メインコンテンツへスキップ
見出し画像

会社で本当に重要な人は「評価表」では分からない。20代は「評価される人」より「必要とされる人」を目指す

    会社で価値があるのは、評価が高い人。

    若い頃は、そう思っていた。

    上司から褒められる。
    会議で発言する。
    数字を出す。
    重要な仕事を任される。

    もちろん、どれも大切だ。

    でも長く組織を見てきて、少し違うことを思うようになった。

    上から評価されている人より、なぜか現場で何度も名前が出る人がいる。

    「あれ、Aさんに聞いてみよう」
    「Aさんなら知ってるかも」
    「Aさんに間に入ってもらえないかな」

    役職者でもない。
    会議でも目立たない。

    でも、その人がいなくなると仕事が止まる。

    私は、そんな人こそ「組織の心臓」だと思っている。

    会議では目立たないAさん


    以前、私がいた現場にもそんな人がいた。

    Aさん。

    会議では、それほど発言しない。

    自分の成果を大きくアピールするタイプでもない。

    ところが、トラブルが起きるとなぜか名前が出る。

    「Aさん、これ分かります?」
    「一度Aさんに相談してみよう」

    不思議だった。

    さらに面白いことがあった。

    BさんとCさんは、あまり仲が良くない。

    意見も合わない。

    話すと空気が少し重くなる。

    でも、

    BさんもAさんとはうまくいく。
    CさんもAさんとはうまくいく。

    Aさんは、人と人の間に立つのがうまかった。

    評価表に書きにくい仕事をしていた


    よく見ると、Aさんは誰もやりたがらない仕事をしていた。

    部署間の調整。
    認識がズレている人への声かけ。
    数字にならない仕事。

    トラブルになる前の確認。
    誰かが困りそうなら、少し先回りする。

    どれも派手ではない。

    売上○万円。

    契約○件。

    新規プロジェクト成功。

    そんな分かりやすい実績にもなりにくい。

    だから上から見ると、目立たない。

    でも現場から見ると違った。

    Aさんがいるから、仕事が詰まらない。

    人間関係の小さな摩擦を吸収して、
    仕事が流れる状態をつくっていた。

    言ってみれば、組織の「潤滑油」だった。

    潤滑油は表彰されにくい。

    でも、なくなると機械からすごい音がする。

    Aさんが抜けて、初めて分かった


    あるとき、Aさんが現場を抜けた。

    すると、いろいろなことが遅れ始めた。

    確認に時間がかかる。
    部署間の話が進まない。

    「誰に聞けばいいんだっけ?」
    が増える。

    小さな認識違いが、そのままトラブルになる。

    そこで初めて気づいた。

    「あ、部署の支えが消えたんだ」

    Aさんが突然すごい仕事をしていたわけではない。

    毎日、小さな調整を積み重ねていた。

    それがなくなった瞬間、存在の大きさが見えた。

    本当に重要な仕事ほど、「問題が起きない」という形で成果が出ることがある。

    だから見えにくい。

    20代・30代は「評価」より先に「実務」を磨く


    若い頃は評価が気になる。

    私もそうだった。

    上司にどう見られているか。
    同期より評価されているか。
    昇進できるか。

    もちろん、評価は大切だ。

    ただ、評価だけを追いかけると、

    「目立つ仕事」ばかり選ぶ人になる危険がある。

    20代・30代で磨いてほしいのは、まず実務だ。

    困っている人に気づく。
    違う部署の事情を想像する。
    誰も拾っていないボールを拾う。

    情報が止まっていたらつなぐ。
    トラブルになる前に一声かける。

    すると少しずつ、
    「あの人に聞けば何とかなる」
    と言われるようになる。

    これは評価表にはすぐ現れない。

    でも、長い仕事人生では強い信用になる。

    誰も見ていない仕事を、一つやる


    今週、一つだけやってみてほしい。

    誰も見ていない「調整」を一つ引き受ける。

    困っていそうな人へ声をかける。

    部署間で止まっている情報をつなぐ。

    「あれ、どうなりました?」

    と確認する。

    小さくていい。

    そして、アピールするためではなく、
    仕事を前へ進めるためにやる。

    評価はあとからついてくることもある。

    ついてこないこともある。

    でも、

    「あなたがいると仕事が回る」

    という信用は残る。

    会社で本当に替えがきかない人とは、誰より目立つ人ではない。

    その人がいなくなったとき、初めて全員が存在の大きさに気づく人だ。


     
     
    「日経COMEMO賞」(noteと日本経済新聞の共同お題企画)受賞。海外や行政への営業経験を活かし、行動につながる「気づき」を発信┃25年間の営業経験┃会社売上の49%を個人で達成┃私をフォローすると営業で「断られるしんどさ」から解放され、成果を出す方法が見つかります。

    あなたへのおすすめ