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『カラダは私の何なんだ?』王谷晶

     この本は 「乳、髪、尻、肌、足」など、「女だからこうあらねばならぬ」と指摘されがちな部分のお話なんです。女だったらお肌の手入れをするのも、ムダ毛を始末するのも、当たり前でしょ! みたいな呪縛が星の数ほどあるということを、もちろんわかっていたけど、王谷さんの文章を読みながら、「だよね~」「どうしてそんなことになってるの~」と、赤べこのように頷き続けてしまいました。

     「女は子どもを産む機械だ」とか「宴会でお酌するのは女の仕事だ」とか「愛想のない女なんか」とか、今はそういう事を言ったらイカンという事になってますけど、まだまだいますよ、自分が「セクハラ」とか「パワハラ」してるっていう自覚のない奴らが。


     王谷さんは声が低いし、ぼそぼそ話す人なのにコールセンターの仕事をしたことがあるそうです。そこで「笑声(えごえ)」を強要される王谷さんを想像するだけで面白い。王谷さんの夢は「一度でいいから思いっきり高い声で、AC/DCの『地獄のハイウェイ』とか歌ってみたい」のだそうです(笑)

     王谷さん自身の失敗談やら、被害者になりそうになった話やらがたくさん詰まっていて、見た目は過激そうだけど、実は鬱を患ったこともあるという繊細な人なんだなということが良くわかるんです。

     怒ったり、笑ったりしながら読んだこの本を閉じようとした時、ラジオから Sinéad O'Connor の ”Nothing compares 2 u” が流れてきて、あっと思いました。そういえば、彼女も女であるのに素行が悪いと修道院へ入れられたり、レコード会社から女性らしさを求められたのに反抗して、坊主刈りがトレードマークだった人でした。


     どうして、こういう世の中なんだろうね? って王谷さんは、いろんな例を挙げて説明をしてくれます。結局は、女はこうだっていう妄想なんだよねって、バッサリ切り捨てたり、ルッキズムを商売のネタにしている人がいるんだよって教えてくれたり、なかなか楽しい本でした。

     この本は、単行本から5年後の文庫化なので、5年前の文章に対する王谷さんのコメントがついていて、それがジワっとくるんだなぁ(笑)


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