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Photo byayumu11

プールは泳ぐためにあるのだ

    私はプールが嫌いだ。
    I hate swimming pools.

    思わず2回言ってしまった。

    海はいい。砂浜で貝殻も拾えるし、防波堤から釣りもできる。
    何なら、寄せては返す波を見るためだけに、山奥から数時間かけて海に行ったことがあるくらいだ。

    でも、プールには足が埋もれるサラサラの砂も、ちょっとグロテスクな魚も、永遠に見ていられそうな潮の満ち引きもない。

    なぜならプールは泳ぐためだけに造られたものだからだ。

    何を隠そう、私は泳げない。
    足も速かったし、ジャンプも得意だったが、水泳だけは昔から苦手だった。

    私の通っていた小学校は、「25メートル泳げたら、水泳帽子が白になる(もともとは赤)」という謎のルールがあって、早い子は3年生で白帽に華麗なる変身を遂げていた。

    そんな中、私は4年生になっても、5年生になっても、赤帽のままだった。その時点で赤帽の子は1割ほど。

    サンタクロースならぬ、赤っ恥のトナカイである。

    そんな私も、ほかの赤帽仲間と特別授業を受け、夏の終わりには無事赤帽を卒業。6年生は深刻な水不足で、水泳の授業がなくなるという幸運に恵まれた。

    その後、「漫画に出てくるような、私立の女子校にいきたい!」という、なんとも単純な憧れで、名古屋の女子中に進学した私。
    お嬢様学校と言われるその中学には、屋上にプールが設置されていた。

    青く広がる空の下、女子だらけのプールに飛び込む。
    メッシュの白帽からビニールキャップにグレードアップしたものの、肝心の泳力はアップデートされず。
    むしろ1年のブランクを経て退化しており、これまた、特別授業を受けることになった。

    プールの隅っこで、少人数での特別授業。
    キャッキャという声が響く中、プールサイドに手をかけ、必死にバタ足を繰り返す。

    「泳げるようになりたい」なんて気持ちは0.1%もないものだから、やる気も向上心もなく、体育の成績は10段階評価で3だった。


    あれから20年以上経つが、40を過ぎた今でも、相変わらず泳げないままだ。プールにもいかないし、何なら水着すら持っていない。

    でもひそかに、「プール付きのリゾートホテルに泊まりたいな」なんて思ってる。

    プールサイドでカクテル片手に、セレブ気分を味わいたいだけだけど。


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