メインコンテンツへスキップ
見出し画像

友達だから

     小学校からの友達Mは、とても面倒見のいい人で、友達のためなら面倒なことでも、嫌な顔一つせずにやってくれる人です。

     ある時、久し振りにかつての同級生Hから「白内障の手術をするので、一緒に行ってもらえないか」というお願いの電話がかかってきたそうです。

     白内障の手術は日帰りで帰れるのですが、帰りは片目になってしまうので付き添いの人がいないと危ないと、病院の人に言われたのだそうです。

     Hはひとり暮らしで、親兄弟はいません。じゃぁ、どうしようと考えたらMの顔が浮かんだそうです。Mの家からHの所まで1時間くらいかかるけど、自分を頼って来てくれたんだから、行くしかないでしょうと決め、有休をとってHに指定された病院まで行き、手術後彼の家まで送り届けました。

     役所に頼めばボランティアの人が来てくれるらしいけど、それは気が進まなかったんじゃないかな。いくら親切な人と言っても、知らない人に手を引かれて歩くのは嫌だったんだろうなぁ。

     HとMは小学校からの友達だから、彼女に頼むのがHにとってギリギリの選択だったんだろうね。

     世話かけたねと言ってお礼のお金を手渡そうとするH、そんなの気にしなくていいよと言ったM。でも、引き下がってくれそうにないHに「じゃぁ、交通費だけちょうだい」と言ったら、「それだけでいいのかい?」とお金を入れた封筒を渡してくれたH。中身は、交通費としてはかなり高額だったそうです。

     あいつ、カッコつけたいんだよ。だから、「カッコつけさせてやるのが、あたしの仕事」ってMは思ってる。

     
     

    Roko

     
     
    読書が好き

    あなたへのおすすめ