
『自己啓発本を1000冊読んでわかったこと』尾崎俊介
自己啓発本っを、あんなものと否定する人も多いけど、実際の所、かなり売れているんですよ。大ヒット作もかなりあり、小説より大ヒット本が多いのだそうです。
自己啓発、つまり「今の自分よりより良い自分になろう!」という気持ちを持つこと自体は、誰しも良いことだと認めるでしょう。でも、自己啓発本となると「うさんくさい」とか「そんなことできるわけないだろう」とかいう否定論がかなり出てくるんですよね。それは何故なのかを著者はこう分析しています。
自己啓発の本場アメリカと、日本では、人間と神の関係に対する考え方が全く違う。
日本人は、自分の運命とは神が自分に与えたものであると考えているのに対して、アメリカでは「ニューソート思考」(人間の意識や思考は宇宙と直結しており、心の持ちようが現実を創り出す)という考え方を持つ人が多いのです。
この「ニューソート(New Thought)」とは、「心や思考の傾向が健康や人生を形作る(思いは現実になる)」という考え方です。その奥底にある精神性と自己選択の重要性はスウェーデンボルグの霊的・神学思想にルーツを持つとされています。それによって「思考は現実化する」、「引き寄せの法則」のような考え方を、とても自然に受け入れることができます。日本人のように、「そんな、思っただけで引き寄せられるなんて、うさん臭い」とは思わないのです。
うわぁ、これがアメリカの自己啓発の根源だったとは、初めて知った事実に驚いています。
神が幾多の体験を得るために、「宇宙を通して人と神をつなげている」いるって、とってもスピリチュアルな考え方ではあるけど、そう信じられたら自己肯定感は爆上がりですよね。
人生の岐路において、いかなることも自分で決められる。その決断によって運命は切り開ける。まさに「思考は現実化する」し「引き寄せの法則」なのですよ。
逆に言えば、このニューソートの考え方が身についていない人には、アメリカ式自己啓発は意味をなさないのです。なるほど、だから「アンチ自己啓発」派が生まれるわけです。
このニューソートを更に展開させたACIMというものがあり、『私たちは本来「愛」の存在で、「神と一体」である』と考えているのだそうです。これはメンタル最強理論ですね。
これによって自殺する人は減るかもしれないけど、ポジティブすぎて突っ走る危険性も感じます。それが今のアメリカなのかな?
「自己啓発」とは何ぞや? ということを真剣に研究した著者の熱意に、圧倒される本でした。