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たった1行の"远䌞"で、急に打ち解けた話


    「盞手ず仲良くなるっお、仕事でも倧事なこずなんだよ」

    新入瀟員だったころ、䞊叞が教えおくれたこずが今でも胞に残っおいる。



    「もし人の胜力が同じだったら、どうする」


    䞊叞の蚀葉に、はっずさせられた。

    「仕事盞手のAさんずBさん。Aさんずあなたは仲が良く、Bさんずはあたり。二人の胜力が同じなら、組みたいのはどっち」

    「Aさん  ですね」

    「そうでしょ」

    圌女はそう蚀っおほほ笑んだ。わたしの憧れの人だった。
    30代前半にしお圹職を持っおいた盎属の䞊叞。仕事はずおも䞁寧でスピヌディヌ。い぀も呚りを芋おいる。苊蚀を呈するずきも、盞手を嫌な気持ちにさせない  。

    「雑談にはね、意味があるの。すごく仕事しやすくなるんだよ。”遞ばれる自分”になるためにも倧切なこずなんだよ」

    今考えるず、䞊叞なりにやんわりず泚意しおくれおいたのだず思う。
    その職堎は”ノリ”のいい人が倚くお、人芋知りで堅物のわたしは浮いおいたからだ。


    事務仕事はわたしに向いおいた。
    ちたちた衚を䜜るのも、マニュアルにたずめるのも、ツヌルの䜿い方やExcel関数を孊ぶのも倧奜き 集蚈のような地味な䜜業も苊にならない。

    そんなわたしに圌女は「あなたのいいずころは、人がいやがる地味な䜜業も笑顔で受けるずころだよ」ず蚀っおくれた。

    圓時は「圓たり前では  」ず思っおいたけれど、瀟䌚人生掻が長くなるに぀れ、地味な䜜業を敬遠しお抌し぀けあったり、䞊叞に嫌な顔をしお芋せる人がいるこずも知るこずになる。


    仕事で意芋を蚀うこずや、電話は、──苊手。でも、できないこずはなかった。

    極端に苊手だったのが、”仕事以倖”の話だ。

    話すのが䞋手なのだ。わたしの話を聞いおも぀たらないだろうなず躊躇しおしたう。聞き返されるのも怖い。盞手に䜕をどこたで聞いおもいいのだろうず䞍安になり、結局人ずなりがわからないたた  。

    そうしお少しず぀、距離が開いおいった。



    远䌞欄が倉わったら、仕事がしやすくなった


    フリヌで仕事をするようになっお、10幎近くになる。
    憧れの䞊叞のようにバリバリ働いおみたいず思っおいた時代もあったが、人間関係で疲れおしたい、そういう未来は蚪れなかった。いわゆる”寿退瀟”をし、それからしばらくパヌトをしたのちにフリヌになった。


    いたは生掻実甚曞の著者をしおいる。

    著者  なのだけれど、じ぀は、䟝頌をいただくお仕事はかなり倚岐にわたる。たずえば手垳やカレンダヌ、アプリなどのプロデュヌス。雑誌の監修。取材しおいただくこずもある。

    ほずんどは単発の䟝頌。
    ほんの数回のやりずりで終わっおしたう。

    そんな関係性のなかで"仕事に関係のないこず" を聞くのは躊躇われた。やわらかい蚀い回しになるよう気を぀けるけれど、仕事以倖の文蚀が䞀切ない無機質なメヌルしか曞かなくなったのはい぀からだろう。


    そんな䞭、長幎、継続的に携わらせおもらっおいるお仕事がある。

    コラムの定期連茉だ。

    さたざたな媒䜓で曞かせおもらっおきた。いずれも連茉の堎合は基本的に決たった担圓線集さんが぀いおくれお、同じ方ず幎単䜍で個別にやりずりをしおいく。

    その䞭で、ある出来事をきっかけに、今たでよりさらにお仕事がスムヌズに進むようになった担圓線集さんがいる。


    远䌞、どちらの出身ですか


    たしか、倏䌑みが近づいおきたころのこずだったず思う。

    担圓線集さんずの付き合いは、すでに数幎になっおいた。普段からずおも䞁寧に接しおくれる方だ。

    その日、わたしは、こんな感じのメヌルを曞いた。

    『事前に玍品させおいただく・月分の蚘事です。い぀もお手数をおかけしたす』

    普段、ワンオペで育児ず家事をしおいる。保育園や預かり、孊童の利甚もしおいない。倏䌑みは確実に玍品できるように、䟋幎、前倒しでヶ月分を執筆させおもらっおいる。

    ふず思い立っお、最埌に䞀文付け加えた。

    『远䌞、そういえば、◯◯さんはどちらのご出身なんですか』

    前のメヌルの远䌞で、倏䌑みの垰省の話があったからだ。

    でもそれは、時候の挚拶のような䞖間話的な感じで。だから、少し勇気が必芁だった。

    プラむベヌトなこずを聞いおもいいのだろうかず迷った。
    䞀床消しお、もう䞀床打ち盎しお、それから、思い切っお送信ボタンを抌した。



    返信を芋お、わたしが叫んだ理由


    返っおきたメヌルを芋お、わたしは思わず「えヌ」ず叫んだ。

    同郷だった。


    その埌、メヌルの远䌞を通しお䜕床かやりずりをした結果、驚くべきこずがわかった。

    担圓線集さんずわたしは、同じ孊校に通っおいたのだ。

    ふるさずを離れお䜕幎も経぀が、同郷だけど垂町村は違う  みたいな出䌚いしかなかった。そんな䞭で、近いどころか、同じ孊校に通っおいた。奇跡みたいな出来事だった。

    わたしは䞀気に担圓線集さんのこずが倧奜きになっおしたった。それは、それたですでに持っおいた仕事盞手ずしおの信頌を䞀気に䞊曞きしおいった。


    やがお、远䌞欄に最近の”故郷”ネタが加わった。

    远䌞、
    この間垰青したら、空枯の䞭にむギリストヌストの自販機があったんです。嚘が倧奜きで。䞉぀も買っおしたいたした。

    あるずきわたしが曞いた远䌞欄を思い出しながら。


    圓時、わたしは東京を離れ、ふるさずからさらに遠く離れた四囜ぞず匕っ越したばかりだった。ずにかく孀独だった。家族以倖ずの䌚話がないのだ。

    コロナ犍でママ友を぀くる機䌚に恵たれなかったのが倧きいのだず思う。本圓にびっくりするくらい誰ずもしゃべる機䌚がなかった。

    そんな䞭で、地元の話をできるこずに感動した。


    远䌞欄を掻甚したものの  


    この出来事がきっかけで、わたしはさたざたなメヌルで「远䌞」欄を掻甚するようにした。

    盞手ぞのちょっずしたひずこずを添えるようになったのだ。

    けれどもある日、ふず、心配になった。負担になっおいないだろうか、ず。

    ずいうのも、過去においねいすぎるがゆえに返信するのが億劫になっおしたったケヌスがあったのだ。

    その人はずおも玠敵な人だった。メヌルのあらゆる堎所に気遣いが芋られた。定型文をコピペしたようなものではなく、血が通った返信が届く。

    ただ、そう感じるのは毎回の远䌞欄が理由だった。SNSの぀ぶやき個分くらいの、長めの远䌞だ。空癜行が挿入されおいるので読みやすい。内容も、わたしのSNSを芋お曞いおくれおいるのだろうなず䌝わる、柔らかく優しい内容だった。


    でも、急いでいるずき、そのメヌルの返信は滞った。
    远䌞欄をよく読み蟌んで、そうしおその返信を考えなければいけなかったからだ。

    圓時の経隓から、远䌞欄を曞くずきにいく぀か気を぀けおいるこずがある。


    なるべくシンプルに答えられる質問を遞ぶ

    䟋
    远䌞、䞉連䌑は◯◯ぞ行く予定です。たた火曜日からよろしくお願い臎したす。

    答えなくおも困らないような内容にする。たずえばこのずきに「☓☓さんはどこか行かれたすか」だず、盞手に”考える時間”が生たれおしたうず思ったのだ。
    だから、話したいなら話せお、話したくないならスルヌできるように曞くようにしおいる。

    自己開瀺をしお仕事の内容に぀なげるのがやっおみおよかったもの。


    50字前埌を目安に


    远䌞欄は雑談の堎所だ。だからこそ長くならないように気を぀けるようになった。目安は50字前埌。

    先ほどの远䌞欄はこちらだけれど、

    䟋
    远䌞、䞉連䌑は◯◯ぞ行く予定です。たた火曜日からよろしくお願い臎したす。

    もしこうだったら、読みづらいず思うのだ。

    䟋
    远䌞、䞉連䌑は◯◯ぞ行く予定です。◯◯が有名で気になっおるんですよヌ ☓☓さんはどこか行かれたすかたた火曜日からよろしくお願い臎したす。


    読みやすさを倧事に蚭蚈する


    わたしはメヌル返信があたり埗意ではない。どうしおなのだろう ず考えおみたら、意倖なずころに理由があった。それは「䜕床も読み返す」のが苊手だずいうこず。

    届いたずきにぱっず芋お、すぐにわからなかったり、耇雑な内容だったりするず、きちんずしたかたちで返信できるたでに時間がかかる。

    远䌞が長めになっおしたった時代もあるものの、すこしず぀詊行錯誀をかさね、今はこんなこずを意識しおいる。

    ・远䌞テヌマ
    ・質問よりも情報提䟛
    ・センテンスが短い堎所を぀くる
    ・空癜行を倚めに挿入する

    メヌル党䜓にも蚀えるこずだけれど、芪切蚭蚈が互いのコミュニケヌションをらくにしおくれるず思っおいる。


    仲良くなったら、仕事がもっずもっずスムヌズになった。


    心の距離がすこし瞮たるず、驚くほど仕事は進めやすくなった。

    特に倧きな倉化は、わたしのレスポンスが速くなったこず。

    それたでのわたしは、ずにかく「きちんずした䞁寧なメヌルを」ず意気蟌んでいた。

    それには理由がある。


    以前、別な方ずメヌルのやりずりをしおいたずきのこずだ。

    出先で急いでメヌルを送ったら「なにかご䞍快なこずがありたしたか  」ず聞かれたこずがあった。

    事務的な内容だけ送ったずころ、怒っおいるように芋えおしたったらしい。

    ふだん、メヌルを打ったあずは、䜕床か芋盎しをしお、蚀い回しをやわらかく調敎しおいるのだけれど、それをしなかったせいだろう。

    出先で返信するのをやめおいた。


    少し仲良くなれたこずで、急ぎ返信するハヌドルはぐんず䞋がった。

    事務的な内容でも、少し砕けた蚀い回しにしたり、「」を䜿ったり、远䌞の䞀郚ぞのお返事を組み蟌んでみる。

    するず、事務的な感じが䞎える「怖さ」が取れたように芋える。


    ずはいえこの工倫は、たずえば付き合いの浅い方や、単発のご䟝頌ではむずかしいこずだ。


    仲良くなったら、”倱敗”ず”感情”のバランスが倉わる


    さらに、仲良くなるず、もうひず぀倉化があるず考えおいる。
    ”倱敗”を蚱せる範囲が広がるずいうこず──。

    正瀟員、パヌト、フリヌずさたざたな働き方をしおきた。

    その䞭で、すごくわたしぞの圓たりが匷く、しかも返信も毎回催促するたでもらえない方に出䌚ったこずがある。

    蚀い方があたりにも匷く、しかも理䞍尜だったので、こちらも倚少は厳しい口調にならざるを埗なかった。

    お互いに関係性がよくなかったず思う。


    その方は、わたしの”倱敗”にずおも厳しかった。

    ふだん、わたしが送ったメヌルぞの返信は遅かったり、そもそも䜕床か連絡しないずもらえなかったりしたのだけれど  。

    たった䞀床だけわたしがお返事を倱念しおいたら、ずおも厳しく叱責されたのだ。


    もし関係性がよかったずしたら、䞀床の返信遅れにいくらなんでもあそこたで怒られるこずはなかったのでは、ず考えおいる。

    ずいうのも、重芁な件や急ぎの話ではたったくなかった。そもそも向こうからのメヌルもい぀も返っおこないのだから  。

    人栌吊定のような蚀葉が続き、わたしはこの仕事を蟞めるかどうか真剣に考えるこずになった。


    結局、悩んでいるうちにその人が䌚瀟から去った。
    わたしが蟞めるこずはなく、気持ちよく仕事をできる環境に倉わっおいった。

    その人ず仕事をしなくおもいいずわかったずき、ほっずした。でも、これたでお䞖話になったず感謝は䌝えた。

    そのメヌルにも、返信はなかった──。



    わたしが反省しおいるこず


    䞀床「嫌だ」ずいう気持ちを持っおしたうず、盞手の嫌なずころばかりが目に぀いおしたう。

    だから、小さなミスだったり、たった䞀床の倱敗が、「ずおも重芁な過倱」のように芋えおしたうのかもしれない。


    それに、昚今はメヌルや電話だけでのやりずりも倚く、盞手が”同じ人間だ”ずいうこずも芋えにくくなっおいる。
    あの人からするず、わたしはパ゜コンの向こうの、”人工知胜のような人間ではない存圚”だったのかもしれない。

    でもそれは、わたし自身にもいえるこずだ。”自分を攻撃しおくるロボット”のように思っおいなかっただろうか。
    「たたどうせ返信は遅いのだろうな」ずか「厳しいこずを蚀われるのだろうな」ずか、頭のなかにはい぀でももやもやしたものが枊巻いおいお、その人自身を芋ようずしたこずはなかったのではないか。


    わたしが少し歩み寄っおいたら、もうすこし良い関係性を築けたかもしれない。そう反省しおいる。



    この文章を曞いお、はっずした。
    いた、いろいろお仕事させおもらっおいる盞手ず、わたしは少しでも仲良くできおいるだろうか

    お仕事を劚げない皋床になら、執筆に関係のない質問をしおみおもいいだろうか──。

    たずえば、この間の台颚のこずだずか。そんな圓たり障りのない話題を、少し探しおみるのもいいかもしれない。



    远䌞、読んでくださったあなたぞ。
    あなたの出身地はどこですか 教えおもらえたらうれしいです。


     
     
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