
【SF掌編】信じていた嘘⌇拝啓文芸部
ぼくは、天使だった。
そう呼ばれていたから、
当たり前にそうだと
信じていた。
白い翼で空を舞い、
人々の祈りを聞き、
人類の始祖として崇められた。
ある日、研究施設で
製造記録を見つけた。
《兵器番号:002》
そこには、
人類を創るために造られた、
生体兵器の記録が残されていた。
何日かにわたって、
貪るように読んだ。
その日も、
研究施設に行った。
カタッ。
物音がした。
振り返る。
その瞬間。
紅い花びらが舞った。
───自分の胸から。
最後に見えたのは、
引き金をひいた人間の、
無機質な表情。
そして、その背後に立つ、
新しい天使《003》。
ぼくと同じ顔で、
同じ白い翼を広げていた。

お題に参加させていただきました。
Mr.Qさん、ありがとうございます。