Tくんは図工の時間にとっても光ってた。絵を描くのも上手かったし、立体物を作るのも上手かった。
木の箱のふたに彫刻をすることがあって、その時も見事な作品を作ってた。わたしは大人になってからもそれを覚えていたから、あれはいい作品だったねって褒めたんだ。
そしたらね、あれは図工の先生が気に入っちゃってさ、校長室の前の展示棚にずっと飾られてて、なかなか返してもらえなかったんだって。
Tくんは控えめな性格な奴で、オヤジになってからも偉そうなことを言ったことがないんだ。そんな彼が「こういうのって自慢かな?」って言うから、わたしは「自慢しちゃいなよ」って答えた。