。 図書館司書/4歳娘の母/ブックシェアコーディネーター。 メンバーシップ「凛のことのはライブラリー」運営中。

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