メインコンテンツへスキップ
見出し画像

珍しい、警戒標識の3連以上の設置

    道路を走っていると、ひとつの柱にたくさんの道路標識が設置されていて圧倒されることはないだろうか。このようなケースは多くはないが、一度に3つ、4つの標識を理解することはドライバーにとってはかなり大変である。特に警戒標識は3つ以上の標識が同時にひとつの柱に設置されていることはレアである。この記事では、標識を同時設置する際のガイドラインと、実際の設置状況について掘り下げる。

    2枚以上の本標識の併設は推奨されていない

    道路標識は、道路利用者に対して、案内、警戒、規制又は指示の情報を伝達する機能を有している。その際、ドライバーはいっぺんに複数の情報を処理する必要がある場合は混乱してしまう可能性があるだろう。そのため、道路標識設置のガイドラインを出している国土交通省でも、2枚以上の道路標識を同じ柱に設置する場合のガイドラインを設けている。

    まず、異なる分類の標識 (案内、警戒、規制、指示)は、相互に関連性がない場合は、道路の構造上の理由で交通規制が行われる場合や、場所の課題等 (橋やトンネル等設置が限られる場所で複数設置が必要な場合など) を除き、原則として併設を避ける。

    また、同じ分類の道路標識も必要以上に併設しないこととしている。規制標識は、2枚、3枚、と併設される場合もあるが、「最高速度」と「駐車禁止」のように、必ずしも同時に意識する必要がなかったり、「止まれ」との併設で車両速度が低速または停止することが前提で複数枚を併設しているため、規制標識の場合は、一瞬で一度に意識する必要がある内容は限られている。

    一方、警戒標識の場合は、道路上でドライバーに対し、注意すべき状況や危険をあらかじめ知らせる役割を持っているため、どの内容も等しく注意を払う必要がある。ドライバーは一度に沢山のことに注意を払えないため、最も注意を要するもののみ設置し、原則として併設はしないとなっている。

    2枚以上、ましてや3枚以上の警戒標識の同時設置は、国土交通省により推奨されていない。2枚が併設されているケースは割と見かけるが、3枚以上となるとかなりレアである。

    詳細は、以下に記載がある。

    3-1-5 標示板の併設
    同一の支柱に2以上の標示板を設置する場合には、次の各項に留意するものとする。
    (1)案内標識、警戒標識、規制標識及び指示標識の各道路標識は、相互に関連がある場合を除き、他の分類の道路標識の標示板との併設は原則として避けるものとする。ただし、本標識と補助標識の併設はこの限りではない。
    (2)同じ分類の道路標識の標示板であっても、必要以上に併設しないものとする。 特に警戒標識については、2 以上の設置が考えられる場合においても、そのうち最も注意を要するもののみ設置し、原則として併設はしないものとする。
    (3)(1)又は(2)に関わらず、次のような場合には、標示板の併設について検討するものとする。
    1)現に道路標識が設置されている場所に、近接して道路標識を設置する必要がある場合、又は近接した場所に新たに 2 以上の道路標識を設置する場合で、併設することにより設置効果が増大する場合。
    2)主として道路の構造上の理由で交通の規制が行われる場合であって、警戒標識と規制標識を併設しようとする場合。

    出典: 国土交通省「道路標識設置基準」

    3連以上の警戒標識の設置例

    3連以上のダンゴで警戒標識が設置されている例をいくつか見てみよう。

    まずは北海道釧路市の例である。

    画像
    場所: 北海道釧路市
    釧路空港に通じる旧道に設置されている。「右方屈曲あり」「注意 CAUTION」(旧標識)、「すべりやすい」の3連ダンゴである。「注意 CAUTION」は何に注意するのか不明であるが、道幅が狭く曲がりくねっている昔からの道路では警戒標識が多く設置される傾向にある。
    画像
    場所: 北海道釧路市
    同じく釧路市に新しく開通した道東自動車道に設置された3連ダンゴ警戒標識。上下線で合計4基同じものがある。
    「鳥注意 (タンチョウ)」「動物注意 (シカ、角逆)」、「キリ」と、どれも珍しい警戒標識である。動物注意・鳥注意がダンゴになっているのは、この付近の道路の特徴である。

    首都圏でも東京都葛飾区の東立石公園近くや、都心から比較的近い千葉県市川市に設置例がある。

    画像
    場所: 東京都葛飾区東立石

    関西では、京都市の国道1号線の高架橋のランプ分岐部に、3連ダンゴ警戒標識がオーバーヘッド式で横並びになっていると同時に、さまざまな規制標識も設置されていて情報過多な設置例がある。

    北陸では、新潟県糸魚川市で、なんと5連ダンゴの警戒標識がある。これはさすがにどれに一番警戒すればいいのかわからなくなる!

    *

    どうしても3つ以上の警戒標識を設置する必要がある際には、以下の例のように2か所以上に分けて設置する方が良い。

    3枚以上のダンゴ警戒標識の場所

    拙作の地図では、2025年9月現在、日本全国で約30か所の場所が掲載されている。

    *

    こちらもどうぞ。


     
     
    道路標識、道路標示、信号機、交通規制などについて、マニアックな視点から切り込みます。Tokyo MX「バラいろダンディ」に出演しました。 お問い合わせは X (旧 Twitter) のダイレクトメッセージにて承ります。

    あなたへのおすすめ